Shoko & The Akilla 『Shoko & The Akilla』 Shoko & The Akilla 『Shoko & The Akilla』

Shoko & The Akilla 『Shoko & The Akilla』

文=ワダマコト

チカーノ・ソウルとロックステディの夕暮れ。

 チカーノ・ソウルとジャマイカのロックステディの美学には共通するものがあって、夕暮れのリバーブ感とか、埃っぽいスタジオの鳴りとか。米国の60年代ソウルを独特の価値観で咀嚼したような、独特な世界なのである。そんな美学をしっかりモノにしていることをひしひしと感じさせてくれるセンス良い一枚。“チカーノ・オールディーズもロックステディも”という点で、現チカーノ・シーンの重要人物であるジョーイ・キニョネスあたりに通じる味わいだ。アルトン・エリスの③は、アルトンなのに裏打ちじゃない曲をセレクトするひねくれ具合いも偏った音楽バカぶりが滲み出ていてすてきだと思う。日本語詞のスカ・ナンバー⑦は、どこか昭和な香りが秀逸。可憐な歌はディープ過ぎないところが良いし、ギターも隙間の生かし方がわかっている。ストレートに米国ソウルのみをたどってきた耳では、この雰囲気にはならないのである。絶妙のアンバイ、さじ加減だと思う。

作品データ

『Shoko & The Akilla』Shoko & The Akilla

『Shoko & The Akilla』 Shoko & The Akilla

PAPILLON / AWDR/LR2/DDCB-12113/2020年8月12日リリース

―Track List―

01.Intro
02.Earthy Smells
03.Muriel
04.日曜の昼下がり
05.My Summer Love
06.夢のような
07.側にいれば
08.My Only Chef
09.Blue Yes Blue
10.Oyasumi Song

―Guitarists―

Akilla