セブンスの周りには「逆Nの法則」がある! | ギター作曲100の裏ワザ:023 セブンスの周りには「逆Nの法則」がある! | ギター作曲100の裏ワザ:023

セブンスの周りには「逆Nの法則」がある! | ギター作曲100の裏ワザ:023

ギタリストならではの、目からウロコな作曲法があふれ出す!

文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
*この記事は書籍『ギター作曲100の裏ワザ 知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集』(2010年/リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。

ダイアトニック以外のコードを選ぶなら ➡ セブンス周辺には「逆Nの法則」

 家に帰るにはセブンス・コードを通れ、と書いてきました。じゃぁ、そもそもセブンスって何?って話ですよね。

 まず音の響きを言葉で表すと、メジャーは明るいです。で、マイナーは暗い。そして、セブンスは“アンニュイ”です。なんか不思議っぽくて、浮遊感があって、どこかに落ち着きたがるサウンドです。だから、家に帰りたがるのです。それが、「逆Nの法則」。裏ワザ016に書いたAmキーの時には、A音から2フレット上の5弦E音にセブンスの付いた、E7が登場するのです。

 そしてもう1つ、Amキーで出てくることが多いのが、B7です(ピンクレディー「UFO」など)。

 B7は、Eに行きたがります。逆Nの法則に準じると、「B7→E7→Am」の進行が考えられますね。さらにCとAmは似た者同士(裏ワザ015参照)なので、B7とE7はCキーでも使われる可能性の高いコードと言えるのです。セブンスの周りには、逆Nの法則の可能性があると思っていいでしょう。

マイナー・キーでも逆Nの法則は使える
マイナー・キーでも逆Nの法則は使える

 ここまでの話をまとめると、CとAmは構成音が近いので、CキーとAmキーでは同じコードが使われることが多いのです。そこに「1、2m、3m、4、5、6m、7m(♭5)」以外の「珍しいコード(ノン・ダイアトニック・コード)」が出てくるということは、ある意味、部分的に転調しているとも言えます(本来の転調は、長めのセクションまるごとであり、元のキーに戻らない場合もあります)。

 レストランの店長でも、昼休憩はしたいですよね。そんな時、誰か別の人で、多少責任的にも任せられる社員に、一時的に仮の店長になってもらう。そして、休憩時間が終わったら元の店長に戻る、というイメージです。

 ダイアトニック・コードだけでも曲はいくらでも作れますが、個性を出すために部分転調させる(ノン・ダイアトニック・コードを使う)のです。そこで、セブンスの行きたがる方角である「逆Nの法則」を使えば、自然なコード進行が作れるということです。これらのパターンを知るには、既成曲の進行を見つめるのが得策ですよ。

『ギター作曲100の裏ワザ 知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集』

著者いちむらまさき
品種電子書籍
紙版発売日2010.03.19
紙版ISBN9784845617968

いちむらまさき プロフィール

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

様々な雑誌に記事を書きつつ、『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)などを執筆。

東京でギター/ウクレレ楽器教室も。

◎公式サイト→https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki