ケニー・バレルによる渋〜いインスト・ストマン ケニー・バレルによる渋〜いインスト・ストマン

ケニー・バレルによる
渋〜いインスト・ストマン

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はブルース・フィーリング溢れるジャズ・レジェンド、ケニー・バレルによるインスト・カバーをお届け! しっかりと原曲のブルージィな雰囲気を残しつつ、ジャズ・ギターに落とし込むセンス。脱帽です!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


歌ものブルースを
見事にインスト化

ジャズ・ギターの巨匠中の巨匠、ケニー・バレル師。特にブルース系に強いということで知られるが、「Chitlins Con Carne」なんかは逆にオーティス・ラッシュ始め、ブルース畑でレパートリーにされている。

幸運なことに、一度コーネル・デュプリーにインタビューする機会があったが、影響を受けたギタリストの1人として名前を挙げていた。カタカナ読みでは頭にアクセントをつけて、「」レルとなるのが通例だけど、その時のデュプリーの発音は、“rr”にアクセントをつけたブ「」ルで、通訳の人と“誰のことだ?”と一瞬インタビューが中断した覚えがございます。

ピアノ・トリオをバックにしたケニー・バージョンはもちろんインスト。ベース・ソロでスタートし、1コーラス弾いてテンポを落ち着けたところからギター&バンドでスタート。歌メロ2コーラス(1番と2/3番)のあとに奔放なアドリブをくり広げ、歌メロに戻って、歌メロ2つ目でフェイド・アウトして終わり。

ブルースって、メロディそのものよりも節で聴かせる部分も大きいので、歌もののインスト化は案外難しいが、ここではアドリブから戻ったあと、“ああこういう歌だったね~”と納得できるものに。さすが。

余談ですが、米盤LPはアルバム・タイトルに合わせて、レーベル部分に稲妻のイラストを入れていた。お洒落ですね。