THE COLLECTORSが、24枚目のフル・アルバム『別世界旅行〜A Trip in Any Other World〜』をリリースした。新型コロナ・ウイルスや香港民主化デモに始まり、急速に変化する現代社会、失われつつある昭和の風景、2020年以降の新たな人生観/価値観を歌詞に込めている。それをネオアコやネオGSのバンド・サウンドに乗せ、THE COLLECTORS流にパッケージ。ここでは、最新の古市コータローの使用機材を紹介しよう。
取材・文=小林弘昂 人物・機材撮影=星野俊
Guitars
Amplifier
1975 Marshall Lead & Bass 50 Combo

好みのサウンドにチューニング
2015年2月に購入した50Wのコンボ・アンプ。購入時は240V仕様で“がんばってそのまま使おうとした”そうだが、やはり限界があり、魚頭圭氏にメインテナンスを依頼。その際、歪みのバランスなどを古市の好みにチューニングしてもらったとのこと。インプットはHIGH側のⅠを使用。各ツマミはPRESENCEが0、BASSが10、MIDDLEが7、TREBLEが2過ぎ。VOLUME Ⅰが1に設定されていた。アンプ側でメインのクランチ・サウンドを作っており、PRESENCEとTREBLEは会場によって調節する。古市曰く“ボリュームはこれくらいでちょうど良い。マーシャルはBASSが好きでMAXにしちゃう”そうだ。
Pedalboard
アンプの歪みに“ちょい足し”

②KORG/Pitchblack(チューナー)
③Xotic/EP Booster(ブースター)
④Analogman/TS9 Mod.(オーバードライブ)
⑤Analogman/BD-2 Super Mod.(オーバードライブ)
⑥Maxon/CS-9(コーラス)
⑦Way Huge/Aqua-Puss MKⅡ(アナログ・ディレイ)
⑧E.W.S./PNS-1(パワーサプライ)
⑨Xotic/RC Booster(ブースター)
⑩Danelectro/Tuna Melt(トレモロ)
⑪Ibanez/TS Mini(オーバードライブ)
ギターからの接続順は①〜⑦の番号通り。基本的にアンプの歪みをメインにしているため、各エフェクターは味付け程度に使用する。③EP BoosterはLead & Bass 50 Comboが使用できず、ほかのアンプを使うことになった場合にのみ、ツマミを0にして常にオンにするという。そうすることで音にハリが生まれるそうだ。
④TS9のモディファイは「おねがいマーシー」などのハードな曲で踏みっぱなしにしたり、単音リフやソロを弾く時にオンにする。⑤BD-2のモディファイは“特別なギター・ソロ”用。“THE COLLECTORSは楽器が3ピースだからソロの時に迫力が落ちちゃうでしょ? 例えば「世界を止めて」は尺も長いから、そういう勢いを出したい曲で使う”そうだ。TONEツマミは9時にセッティングされているが、“正直0でもいいくらい。これが正しいBD-2の使い方”と語っていた。⑨RC Boosterは⑤BD-2に飽きた時、たまに交換するという。
⑥コーラスはストーン・ローゼズのジョン・スクワイアの影響で購入。⑦ディレイは“最近はほとんど使わないね。ギター・ソロの最後に踏むくらいかな”とのこと。⑩トレモロは“見た目がかわいいから買ったんだけど、一度も使ってない(笑)”そうで、⑪TS Miniはサブとしてセット。