Infinite(インフィニット)現場主義のプロが信頼するブランド Infinite(インフィニット)現場主義のプロが信頼するブランド

Infinite(インフィニット)
現場主義のプロが信頼するブランド

日本のエンターテインメントにおけるトップ──嵐の現場を支えたバンドが“マウントブラスト”。ギタリストは宍倉聖悟と江渡大悟の2人で、彼らが揃って愛用するのが、大阪のハイエンドミュージックが手がけるギター・ブランド、Infinite(インフィニット)のギターだった。実際に、嵐が2020年に行なった国立競技場公演では、Infiniteのツイン・ギターがバックを彩った。

日本屈指の大規模なステージを支えてきたプロフェッショナルたちが信頼する、このギター・ブランドの魅力とは? 愛用者2人のデモンストレーションと証言とともに探っていこう。

取材/文=福崎敬太 撮影/動画制作=川村健司 写真撮影=星野俊

Infinite × 宍倉聖悟&江渡大悟(マウントブラスト)

まずはInfiniteの特徴を簡単におさらい!

まずはInfiniteというギター・ブランドについて簡単におさらいしておこう。

Infiniteは大阪市でギター・リペアを行なってきたハイエンドミュージックが手がけるオリジナル・ギター・ブランドだ。代表の八田聡氏はプロ・ギタリストとしての活動経験があり、現場でプロが求めることを熟知していることが強みの1つ。そんな彼らが手がけるプレイヤー視点のリペアは、プロ/アマ問わず高い評価を得ている。また、最近では話題のギター・スキャン修正機=Plek(プレック)も導入。現代のユーザーの幅広いニーズに対応してくれる。

さて、そんなハイエンドミュージックが手がけるInfiniteのギターだが、最も注目すべきはその木工技術。同ブランドの特徴となっている“小菊ロジック”やネックと指板の接合方法を見ればそのこだわりがわかるだろう。

小菊ロジック

宮大工などにも使われる“ほぞ接ぎ”から発想を得た“小菊ロジック”。ネックとボディの接合面が噛み合うように凹凸を作ることで、安定性が高く強固なジョイントに。

独自の指板接着法

“小菊ロジック”同様、指板とネックが噛み合うように凹凸を作り接着している。

一般的なTLタイプやSTタイプのロング・スケール(648mm)ではなく、体の小さな人でも弾きやすいように設計されたミディアム・スケール(628mm)のTradシリーズが、Infiniteの主力ラインナップの1つにある。当然ボディも小型に、また軽量になる利点があるが、“ボディの質量を落としたことで失われるトーンを補うため、小菊ロジック、独自の指板とネックの接着にて解決した”という。

このように、これらの技術の利点は、安定性の高さや強度だけでない。接着の表面積が増えることでギター全体に弦の振動が伝達し、“よく鳴る”ギターとなるのだ。

Infiniteの基本ラインナップ

Infiniteのギターは受注生産で、取扱楽器店での販売のほか、取扱店舗でのオーダー/セミ・オーダーも受け付けている。基本となるシリーズは以下の3種類だ。

Modernizeシリーズ

オリジナルのシェイプを持つInfiniteのフラッグシップ・シリーズ。11mm厚のキルト・メイプルによるベンド・トップ・ギター=Modernize bendtop、センター2P(オプションで1Pも可)ボディのModernize stdをラインナップしている。スケールは628mmを採用。

Tradシリーズ

628mmスケールを採用した、小柄な人でも弾きやすいシリーズ。Trad T(TLタイプ)、Trad ST(STタイプ)、Trad JM(JMタイプ)をラインナップしている。

Trad Full Sizeシリーズ

648mmスケールを採用した、トラディショナルなシリーズ。Trad Full Size T(TLタイプ)、Trad Full Size ST(STタイプ)、Trad JM(JMタイプ)をラインナップしている。

公式HPでは、取扱店舗のリストやセミ・オーダーの見積もりシステムなどもあるので、ぜひ一度チェックしてほしい。

動画内で宍倉&江渡が弾いたギターを紹介!

