新作『SOFTLY』のリリースに際し、都内で行なわれていた山下達郎のツアー・リハ現場に潜入! 今回は佐橋佳幸のアンプ&ペダルボードをご紹介します!
文:山本諒 撮影:星野俊
*本記事はギター・マガジン2022年8月号に掲載された『Axis’ Gear』を一部抜粋/再編集したものです。
Amplifier
SHINOS
Black Bird 50 Sahashi Model

Dual Showmanをもとに佐橋のために作られた特別なアンプ
アンプはSHINOS製で、佐橋のために特別に作られたモデル(写真上段)。2010年から使用している。フェンダーのDual Showmanをもとに作られた50W出力のアンプで、プリ管はECC83を5本、リバーブのドライブ用にECC81を1本、パワー管は6L6を2本使用。
スピーカーは12インチを2発で、ジェンセンのBlack Bird 100とセレッションClassic Lead 80を内蔵している(写真中段)。アンプのリバーブやトレモロはこれまで駆使していたが、今回のツアーでGT-1000(下部参照)を導入したことを受けて不使用となった。
写真下段にあるビンテージのマーシャル1987はバックアップ用だ。
Pedalboard

【Pedal List】
① BOSS/TU-3s(チューナー)
② BOSS/FS-7(デュアル・フットスイッチ)
③ BOSS/GT-1000(ギター・プロセッサー)
なんとギター・プロセッサーのみ! 佐橋史上初の試みに挑戦中
従来はMXRのDyna Compなどで構成されていた佐橋のボードだが、今回のツアーよりBOSSのGT-1000(ギター・プロセッサー)を中心とした超シンプルなラインナップに変更された。操作性や各エフェクトの再現度の高さはもちろん、何よりも佐橋自身が知っている音色や反応速度といった“感覚的な部分”が変わらない点が気に入った、とのこと。
曲中でフィードバックを繊細に操作する際も、以前の立ち位置(アンプとの距離や角度)からそれほど変えずに済むなど、とにかく感覚的にマッチしたのがこのGT-1000なのだそうだ。これまでギター・プロセッサーの類は何台か試したが、どれもレスポンスなどの面でしっくりこなかったという。このGT-1000の導入は、ビンテージ的なサウンド志向の佐橋にとって大きな出来事と言えるかもしれない。
本機はMANUAL MODEで使用しており、基本バンク(下段スイッチの1:ディレイ、2:トレモロ、3:フェイザー、4:コーラスCE-1、5:ケンタウルス・シミュレートの歪み)を軸にしつつツマミの設定を変えたものが別バンクにセットされている。それらは②のフットスイッチで自在に呼び出しが可能で、チューナー(①)も使用できる。

ギター・マガジン2022年8月号
『スタジオ・ミュージシャンの仕事』
本記事はギター・マガジン2022年8月号に掲載された『Axis’ Gear』を一部抜粋/再編集したものです。カポや使用弦など、さらに細かな内容は、本誌電子版などでチェック! 表紙特集『スタジオ・ギタリストの仕事』では、音楽の歴史に欠かすことのできない職人たちの名仕事に迫ります!