『SNOWFLAKES』
小倉博和
極希少な戦前マーティンD-45を使用したアコースティック・ソロ・ギター作品
数々のセッション・ワークで活躍する小倉博和による最新作は、全曲アコースティック・ギターの独奏で臨んだ1枚。
使用ギターはマーティン・ドレッドノートの最高峰であり、なおかつマーティンの黄金期に製作された1938年製D-45と、D-45を7/8サイズにしたCUSTOM 7-45の2本。
弦やボディを叩くことでグルーヴを押し出しながら、メロディやベース・パート、さらにはアドリブも同時に弾いてしまう複雑な奏法をフィーチャーしているが、これは山弦の2021年作『TOKYO MUNCH』で自身の新たな試みとして初めて披露したもの。
ただ、演奏からはそうした複雑さは感じられず、むしろカホンとリラックスしながら二重奏を楽しんでいるような雰囲気に仕立てている。
1938年製D-45の音色は深みがあってダイナミック。戦前オリジナル・マーティンD-45の製作本数はわずか91本で、そのギターの音が収められているという意味でも、非常に貴重な音源となっている。
(関口真一郎)
【参加クレジット】
小倉博和(g)
【曲目】
①Snowflakes
②Driving in Christmas
③New Hope
④Playground
⑤Knock on Wood
⑥Freedom Park
⑦Orange County
ギター・マガジン2023年3月号
特集:現代ジャズ・ギター入門
2023年2月13日(月)発売