ディスク・レビュー『フォー』ビル・フリゼール ディスク・レビュー『フォー』ビル・フリゼール

ディスク・レビュー『フォー』ビル・フリゼール

『フォー』
ビル・フリゼール

ユニバーサル UCCQ-1177 ¥2,860 発売中 全13曲

フリゼールの新旧オリジナル曲を変則カルテットで演奏

 ブルーノート移籍後の1作目はペトラ・ヘイデン(vo)らの“ボイス”をフィーチャーし、2作目はルディ・ロイストン(d)とトーマス・モーガン(b)のトリオによるインタープレイを聴かせてくれたフリゼール。今作は、ギターとサックス/クラリネット、ピアノ、ドラムという変則カルテットでの演奏で、フリゼールのオリジナルを13曲収録している。

 音数を絞った演奏と浮遊するようなタイム感、アメリカーナの要素を取り込んだ作風がフリゼールの特徴だが、今回はベースがいない編成ということもあり、その軽やかでオープンな雰囲気が増して感じられる。

 フリゼールお得意のオブリ的バッキングは、低域の隙間があるからこそ輪郭がはっきりと見えてくる印象だ。フリゼールのプレイを活かすように分厚すぎないハーモニーで支えているクレイトンも素晴らしい。

 ⑬でのダーク&ブルージィなトーンは、この新たなメンバーだからこそ生まれたものだと言えるだろう。

(今井悠介)

【参加クレジット】
ビル・フリゼール(g)、グレッグ・タルディ(sax, cl)、ジェラルド・クレイトン(p)、ジョナサン・ブレイク(d)

【曲目】
①ディア・オールド・フレンド
②クロード・アトリー
③ザ・パイオニアーズ
④ホリデー
⑤ワルツ・フォー・ハル・ウィルナー
⑥ルックアウト・フォー・ホープ
⑦モンロー
⑧ワイズ・ウーマン
⑨ブルース・フロム・ビフォア
⑩オールウェイズ
⑪グッド・ドッグ、ハッピー・マン
⑫インヴィジブル
⑬ドッグ・オン・ア・ルーフ

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