エタ・ジェイムズによるストマン!魂が震える歌唱と名伴奏 エタ・ジェイムズによるストマン!魂が震える歌唱と名伴奏

エタ・ジェイムズによるストマン!
魂が震える歌唱と名伴奏

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週は歌姫、エタ・ジェイムズの貴重なライブ音源をご紹介! 優秀な音楽プロデューサーとしても知られるブライアン・レイのギターも聴きどころ満載です!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈

歌姫を支えながらもしっかりアピールする名伴奏

R&Bのゴッドファーザー、ジョニー・オーティスに見出されたエタ・ジェイムズ。55年にわずか18歳でロッキン・ナンバー、「ザ・ウォールフラワー」がR&Bチャート1位に。60年代にはジャズにも接近、61年のバラード・ヒット「アット・ラスト」は、映画『キャデラック・レコード』(2008年)でエタ役を演じたビヨンセが、オバマ大統領の就任式でも披露したことでよく知られる。

かなり深刻なドラッグ中毒になりながらも、2012年に亡くなるまで活動。ジャズからソウル、ファンクまで幅広く対応しながら、あくまでもエタらしさを失わず、各時代に名盤あり。

激烈なシャウト唱法は、ジャニス・ジョプリンにも多大な影響を与えた。その根本にはブルースがあり、ブルースに焦点を当てたアルバムも多く残している。

「ストーミー・マンデイ」は、75年のモントルー・ジャズ祭出演時に披露しており、2021年6月に発売された『The Montreux Years』に収録されている。ベースにジョン・ポール・ジョーンズが参加しているように(実に堅実なプレイ!)、この場限りのセッション要素が強かったためか、かなりブルース寄りのステージとなったようだ。

ギター&音楽監督は、LAのロック系セッションマン~プロデューサーのブライアン・レイ。“ストマン進行”を使ったオーソドックスなスローで、レイはB.B.キング~バディ・ガイ系のギターで全体をリード。ワン・コードでじわっと盛り上がり、静かに終わっていくエンディングのアレンジもなかなか面白い。