オリジナリティ溢れる機材の組み合わせで、独自のサウンドを生み出しているミヤ。今回はPetit Brabanconの新作『Fetish』のリリース・ツアーで彼が使用する最新機材を一挙にご紹介。ミヤのこだわりが詰まった新システムの全貌に迫る!
取材・文=伊藤雅景 機材写真=星野俊
Guitars
Pedalboard

MUCCで使用するシステムとは似て非なる、ミヤの2枚組ペダル・ボード。右側をボードA、左側をボードBとして解説していこう。
ボードA

【Pedal List(ボードA)】
A1-FREE THE TONE/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
A2ーFREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
A3ーMORLEY/Bad Horsie Liberty Wah(ワウ・ペダル)
A4ーEarthQuaker Devices/Special Cranker(ブースター)
A5ーValkyrie Spear/Violence Booster MK II(クリーン・ブースター)
A6ーEarthQuaker Devices/Disaster Transport SR(MODディレイ/リバーブ)
A7ーPastFX/Chorus Ensemble MN3007(コーラス)
A8ーJHS Pedals/Colour Box(コンソール・シミュレーター)
A9ーJ.Rockett Audio Designs/The Jeff Archer(オーバードライブ)
A10ーGamechanger Audio/PLASMA PEDAL(ディストーション)
A11ーSehat Effector/Superdoom(ファズ)
A12ーFREE THE TONE/PA-10B(プログラマブルEQ)
A13ーSonic Research/ST-300(チューナー)
A14ーstrymon/ojai(パワーサプライ)
A15ーstrymon/ojai-x(パワーサプライ)
Petit Brabancon用に新たに組み上げられたミヤのメイン・ボード。MUCCで使用しているペダルも数多く見受けられるが、ほぼ別の個体というから驚きだ。
基本となる信号の順路は、ペダルの下に隠れたジャンクション・ボックス①からスイッチャー②へと進み、②のアウトからイコライザー⑫、ボードBのミュート用スイッチ⑩を経由して①へと戻り、アンプへと出力される。②は、後述するボードBを含めた全体のシステムをコントロールする役割を担っている。
②の各ループの内訳は以下のとおり。
L1:③
L2:ボードB①
L3:④+⑤
L4:⑥+ボードB②〜⑤
L5:⑦+⑧
L6:ボードB⑥+⑦
L7:⑨
L8:⑩+⑪
先頭のL1は③のワウのみ。L3はギター・ソロの際に踏むループになっており、ブースターが2つ並列で接続されている。
続くL4には、ディレイが複数配置。ミヤは楽曲に合わせて、L4ループ内のペダルを適時踏み替えているそうだ。
L5はコーラスの⑦の後段に、ビンテージ・コンソールのサウンドをシミュレートする⑧が置かれる。⑦の音色をコントロールする役割だ。
ボード内唯一のオーバードライブ・ペダル⑨は、アンプのクリーン・サウンドをクランチへ変化させる用途で使用。そして最後段のL8は、ファズ/ディストーションの⑩+⑪。こちらもL3同様にシリーズ接続となっており、楽曲によって適時使い分けている。
L2、L4、L6に接続されたボードBについては以下で解説していこう。
ボードB

【Pedal List(ボードB)】
B1ーThird Man/Triplegraph Pedal(デジタル・オクターブ・ペダル)
B2ーCooper FX/Generation Loss(Lo-Fiフィルター)
B3ーDEMEDASH/T-120DLX(ビデオテープエコー)
B4ーEarthQuaker Devices/Afterneath(ディレイ/リバーブ)
B5ーEarthQuaker Devices/Ghost Echo(ゴースト・エコー)
B6ーBOSS/PS-5(ピッチシフター)
B7ーFREE THE TONE/MOTION LOOP ML-1L(モジュレーション/ショートルーパー)
B8ーFREE THE TONE/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
B9ーFREE THE TONE/PT-3D(パワーサプライ)
B10ーJHS Pedals/Stutter Switch(ミュート・スイッチ)
ディレイ+ピッチシフター系がまとめられたボードBは、ジャンクション・ボックス⑧を経由してボードAのスイッチャー②のループL2、L4、L6につながれている。
L2の①は、ミヤおなじみのデジタル・オクターブ・ペダル。antzのペダルボードにも同じモデルが採用されている。
L4の②〜⑤は、用途によって細かく使い分けているディレイ・ペダル群。
L6はピッチシフター⑥からモジュレーション/ショート・ルーパー⑦という順序。ちなみに写真の⑦はまだプロトタイプとのこと。
Amplifier
MesaBoogie/Dual Rectifier Road King
ミヤがリハーサル現場に持ち込んだ、Petit Brabancon専用ギター・システム。基本的にはアンプのチャンネルでクリーン/ディストーション/ソロの音色を切り替えており、その他の音色はペダルでクリエイトするのがミヤのスタイル。また、ステージにはキャビネットのみを配置し、アンプ・ヘッドはステージ裏で管理する。

【Pedal List】
①FREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
②KORG/SDD-3000(プログラマブル・ディレイ)
③PETERSON/StroboStomp HD(チューナー)
④Sonic Research/ST-200(チューナー)
⑤FREE THE TONE/JB-21(ジャンクション・ボックス)
こちらはアンプ・ヘッドの上部に置かれたマニュピレーター操作用のシステム。①でアンプのチャンネルを切り替えたり、BPMを細かく設定したディレイを鳴らす際に使用する②をコントロールするなどの役割を担っている。
LIVE INFORMATION
Petit Brabancon Tour 2022
“Resonance of the corpse”
【スケジュール】
2022年09月21日(水)/Zepp Haneda ※SOLD OUT
ツアーの詳細は公式HPまで
https://www.petitbrabancon.jp/