デレク・トラックスの2022年ツアー使用機材 デレク・トラックスの2022年ツアー使用機材

デレク・トラックスの2022年ツアー使用機材

壮大な4部作『アイ・アム・ザ・ムーン』をリリースしたテデスキ・トラックス・バンド。ここでは、6月25日、米アラバマのモービル・シビック・センターでのライブ前に撮影されたデレク・トラックスの最新機材をご紹介しよう。

文:編集部 

GUITARS

Gibson Custom
Dickey Betts “From One Brother to Another” SG

デレクが長年愛用し、彼の分身とも言えるメインのギブソンSG。ビンテージだと勘違いしている方もいるかもしれないが、これは2011年に75本限定で製作されたディッキー・ベッツ・シグネチャーSG(エイジド)で、ディッキーがデュアン・オールマンに贈ったという61〜62年製SGを忠実にコピーしたものだ。初期SGに付いていたスウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロのネジ穴も再現されており、これが大きな目印となる。チューニングはオープンEだ。

また、今回撮影されたカットでは確認できないが、ボディ裏にはサム・ムーア(サム&デイヴ)とレオン・ラッセルのサインが入っているほか、ヘッド裏に“Artist Proof #004”というディッキー本人のサインが確認できる。ちなみに、この個体はもともとデュアン・オールマンの娘であるガラドリエルが所有していた。ある時、デレクがこの個体を弾いていたく気に入ったそうで、彼女の好意で彼の手元へやって来た、というわけだ。

ピックアップはかつてカスタムバッカー(アルニコIII)などが付いていたこともあったが、現在はビンテージのナンバードPAF(Tトップ)をマウント。リアをオープン・カバーにしている理由は、テック曰く“もっとアグレッシブになってベターなサウンドだから”とのことだ。2つのピックアップの使い分けについては、“状況に応じて切り換えてはいるが、リアを使っていることが多い(テック談)”そう。

デレクはこのSGに関して、ピックアップ本体やカバーの取り換え、それからボリューム・ポットの交換は常に行なっており、試行錯誤を続けている。

Late 50’s Silvertone Artist

15年ほど前に500ドルほどで手に入れたというシルバートーン。Artistというモデルで、50年代後半の個体だと思われる。1ピックアップ仕様、ショート・スケールで太めのネックが特徴で、ステージでは「Down In The Flood」(デレク・トラックス・バンド)や「So Long Savior」などで使用する。

チューニングは、「So Long Savior」ではオープンA(6弦からE-A-E-C#-A-E)、「Down in the flood」はオープンG(6弦からD-G-D-G-B-D)に5カポという設定。新作『アイ・アム・ザ・ムーン』のレコーディングでは不使用とのことだ。このモデルに関してデレクは、“特に小さな音量で弾く時にグレイトな音がする。そしてスライド・マシンとしてもとても優れているよ”とのこと。

Amplifier & Effect System

デレクのアンプ&エフェクト・システム全景がこちら。まずはアンプから紹介しよう。左から、省スペースのため縦置きされたAlessandroのAZZ(プロトタイプ/バックアップ用)、同AZZ(メイン・アンプ)、フェンダーのスーパー・リバーブ。フェンダーは“異なるサウンドを得たい時およびスペア(テック談)”として置いており、ゲストが来た際に使ってもらうこともあるのだとか。

そして、メイン・アンプのAZZの周囲にはペダルがいくつか置かれているが、モデル名は以下の通り。下のペダル解説も合わせて参照してほしい。

① TC Electronic / Polytune 3 (チューナー)

② Alessandro / Custom A/B Switcher (ABスイッチャー)

③ Interstellar Audio Machines / Octonaut Hyperdrive (オーバードライブ)

④ Jim Dunlop / EP103 Echoplex Delay (ディレイ)

⑤ strymon / Lex Lotary (ロータリー・スピーカー・シミュレーター)

