ディスク・レビュー『All Born Screaming』 セイント・ヴィンセント ディスク・レビュー『All Born Screaming』 セイント・ヴィンセント

ディスク・レビュー『All Born Screaming』 セイント・ヴィンセント

『All Born Screaming』
セイント・ヴィンセント

『All Born Screaming』セイント・ヴィンセント
輸入盤 4/26 全10曲

自己プロデュースと豪華ゲストによる客演で自身を解放した超大作

 2022年のSUMMER SONICではジェイソン・フォークナー(g)、ジャスティン・メルダル・ジョンセン(b)、マーク・ジュリアナ(d)、レイチェル・エクロス(k)などをバックに素晴らしいステージを披露したセイント・ヴィンセント。

 新作はどのような作風なのか期待を膨らませ再生したところ、サイケデリック・フォーク①、ドロップC♯チューニングによる破壊的なドゥーム③、P-FUNKを彷彿させる⑤、コーラス・ギターが心地良い80’sダンス・ナンバー⑩など、とにかくバラエティに富んでいる。

 もちろんギターはアニー・クラークが弾いているのだが、ジャスティン、マーク、レイチェルを始め、なんとデイヴ・グロールとジョッシュ・フリーズのフー・ファイターズ2人と、ウォーペイントのステラ・モズガワがドラムで参加。

 2017年の『Masseduction』以降オリジナリティを極限まで突き詰めた天才が、初の自己プロデュースでさらに自身を解放した大作だ。

(小林弘昂)

【曲目】
①Hell is Near
②Reckless
③Broken Man
④Flea
⑤Big Time Nothing
⑥Violent Times
⑦The Power’s Out
⑧Sweetest Fruit
⑨So Many Planets
⑩All Born Screaming(featuring Cate Le Bon)

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St. Vincent