Shishikura’s
Trad Full Size ST

宍倉がオーダーしたFull Size ST。一般的なSTタイプと同様の648mmスケールを持つモデルで、小菊ロジックでジョイントされたネックには、ローステッドではない通常のメイプルを採用。また、宍倉の希望で3シングルに見えるようにリアのハムバッカーはゼブラ仕様になっているが、ベアナックルの標準カタログにはなかったため、特注してくれたそうだ。光沢感のあるブルー・グレーのボディ・フィニッシュや、6点支持のトレモロ・ユニットなど、宍倉のこだわりが詰まっている。

Eto’s
Trad Full Size T

江渡のFull Size Tは、“P-90タイプを2基搭載した良い感じのTLタイプ”というオーダーから始まった1本。プロトタイプでツアーを周りながら微調整を行ない、電装パーツを見直したほか、弦への負担を減らすためにブリッジ・サドルの弦が設置する部分を滑らかに処理している。ネックはローステッド・メイプルで、ペグはクルーソン・タイプを採用。ファンキーなカッティングからメロウなトーンまでこなせる本器は、“現場を選ばない1本”として絶大な信頼を置いている。

Trad ST

宍倉が試奏したTrad STはInfiniteのスタンダード・モデルで、一般的なSTタイプを一回りサイズダウンした628mmスケールの1本。当然その分軽量になるが、曰く“ボディの質量を落としたことで失われるトーンを補うため、小菊ロジック、独自の指板とネックの接着にて解決した”そうだ。2ピース・アルダー・ボディ、メイプル・ネック、インディアン・ローズウッド指板という材構成で、ピックアップにはベアナックル製Boot Camp True GridのSSHレイアウトを採用。10-14Rのコンパウンド・ラジアス指板や2点支持のトレモロ・ユニットなど、モダンなスペックも見どころ。

ライト・エイジド加工が施されたボディには、リアルな傷や控えめなクラックなどが確認できる。

独自の指板とネックの接着法。指板も含めたネック全体を“鳴らせる”工夫だ。

Shishikura’s Impression

宍倉 僕のTrad Full Size STよりもスケールが短いので、レンジ感が違うんですよね。いらない低域とかがない分扱いやすいし、バンドのアンサンブルとかだとTrad STのほうがギターが担当する帯域にバシッとハマる感じがあります。僕はオーソドックスなものを求めているので、好み的にはFull Sizeですけど、オススメするのはこっちかも(笑)。音はモダンな感じですし、好みによってどっちを選んでも大丈夫ですね。スケールが短くても違和感なく弾けましたし、グリップ感もこっちのほうが好きっていう人も多いんじゃないかな。 あと軽い! めちゃくちゃ取り回しが良いです。

Infinite
Trad ST

【問い合わせ】
株式会社ティ・エム・シィ http://www.tmc-liveline.co.jp

Trad T

江渡が演奏したのはペイズリー柄のピックガードが印象的なTrad T。前出のTrad ST同様、一般的なTLタイプより一回り小さい628mmスケールのモデルだ。ピックアップはベアナックル製Bootcamp True Gritを搭載し、フロントは甘く、リアはTLタイプらしいジャキっとしたサウンドを創出する。ピックアップ・セレクターがボディ・エンド側に設置され誤操作を防止するほか、それに伴いボリューム・コントロールが右手に近くなりボリューム奏法などもやりやすくなっている。レイアウトに慣れれば、これ以外にない操作性を感じるだろう。

