牛尾健太(おとぎ話)2022年の使用機材 牛尾健太(おとぎ話)2022年の使用機材

牛尾健太(おとぎ話)
2022年の使用機材

おとぎ話の牛尾健太(g)の使用機材をご紹介。普段のライブで活躍しているお馴染みの機材に加え、新作『US』で使用したストラトキャスター&カスタム・テレキャスターも掲載。

取材・文=小林弘昂 機材写真=星野俊


Guitars

Gibson Custom Historic Collection
SG Standard

ライブでの絶対的メイン

牛尾のメイン・ギターは、2013年頃に知人から譲ってもらったという2010年製のSGスタンダード。ペグをグローバー製に、サドルをナイロン製に交換している。ピックアップはリアを基本にし、楽曲によってフロントとミックス・ポジションを切り替え。本器のトーン・ツマミを4〜5程度まで絞り、アンプ側で高域を上げるのが牛尾流の音作りだ。今作のレコーディングでは「BITTERSWEET」のアルペジオ、「DEAR」のソロ、「VOICE」で使用された。弦はErnie BallのRegular Slinky(.010〜.046)を愛用。牛尾曰く“SGで気に入っているのは、ボディの薄さとロング・ヴァイブローラ。アームはチューニングが狂うこともあるんですけど、自分の感覚に染み付いているのでコントロールしやすいんです”とのこと。

Rozawood
RB-28

チェコ製のハンドメイド・モデル

牛尾が唯一所有しているアコースティック・ギター。本器も知人から譲ってもらったものだ。チェコのブランド、RozawoodによるOMシェイプで、2004年に製造された個体。ボディ・トップはトリファイド加工のアルパイン・スプルース、バック&サイドはマスター・グレードのインディアン・ローズウッド、指板はジェニュイン・マホガニーという材構成。今作のレコーディングでは「BITTERSWEET」と「VIOLET」で登場した。弦はチョーキングや指弾きのしやすさからマーティンのAuthentic Acoustic Strings Lifespan 2.0 Custom Light(.011〜.052)を使用。“このギターは良い材で作られているから響くし、上品な音。コードでジャカジャカするのには向いてなくて、クラプトンみたいなフレーズを弾きたくなります(笑)”と語る。

Recording Guitars

1961
Fender Stratocaster

撮影:西槇太一

『US』のメインを担った61年製

『US』のレコーディングでメイン・ギターとして使用されたのは、61年製のストラトキャスター。“楽曲をイメージした時にハムバッカーではなくシングルコイルだった”ということで、ギタマガ編集部の小林からレンタルしたもの。ジャックやポットが交換されているが、おもなパーツはオリジナルだ。弦はElixirの.010〜.046を使用。基本的にバッキング・パートで登場し、「FALLING」、「DEAR」、「RINNE」、「VIOLET」、「VISION」、「ESPERS」で使用された。牛尾は本器について“この時期のアルダー・ボディ&ローズウッド指板のストラトが一番好きなモデルだったし、こういったビンテージ・ギターはなかなか弾ける機会もないので、レコーディングをしつつ、ギターの試奏をしてるような感覚でした。『US』の一番の功労者です”と語る。

Fender Custom Shop
Vintage Custom 1959 Custom Telecaster

最新のカスタム・テレキャスター

ストラトキャスターと同じく、ギタマガ編集部の小林からレンタルしたカスタム・テレキャスター。2021年のカスタムショップ製で、2018年に登場したVintage Customというラインのモデルだ。レコーディングではトレモロをかけた「BITTERSWEET」のコード・ストローク、「ROLLING」、「RINNE」のアルペジオ、「SCENE」で牛尾が弾き、「FALLING」と「DEAR」のバッキングでは有馬が使用した。牛尾はグレアム・コクソンのようなサウンドを求め、ピックアップはミックス・ポジションを選択することが多かったそう。“つないだ瞬間から思い描いていたとおりの音がしました。指板もローズウッドですし、アルダー・ボディのほうが扱いやすくて好き。たぶんアッシュ・ボディ&メイプル指板だったら、あんまり曲に馴染まなかったかも”とのこと。

