ライブやレコーディングでも惜しげもなくビンテージ・ギターを使用している魚頭圭。今回は、CONGRATULATIONSのライブや、セルフ・タイトル・アルバムの制作でも活躍した5本を持参してもらった。どれも貴重な個体ばかり。嗚呼、眼福です。
文=福崎敬太 写真=星野俊
Guitars
1965 Gibson Firebird VII
ノンリバ&ペルハム・ブルーのレアな“VII”
そもそも生産本数もそこまで多くはない3ミニ・ハムバッカー仕様のファイヤーバードVII。さらにノンリバース・ボディにオリジナル・ペルハム・ブルーという激レアな個体だ。本器のピックアップ・セレクターはもともと、フロント/センター+リアのフェイズ/リアという3ウェイだったが、フェイズ・サウンドは使わないため、フロント/フロント+リアのミックス/リアという2ピックアップ構成に配線し直している。『CONGRATULATIONS』ではクリーン〜クランチあたりの音色で使うことが多かったそうだ。
1964 Epiphone Riviera
身体に馴染むスペックを求めて
4〜5年ほど前に入手したという1964年製のエピフォン・リヴィエラは、魚頭がOSRUMなどで愛用していたギブソンES-335と同じフィーリングで弾けるという1本。1964年当時はES-335とエピフォンのリヴィエラ、カジノはボディを共用としており、ヘッド角度も同じ17度。ナット幅42mm。ハカランダ指板。基本的にはレギュラーで使用しているが、「BOYS BE」ではドロップDで起用。
1962 Gibson Les Paul Standard
希少なパール・インレイのエボニー・ブロック!
ショート・ヴァイブローラの下に、パール・インレイが施されたエボニー・ブロックを有する希少な1962年製のLes Paul Standard。1961年にLes Paulの名で生まれたSGだが、このユニットがレギュラーで使われているのは1962年のみで、翌1963年にはロング・ヴァイブローラに変更され、モデル名もSGと変更される。レコーディングでもハムバッカー・サウンドが欲しい時に起用。
1955 Gibson Les Paul Custom
ジミ・ヘンドリックスを彷彿させるブラック・ビューティー
“ブラック・ビューティー”という呼称で、ギター・ファンが憧れる逸品。フロント・ピックアップにアルニコVを使用したP-480、リアにP-90を搭載した1955年製Les Paul Customだ。ちなみにこの年代の本モデルはジミ・ヘンドリックスも使用したことでもお馴染みだが、魚頭が所有するマーシャルのJTM45/100 Superはジミ使用機とシリアルが2違いとのことだ(!)。
1965 Fender Stratocaster
オリジナル・ブラック&オリジナル・ゴールド・パーツ!
CONGRATULATIONSのレコーディングでは使用していないが、ライブで登場する1965年製ストラトキャスター。オリジナル・ブラック・フィニッシュにゴールド・パーツという超レア仕様の1本だ。指板はハカランダ。魚頭曰く“グレイ・ボビンのストラトキャスターは低域が弱いものが多い気がしているんですが、この個体は低いところもちゃんと出るし、リア・ピックアップもバランスが良い”とのこと。
作品データ
『CONGRATULATIONS』
CONGRATULATIONS
LIKE A FOOL RECORDS/LFR-021(10inch)/2022年8月3日リリース
―Track List―
01. 25
02. End of the other world
03. 時代
04. BOYS BE
―Guitarist―
魚頭圭