取材・文=ギター・マガジン編集部 機材写真=星野俊 デザイン・図版=猪野麻梨奈
BOSS SD-1といえば、スムーズでマイルドな歪み、高域と低域が適度に抑えられたミッド・レンジの存在感、幅広い対応力に定評がある。本企画の最後を締めくくる牛尾健太の言葉も、またその定評を裏付けるものとなっている。
KENTA’S SETTING
結局これに帰ってくる、そんなエフェクター
最初のきっかけは有馬(和樹/おとぎ話のギター&ボーカル)が持っていたSD-1を弾かせてもらったことでしたね。オーバードライブをいろいろ探していた時に一番しっくりきたんですよ。そこから10年以上はずっと使っていますね。レコーディングでもほとんどつないでいるので、おとぎ話の曲はどれもSD-1の音が聴けます。ライブでは曲によってDRIVEを調整していて、「めぐり逢えたら」や「綺麗」ではほぼゼロで使うこともありますね。
ブースターとして使ってもいいし、クランチだったらメインの歪みとしてもいけるから、僕にとっては万能です。シングルコイルとハムバッカーの両方に合いますしね。僕はSGを使っていますけど、SGって低域がモワッとするんですよ。SD-1はそれをうまく削りつつ中域にまとめてくれるし、コンプ感もいい。とりあえず踏んでおけばなんとかなる、っていう安心感がありますね。
初めて使う場合は単体で強く歪ませないほうがいいかな。DRIVEを10時以内にして弾いてみるのがオススメです。本当にスタンダードなオーバードライブの音がするから、ぜひ使ってみてほしいですね。ある程度経つと物足りなくなってきて、ほかの歪みに手を出したりすると思うんですけど、結局“やっぱりこれで良いよなあ”って帰ってくる、そんなエフェクターだと思います。
PROFILE
うしお・けんた●1983年生まれ、広島県出身。2002年にロック・バンド、おとぎ話に加入。ブリティッシュ・ロックから影響を受けたメロディアスなフレーズ・ワークに定評がある。バンドの最新作は『REALIZE』。
LAST RELEASE
『REALIZE』おとぎ話
felicity cap-328/PCD-24951
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本記事は『ギター・マガジン2020年9月号』にも掲載されています。表紙巻頭特集は「シティ・ポップと夏。〜とろける極上ギター・ソロ篇」。ぜひチェックしてみて下さい!