Amplifiers

Fender Blues Deluxe Reissue
&
Fender Hot Rod DeVille 212

Hot Rod DeVille 212を導入した最新セット

 ライブでの牛尾のアンプは、40W出力で12インチ一発のBlues Deluxe(左)と、60W出力で12インチ二発のHot Rod DeVille 212(右)の2台をセット。どちらもクリーン・サウンドにセッティングし、2台同時に鳴らしている。もともとはフェンダー製Super Sonicのみでライブを行なっていたが、『REALIZE』リリース後にBlues Deluxeを導入して2台体制へ。その理由は“音に広がりを出すため”とのこと。1年ほど前からSuper Sonicと入れ替わる形でHot Rod Deville 212を使用している。

 Blues Deluxeはインプット1を使用し、各ツマミはVOLUMEが2、DRIVEが0、TREBLEが5、BASSが4、MIDDLEが3過ぎ、REVERBが4、PRESENCEが2に設定されていた。VOLUMEは2.5まで上げるとクランチしてしまうため、その直前で止めているそう。また、奥行きを出すために本機のみリバーブをオンに。本機はバランスの良さが気に入っているそうだ。

 Hot Rod DeVille 212はインプット2を使用。インプット1を使用すると音が大きすぎるとのこと。各ツマミはVOLUMEが2.5、DRIVEが0、TREBLEが5.5、BASSとMIDDLEが4、REVERBとPRESENCEが1(つまりゼロ)に設定されていた。音量はほとんど上げず、MASTERは1.5〜2くらいの間で調整するという。ミドルとローが出るため、どちらも控えめにセッティングしているのがポイント。“このアンプはSGとの兼ね合いが難しい。12インチ二発が良いのか、10インチ四発が良いのか、アンプの旅は続きますね……”と試行錯誤している様子だった。今作のレコーディングではスタジオに置いてあった’65 Deluxe Reverbをメインで使用したが、「ROLLING」などで本機も登場。

Pedalboard

16台直列の巨大ボード

①MXR / Dyna Comp(コンプレッサー)
②Xotic / EP Booster(ブースター)
③Ernie Ball / 6180 VP JR F-Sugar 25K Mod.(ボリューム・ペダル)
④Fulltone / CLYDE Standard Wah(ワウ)
⑤BOSS / VB-2W(ビブラート)
⑥BOSS / SD-1(オーバードライブ)
⑦J. Rockett Audio Designs / Archer Ikon(オーバードライブ)
⑧ProCo / RATⅡ LM308 ver.(ディストーション)
⑨Electro-Harmonix / Little Big Muff(ファズ)
⑩MXR / Micro Amp(ブースター)
⑪MXR / Phase 95(フェイザー)
⑫Demeter / Tremulator(トレモロ)
⑬Empress Effects / Vintage Modified Superdelay(ディレイ)
⑭Line 6 / DL4(ディレイ)
⑮BOSS / DD-6(ディレイ)
⑯strymon / buleSky(リバーブ)
⑰VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ(パワーサプライ)
⑱VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ(パワーサプライ)
⑲BOSS / TU-3(チューナー)

 ギターからの接続順は①〜⑯の番号通りで、⑯blueSkyからBlues DeluxeとHot Rod Deville 212の2台のアンプへ分岐される。⑲TU-3は③6180 VP JRのチューナー・アウトに接続。

 ①Dyna Compは楽曲によってオン/オフを切り替える。今作のレコーディングでは「RINNE」で使用された。②EP Boosterはツマミをゼロに設定して常時オン。そうすることでレンジが狭まり、抜ける音になるそうだ。③6180 VP JRはもとは250Kのハイ・インピーダンス仕様だが、①Dyna Compのうしろにつないだ際にしっくりこず、F-Sugarにて25Kのロー・インピーダンス仕様に変更してもらったという。

 ④CLYDE Standard Wahはバッファ・スイッチをオフにして「HELP」や「BE STRONG」などで使用。⑤VB-2WはBYPASSモードに設定し、「HOMEWORK」のアルペジオなどで音を揺らしている。

