吉田喜一(神はサイコロを振らない)愛用ギター&ペダルボード! 吉田喜一(神はサイコロを振らない)愛用ギター&ペダルボード!

吉田喜一(神はサイコロを振らない)
愛用ギター&ペダルボード!

メジャー1stフルアルバム『事象の地平線』をリリースした神はサイコロを振らない。ここでは、ギタリスト吉田喜一の愛用ギター&ペダルボードを紹介する。彼の多彩なサウンド・アプローチを支える各種機材の詳細を見ていこう。

文=伊藤雅景 撮影=星野俊

Guitars

Nashguitars/JM63

芯の太い音像が特徴のメイン器

米オリンピアのハンドメイド・ブランドが手掛けるこのJMタイプが、最も使用頻度の高いメイン・ギターだ。2020年頃に入手した1本で、リペアショップ“工房Path”にて、プリセット・スイッチのバイパスとポッド類の改造が施されている。

ライブではドロップDでスタンバイしており、メキシコ製フェンダー・ストラトキャスターと曲により使い分け。レコーディングではバッキングとリード・パートの双方で使用することもあったが、その際はギター側のボリュームやトーンを変えて違いを出したそうだ。

吉田曰く“ネックの太さのおかげか、ほかの所有ギターと比べて音の芯が太く、低音がざらつく感じが好み”とのこと。


Fender/Road Worn ’60s Stratocaster

様々な楽曲で活躍する第二のメイン

2020年頃に入手したという本器は、第二のメイン。音の雑味が少なく同期との相性が良いため、おもにバラード曲で使用するとサウンドが映えるとのことで、「初恋」のスタジオ・ライブ動画でも登場した。センター・ピックアップをメインで使用し、リフやギター・ソロではフロント・ピックアップへ切り替えて弾いている。

ライブではドロップDやレギュラーと、チューニングを変更することがあるため、ピッチの安定化のためにトレモロ・ユニットはベタ付けにセッティング。また、アールが吉田の好みになるよう、指板が削られているそうだ。


Fender/Classic Player Jazzmaster Special

数多くのカスタムを施したサブ・ギター

インディーズ時代から愛用しており、現在はライブのサブを務めているクラシック・プレイヤー・ジャズマスター・スペシャル。

内蔵サーキット類に純正の部分は残っておらず、ピックアップ・コイルの巻き数や配線材の変更など、改造が幾度となく行なわれている。こちらもナッシュ・ギターズ同様、プリセット・スイッチはバイパス。純正のチューン・オー・マティック・ブリッジの下部には、共振を抑えるためのスポンジが挟まれている。

“ジャズマスターらしいジャキジャキ感と、ストラトキャスターのフロント・ピックアップのようなブリっと感を両立している”と本人談。


Ibanez/Prestige AZ2402

ソリッドな世界観を支える1本

インディーズ時代はメイン・ギターを担っていたアイバニーズのPrestige AZ2402。改造箇所はなく、ほぼ購入時のセットアップのまま使用している。

近年はレコーディングでの使用がほとんどで、最新作『事象の地平線』では「プラトニック・ラブ」のリードを始め要所要所で起用。

本器のサウンドについて吉田は、 “ピッチの良さ、クリーンの綺麗さが段違いで、テンションも弱く弾きやすい。特に神サイの冷たい印象の楽曲にとてもマッチします”と語る。なお、コイルタップ・スイッチが搭載されているが、ほぼシングルコイル・モードで使用。

Pedalboard

【Pedal List】
①FREE THE TONE/ARC-53M(プログラマブル・スイッチャー)
②Z.VEX EFFECTS/Fuzz Factory 7(ファズ)
③Suhr/Riot Distortion(ディストーション)
④Fulltone/OCD(オーバードライブ)
⑤strymon/blueSky(リバーブ)
⑥Line6/HX Stomp(マルチ・エフェクター)
⑦TC Electronic/Polytune2(チューナー)
⑧Xotic/RC Booster(ブースター)
⑨FREE THE TONE/PT-1D(パワーサプライ)

定番ながら玄人なエフェクトの使い分けがミソ

スイッチャー①を軸に、コンパクトに収められた吉田のペダルボード。①の各ループには②~⑥は番号順にそれぞれ接続されているが、この順番は時期によって変わるらしい。①のプログラムはシンプルで、各バンクに1つずつの割り当てで使っている。

歪みエフェクターは重ねがけはせず、あくまで単体での使用が多いようだ。ギター・ソロの際は③を使用することが多いが、音量はほぼプッシュせず、右手の強弱のコントロールで差異を演出しているとのこと。なお、アンプ側はBognerのEcstasyを、クランチ・サウンドになるようセッティングしている。

空間系は⑤と⑥ですべてをまかなっている。⑥はそれ以外にも曲ごとの音量がプリセットされており、シーンごとのボリューム感をコントロールするマスター・ボリュームとしての役割も担っている。“生々しさが残りながら、自然とボリュームが下がるところが重宝している”そうだ。⑧は予備。

LIVE INFORMATION

・東阪野音:Live 2022 「 最下層からの観測 」 東京公演
3/20(日)@日比谷野外大音楽堂

・東阪野音:Live 2022 「 最下層からの観測 」 大坂公演
4/10(日)@大阪城音楽堂

Live Tour 2022 「事象の地平線」

福岡公演:5月21日(土)/福岡 UNITED LAB
宮崎公演:5月22日(日)/ 宮崎 LAZARUS
山口公演:5月28日(土)/周南 RISING HALL
島根公演:5月29日(日)/松江 B1
宮城公演:6月4日(土)/仙台 Rensa
北海道公演:6月11日(土)/札幌 PENNY LANE 24
広島公演:6月18日(土)/BLUE LIVE 広島
香川公演:6月19日(日)/高松 festhalle
新潟公演:6月25日(土)/新潟 LOTS
石川公演:6月26日(日)/金沢 EIGHT HALL
愛知公演:7月3日(日)/名古屋 DIAMOND HALL
大阪公演:7月10日(日)/Namba Hatch
東京公演:7月16日(土)/LINE CUBE SHIBUYA
東京公演:7月17日(日)/LINE CUBE SHIBUYA

詳細は公式HP

作品データ

『事象の地平線』
神はサイコロを振らない

ユニバーサル/TYCT-60192/3/2022年3月2日リリース

―Track List―

【Disc1】
01. イリーガル・ゲーム
02. タイムファクター
03. 巡る巡る
04. 初恋(神はサイコロを振らない×アユニ・D×n-buna)
05. 泡沫花火
06. LOVE
07. 1on1
08. 愛のけだもの (神はサイコロを振らない×キタニタツヤ)
09. 遺言状
10. 徒夢の中で

【Disc2】
01. あなただけ
02. クロノグラフ彗星
03. 少年よ永遠に
04. 目蓋
05. 導火線
06. パーフェクト・ルーキーズ
07. 夜永唄 – Unplugged 2022
08. プラトニック・ラブ
09. 未来永劫
10. 僕だけが失敗作みたいで

―Guitarist―

吉田喜一