ディスク・レビュー『ロック・キャンディ』オリアンティ

　オリアンティの新アルバムは古き良きハードロックのテイストを押し出しつつ静と動の対比を用いたアレンジやモダンなビート感、コンパクトな楽曲サイズなどを活かして、独自の魅力を創出していることが印象的。

　激しさとキャッチーさを兼ね備えた良質な楽曲と凛とした雰囲気のボーカルのマッチングは最高にカッコいいし、翳りを帯びたバラードやノイジーなナンバー、アコースティック・チューンなどで幅広さを見せているのもさすがと言える。

　ギターも充実していて、ブルースが香るフレージングの合間に速弾きやスウィープ・ピッキングなどを織り交ぜる独創的なギター・ソロを筆頭に、力感に溢れたリフ・ワークや荒々しいファズ・サウンドをフィーチャーしたナンバー、アコギでソロを奏でている「リヴィング・イズ・ライク・ダイイング・ウィズアウト・ユー」など、聴きどころには事欠かない。

　オリアンティの美意識や音楽に対する意欲を堪能できる一作となっている。

（村上孝之）

【参加クレジット】
オリアンティ（vo, g）、ジェイコブ・バントン（b, p, vln）、他

【曲目】
①イルミネイト（パート1）
②ライト・イット・アップ
③ファイア・トゥゲザー
④ホエア・ディド・ユア・ハート・ゴー
⑤レッド・ライト
⑥ヴォイド
⑦バーニング
⑧リヴィング・イズ・ライク・ダイイング・ウィズアウト・ユー
⑨ウィッチズ＆ザ・デヴィル
⑩ゲッティング・トゥ・ミー
⑪イルミネイト（パート2）
⑫ホエア・ディド・ユア・ハート・ゴー（アコースティック・ヴァージョン）*

*＝ボーナス・トラック