ディスク・レビュー『ヴュー・ウィズ・ア・ルーム』ジュリアン・レイジ ディスク・レビュー『ヴュー・ウィズ・ア・ルーム』ジュリアン・レイジ

ディスク・レビュー『ヴュー・ウィズ・ア・ルーム』ジュリアン・レイジ

『ヴュー・ウィズ・ア・ルーム』
ジュリアン・レイジ

ユニバーサル UCCQ-1167 ¥2,860 9/16 全10曲

【参加クレジット】
ジュリアン・レイジ(g)、ビル・フリゼール(g)、ホルヘ・ローダー(b)、デイヴ・キング(dr)

【曲目】
①トリビュタリー
②ワード・フォー・ワード
③オーディトリアム
④ハート・イズ・ア・ドラム
⑤エコー
⑥チャベス
⑦テンプル・ステップス
⑧キャッスル・パーク
⑨レット・エヴリ・ルーム・シング
⑩フェアバンクス

レギュラー・トリオに奇才フリゼールを迎えサウンドの拡張を図った名門移籍第2弾

 ジュリアンのブルーノート移籍後の第2弾となる本作。リズム隊は前作に引き続きだが、今回はすべてオリジナル曲。ソリッド路線を展開して5枚目となるが、ここに来てトリオのカラーがさらに確立されている。

 単音にダブル・ストップ、オクターブ奏法、コード・ワーク……あらゆる奏法を網羅しての目くるめくギターのアプローチには今回も引き込まれっぱなしだ。②の1:22〜1:34などで飛び出す、中音域から高音域や低音域に交差する十八番の跳躍カウンター・ラインにも仰け反る。

 加えて、一足先に名門レーベルに移籍していたフリゼールが7曲で参加! オブリともソロともつかない奇々怪々なバッキング(?)は独特極まりない。ジュリアンが追い求める“有機的インプロと小編成の機敏さを兼ね備えた魅惑のオーケストレーション”は、奇才を迎えたことにより、逆に彼ならではの世界観が浮き出た高密度な作品に仕上がっていて、天才ぶりをまたもや見せつけている。

(石沢功治)

ギター・マガジン2022年10月号
レス・ポールの70年

本記事はギター・マガジン2022年10月号にも掲載されています。表紙特集はギブソン・レス・ポール誕生70周年を記念した『レス・ポールの70年』!

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Julian Lage