ボディ・バックの大きなコンターはハイ・ハイポジションへのアクセス性を高める。小菊ロジックによる深いジョイントがこれを可能にした。

バズ・フェイトン・チューニング・システムを採用。現場主義のプロが求められるピッチへのこだわりを垣間見ることができる。

Eto’s Impression

江渡 勝手な先入観で“スケールを短くしたら音が悪くなるんじゃ?”って思ってましたけど、このギターはまったくそんなことはなく、手にしてすぐ“これは弾きやすいな”って思いました。あと、“ジャキジャキする”っていう理由でTLタイプが好きじゃない人っているじゃないですか。僕はそれを避ける方向で頑張ってオーダーをしたんですけど、このギターは最初からそういう悪いジャキジャキ感はなくて、アコースティックな木の鳴りがする楽器になっている。でも、リアはTLタイプらしい良いジャキっと感はあるんです。僕も最初から楽器店で買うだけで良かったんじゃないかと思うくらい(笑)、良いギターですね。

Infinite
Trad T

【問い合わせ】
株式会社ティ・エム・シィ http://www.tmc-liveline.co.jp

嵐のバック・バンドでInfiniteのギターが使われた理由

嵐のライブはドームなどの大規模な会場が多く、それはギターにとっては過酷な環境だ。動画内で宍倉が語っているとおり、ライブの始まりと終わりで、観客の熱気によって温度や湿度も劇的に変化する。小菊ロジックや独自の指板接着法による安定度は、この環境の変化にも対応してくれるというわけだ。

また、嵐の楽曲は、宍倉が“ほぼ全ジャンルがあると言っても過言ではない。メタル感のある歪みが必要な時もあるし、ナイル・ロジャースみたいなカッティングが必要な時もある”と語るほどスタイルの幅が広い。それに加えて、彼らのライブは“エンターテインメント・ショー”という側面も強く、異なるジャンルの楽曲が続くとしても、ギターの持ち替えが難しい場面も多い。そのため、1本で幅広いジャンルをカバーしなくてはならないのだ。

動画で2人の演奏を聴いてもらえればわかるとおり、宍倉のFull Size ST、江渡のFull Size Tのサウンドの方向性は異なり、この2本であらゆるジャンルをカバーできる。この棲み分けについて、宍倉はこう語る。

“どちらかと言うと大悟は、中域から低域にかけてが豊かな音色にしがちなんです。で、僕はわりと高域寄りを意識するような音色作りになるので、そこは凄くバランスが取りやすい。あと、プレイスタイル的にも、大悟はコード・カッティングなどのリズム・プレイが凄く得意で、僕はリフものやストローク系のジャカジャカしたものが得意なので、そういう点でも相性が良いんです。だから、同じInfiniteを使っていても、カバーしているところが全然違う。逆に言うと、Infinite自体に高域寄りだったり低域寄りの固定したイメージがなくて、どちらにも対応ができるんだと思うんです”。

環境の変化にも耐えうる安定性、余計な力が入らずに弾き疲れを起こさないプレイ・アビリティ、あらゆるジャンルに対応できるバーサタイルな1本──現場主義のプロフェッショナル2人がInfiniteのギターをチョイスするのは自然なことだったのだろう。

映像作品にもなった新国立競技場での公演、“アラフェス 2020”では、Infiniteによるアンサンブルが聴けるので、ぜひチェックしてほしい。

2020年11月3日に開催された“アラフェス2020 at 国立競技場”の公演時に撮影された1枚。江渡は本記事で紹介したTrad Full Size T、宍倉は動画内で“プロトタイプ的な1本”と語っていたTrad Full Size STを手にしている。

宍倉聖悟

ししくら・せいご◎1975年生まれ、北海道出身。自称“東京ドームでギターを弾いた回数は世界最多”のセッション・ギタリスト。嵐やV6、SE7ENのサポートなど、幅広く活躍中。最新機材にも精通しており、ギター・マガジンの新製品レビューなども担当している。

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江渡大悟

えと・だいご◎千葉県出身のギタリスト。嵐のツアーを始め、伊藤蘭、安田レイ、黒子首、ケツメイシ等の幅広いジャンルのライブやレコーディングにも参加している。

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