ディスク・レビュー『ザ・レイヤーズ』ジュリアン・ラージ ディスク・レビュー『ザ・レイヤーズ』ジュリアン・ラージ

ディスク・レビュー『ザ・レイヤーズ』ジュリアン・ラージ

『ザ・レイヤーズ』
ジュリアン・ラージ

『ザ・レイヤーズ』ジュリアン・ラージ
ユニバーサル UCCQ-1182 3/17 2,200円 全6曲

前作のセッション音源で構成された続編EP ビル・フリゼールとの贅沢コラボも再び

 ブルーノート移籍後も順調なリリースを重ねているジュリアン・ラージだが、今回登場するのは、ジャケットの配色からもうかがえるように、前作『ヴュー・ウィズ・ア・ルーム』セッションからのお蔵出し6曲をEPとしてまとめたもの。

 またしてもビル・フリゼールとの超贅沢なコラボが5曲で聴ける。ジュリアンのパートナーでもあるSSWのマーガレット・グラスピーがプロデューサーとしてクレジットされているのも目を引くところだ。

 前作はすべてエレキ・ギターでプレイしていたが、ここではエレキ曲とアコースティック曲が交互に並べられていて、久々にジュリアンのアコギさばきが楽しめるのが嬉しい。

 とりわけ④はビルとのデュオになっていて、超然としたアンサンブルにはただ聴き惚れるのみ。テクニック云々などという次元ではなく、お互いの心に触れ合うような、超能力者の会話を聞いているよう。

 独自の和音感ながらどこかザ・バンド「ザ・ウェイト」を思わせるタイトル曲も心に残る。

(青山陽一)

【参加クレジット】
ジュリアン・ラージ(g)、ビル・フリゼール(g)、ホルヘ・ローダー(b)、デイヴ・キング(d)

【曲目】
①エヴリシング・ヘルプス
②ダブル・サウスポー
③ミッシング・ヴォイセズ
④ディス・ワールド
⑤マントラ
⑥ザ・レイヤーズ

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