IntroductionCharの略歴と必聴曲を紹介! IntroductionCharの略歴と必聴曲を紹介!

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Charの略歴と必聴曲を紹介!

“平成生まれが語るCharのすごさ”というテーマを立ててみたものの、若い方にはCharについて詳しくない人もいるかと思う。そんな方のために、まずは簡単なミニ・ヒストリーと必聴曲プレイリストをお届けしよう。“おいおい、こんなの一般常識だろ!”というベテラン勢は読み飛ばしても全然OK。逆にもしCharを知らないならば必読だ。

文=近藤正義 プレイリスト作成=編集部

本格派スリー・ピース・バンドを
日本のロック・シーンに根付かせた

 Char=本名・竹中尚人、1955年6月16日生まれ。東京都品川区戸越出身の現在65歳(2020年8月時点)。7歳よりピアノを習い、8歳でギターにも目覚める。ベンチャーズに始まり、クリーム、ジミ・ヘンドリックス、ジェフ・ベック、レッド・ツェッペリン、グランド・ファンク・レイルロードなどのロック・ギターに没頭。小学生でロック・バンドを結成すると、早くも中学生でコンテスト荒らしとして有名になる。なんと中学3年生でスタジオ・ミュージシャンの仕事も始め、ギター奏法教則『ロック完全マスター』のデモ演奏も担当した。高校生で組んだバンド、Shock、Bad Scene、スモーキー・メディスンはプロ・デビューの一歩手前で惜しくも解散しているが、その後フォーク系グループのレコーディングやコンサートのバック・バンドの仕事をこなしながら時を待ち、1976年6月に待望のソロ・デビューを果たす。

 当初は第2期ジェフ・ベック・グループのようなソウルや16ビートを採り入れたサウンドでスタートしたが、日本のマーケットで勝負する必要から次第に歌謡曲ロック路線となっていく。しかし俳優の仕事までが舞い込む芸能界のシステムにストレスを感じ、78年には活動を一度リセットして本格的ロック・バンド、ジョニー・ルイス&チャーを結成。79年7月の日比谷野外音楽堂フリー・コンサートから精力的な活動を展開する。81年にはレコード会社の移籍に伴いバンド名をピンククラウドに変更。1994年の解散まで王道を行く本格派スリー・ピースのロック・バンドとして日本のロックシーンに存在感を示した。

 その他には、91年から石田長生とのアコースティック・デュオ『BAHO』、92年からはもうひとつのバンド『サイケデリックス』も始動。当初はソロ活動のために組まれたサイケデリックスだったが、日米英混合メンバーによるワールドクラスのサウンドを聴かせるバンドとなり、その後はドラムのジム・コウプリーとのユニットへと発展する。また、元クリームのジャック・ブルースとの共演ライブ、元ベック、ボガート&アピスのティム・ボガート、カーマイン・アピスと組んだチャー、ボガート&アピスとしてのアルバム・リリースとコンサート・ツアーなど、伝説のロック・バンドへのリスペクト溢れるオマージュと新たなチャレンジという夢のような企画を実現し、ファンを狂喜させた。

海外のギタリストに比肩する
ギター・ヒーローとしての資質

 チャーの功績は、70年代後期のまだ歌謡曲が牛耳っていた日本の音楽シーンにロックの新風を吹き込みんだこと、機材の発達などによりエフェクティヴなサウンドや多様なスタイルのロックがもてはやされた80年代にトリオ編成による骨太なロックを守り抜いたこと、打ち込みやシンセがシーンの中心となった90年代にもそこに溶け込むアナログ楽器=ギターの存在感を示したこと、BAHOとしての活動よるアコースティック・ギターの普及への貢献など、枚挙にいとまがない。また、1988~1997年には電話通販専門レーベルの江戸屋Record、2010年から現在まではネット通販専門レーベルZiccaを立ち上げており、これらを運営したことはアーティスト主導によるインディーズ・レーベルの先駆けでもあった。

 そして、何よりもギター・ヒーローとしての資質を持っていたこと。海外のギタリストに比べて遜色ないギターのテクニックとリズム感、シャープなルックス、またボーカルも達者であったことがギター・キッズや女性ファンの心をつかんだ。彼と同じギターを持って彼の曲を弾きたいと思わせたのだ。だからフェンダー・ムスタングに対する今日の評価はチャーによるところが大きい。40年以上にわたってシーンの第一線で活躍する、最高にイカしたギター・ヒーローである。

令和も語り継ぎたいCharの名演集

おもに平成生まれのCharの音楽をあまり聴いたことがない人のために、入門用のプレイリストを編集部で作成してみました! ソロ作、バンド作品、ゲスト参加、コラボ曲などから、独断と偏見で必聴曲を選んでみたので、ぜひチェックしてみて下さい! 編纂したのもギリギリ平成生まれなので、ご安心を(笑)。

>Interview|エジマハルシが体感したCharの“冷静と情熱の間”
>Special|令和時代も語り継ぎたい――平成生まれが語るCharのすごさ。