⑥ MXR / M199 Tap Tempo Switch (Echoplex用タップ・テンポ・スイッチ)

⑦ モデル名不明 (アンプのリバーブ&トレモロのオン・オフ・スイッチ)

接続順は、ギターから①チューナー→②ライン・セレクターと続き、ここで2系統に分岐する。1つは歪みペダルの③をとおってアンプのVIBRATOチャンネルへ、もう1つは④ディレイ→⑤Lex Lotary→アンプのabNORMALチャンネルへ、といった具合だ。

ちなみに縦置きされたアンプの手前にあるのは、ディレイのタップ・テンポ用スイッチ、アンプのリバーブ&トレモロのオン/オフ・スイッチだと思われる。

Amplifier

Alessandro AZZ

メイン・アンプは、ジョージ・アレッサンドロが主宰するフィラデルフィアのブランド=AlessandroのAZZで、AZZ自体は5年以上メインで愛用している。デレクが長年愛用しているフェンダー・スーパー・リバーブをもっとラウドにしたアンプ、というのがコンセプトで、テストを重ねてようやく完成したという。

2チャンネル仕様だがデレクは両方とも活用しており、基本的には右のVIBRATOチャンネルを使用。左のabNORMALチャンネルはディレイとロータリー・スピーカーのエフェクトを使用したい時に切り替えるという。ちなみに、ヘッド前面のネットに貼られた“Sophia”というプレートはデレクの娘=ソフィアの名で特別に作ったもので、お気に入りのアンプに着脱している。

Effects

Alessandro / Custom A/B Switcher (ABスイッチャー)
TC Electronic / Polytune 3 (チューナー)

TC ElectronicのPolytune 3からAlessandroのA/Bスイッチャーへ。このスイッチャーは2019年の来日公演時も使用していた。

Interstellar Audio Machines / Octonaut Hyperdrive (オーバードライブ)

米フロリダのペダル・ブランド、Interstellar Audio MachinesのOctonaut Hyperdrive。ゲルマニウム・ダイオードを用いたオーバードライブ・ペダルだ。デレクはソロを弾く時にブースターとして多用しており、自身の手で任意にオン/オフを行なう。歪みペダルはこのモデルで固定ではなく頻繁に変わるそうで、“Piedmont Custom ElectronicsのAluminum falconやSolodallasのThe Schaffer Replicaなどを使うこともある(テック談)”ようだ。

Jim Dunlop / EP103 Echoplex Delay (ディレイ)

テープ・エコーの名機、エコープレックスのサウンドを再現したペダル。こちらは常時オンの状態にしており、フット・スイッチ(外付け)によるタップ・テンポ操作はデレク自身で行なう。セッティングは“基本的には8分音符で薄めのかかり具合に設定して、リピートは3回程度にしている(テック談)”。

strymon / Lex Lotary(ロータリー・スピーカー・シミュレーター)

ロータリー・スピーカー・シミュレーターの代表機種と言えるstrymonのLex Lotary。今発売されているV2ではなく、第一世代のモデルである。こちらもEchoplexと同じく常にかけっぱなしの状態で、デレクが本番中に操作することはない。「Circles Round The Sun」、「Hear My Dear」などで使用。

作品データ

『アイ・アム・ザ・ムーン:I. クレッセント』
テデスキ・トラックス・バンド

ユニバーサル/UCCO-1235/2022年6月3日リリース


『アイ・アム・ザ・ムーン:II. アセンション』
テデスキ・トラックス・バンド

ユニバーサル/UCCO-1236/2022年7月1日リリース


『アイ・アム・ザ・ムーン:III. ザ・フォール』
テデスキ・トラックス・バンド

ユニバーサル/UCCO-1237/2022年7月29日リリース


『アイ・アム・ザ・ムーン:IV.フェアウェル』
テデスキ・トラックス・バンド

ユニバーサル/UCCO-1238/2022年8月26日リリース

―Guitarists―

デレク・トラックス、スーザン・テデスキ