 ⑥SD-1はメインの歪み。DRIVEツマミは曲によってゼロ〜10時の間で調整するが、8時くらいで使うことが多いそうだ。「VOICE」のレコーディングではDRIVEツマミを10時まで上げて使用した。⑦Archer Ikonは今作のレコーディングで最も活躍した1台。あまり歪ませず、アンプのクリーンを少しプッシュする用途で使用する。本機をメインで使用する楽曲では、⑥SD-1をゲイン・ブースターとして踏むこともあるそうだ。

 ⑧RATⅡはオペアンプにLM308が搭載されたUSA製の個体。ライブでは「GALAXY」などのハードに歪んだ楽曲でオンにする。歪みを足したい場合は⑥SD-1か⑦Archer Ikonのどちらかをゲイン・ブースター的に使用。今作のレコーディングでは「ESPERS」のチョーキング・フレーズで⑥SD-1を組み合わせてオンに。⑨Little Big Muffは、ライブでは「光の涙」の激しいソロや、「FALLING」などでもオンに。⑩Micro Ampは最近はあまり踏まないそうだが、歪んだソロやアルペジオなどで音量を上げるために使われる。

 ⑪Phase 95はPhase 90モードに設定し、「FALLING」や「綺麗」などでオンに。⑫Tremulatorは「BITTERSWEET」、「ROLLING」などで使用。

 ⑬Vintage Modified Superdelayは薄いショート・ディレイにセッティングし、ライブでもレコーディングでもほとんど踏みっぱなしにしている。そうすることで、コーラスのような立体感のあるサウンドになるそうだ。 各スイッチはfilterをlo、modulationをslow、mode specificをb、モードをtapeに選択している。ほかにもオクターブ・アップ・モード(rev)の音色もプリセットしており、「ピーターラビット」や「COSMOS」などで使用。⑭DL4のA chにはスラップバック・ディレイ、B chにはソロ用の薄いディレイ、C chには「綺麗」用のMULTI-HEADモードをプリセット。⑮DD-6はWARPモードに設定し、「REALIZE」などでアヴァンギャルドなサウンドを出したり、「COSMOS」のアルペジオでは⑬Vintage Modified Superdelayと同じくらいのディレイ・タイムに設定し、2台を組み合わせて浮遊感を演出する。

 ⑯blueSkyは、ライブではspringタイプ/normモードを組み合わせた薄いリバーブをオンにしていることが多いという。FAVORITEスイッチにはplateタイプ/modモードの組み合わせをプリセットしており、「BREATH」や「REALIZE」などでオンに。

Others

Capo/Heet Sound Products E-Bow
Pick/Slide Bar

牛尾が愛用する小物類。カポはKyser製。E-Bowは大学時代に購入したもので、今作のレコーディングでは「BITTEWSWEET」で使用した。ピックはClayton製0.72mm。スライド・バーは2011年5月“ギター・マガジン・フェスティバル”の際に来場者プレゼントとして製作されたものを使用している。

1975 Elecrto-Harmonix
Big Muff π 2nd Ram’s Head ver. BC239C

「ESPERS」のレコーディングで牛尾が使用した75年製のRam’s Head。本機もギタマガ編集部の小林から借りたもの。トランジスタはBC239Cが搭載されている。

LIVE INFORMATION

おとぎ話
日比谷野外大音楽堂公演<OUR VISION>

2022年8月13日(土)
開場16:00/開演17:00
チケット発売中:全席指定¥6,600(税込)

【プレイガイド】
e+
チケットぴあ
ローソンチケット

作品データ

『US』
おとぎ話

felicity / P-VINE RECORDS/PCD-27063/2022年6月22日リリース

―Track List―

01.FALLING
02.BITTERSWEET
03.DEAR
04.ROLLING
05.RINNE
06.VOICE
07.VIOLET
08.SCENE
09.VISION
10.ESPERS

―Guitarists―

有馬和樹、牛尾健太