リタ・クーリッジが気だるく歌うジャジィなストマン リタ・クーリッジが気だるく歌うジャジィなストマン

リタ・クーリッジが気だるく歌う
ジャジィなストマン

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週は名スタジオ・ギタリスト=ディーン・パークスがバックを務めた、リタ・クーリッジのカバーをお届けします。ゆったりと流れる気持ちの良い雰囲気なので、月曜朝の電車などでは寝過ごし注意!!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


ディーン・パークスが吠える
ジャジィに崩したストマン

60年代末、デラニー&ボニーのツアーに参加、さらにレオン・ラッセル率いるバンドの一員として、ジョー・コッカーの“マッド・ドッグ・イングリッシュメン”でいち早く「スーパースター」を歌っていたリタ・クーリッジ。

ネイティヴ・アメリカンの血を引くが、クリス・クリストファースンと結婚(のち離婚)、連名アルバムも多く、カントリー畑の印象もある。また、79年に「あなたしか見えない」が東京音楽祭のグランプリを獲って、森高千里などの曲を英詞でカバーするなど、妙に日本にも縁のある人だ。

しかし、出発点にはゴスペルがあったというし、71年のソロ・デビュー作でもアルバート・キングの「悪い星の下に」をカバーしていた。

「ストーミー・マンデイ」は、ブルース風味のあるジャズ・アルバムという趣の96年作『Out Of The Blues』に収録。

スローの4ビートでゆ~ったりスウィングして、気だるくジャジィに歌うリタ。最初の2連歌詞のメロディ・ラインは完全に崩してます。3番の“Lord, have mercy on me”を“~on my soul”って変えているところが、ネイティヴ・アメリカンぽいかも? 韻を踏むために、その後の歌詞は“I’ve been looking for my baby, till I don’t know which way to go”に。

ギターはディーン・パークス。前半は目立たないが、後半になると歌に絡むようにオブリを弾きまくる。