今、国産ギターがアツい。ということで、今回はギター・コレクターとしても知られる野村義男に登場願い、注目のブランドのギター10本の実力を確かめてもらった。
数々の伝説的ギタリストを虜にしてきたゼマイティス・ギター。トニー・ゼマイティス亡きあとは神田商会がブランドを引き継ぎ、岐阜県可児市の工場を中心に様々なモデルが製作されている。彫金デザインと新デザインのVシェイプが目を引く、このMFGV22 BKの気になるサウンドは？
動画撮影／編集＝熊谷和樹 録音＝嵩井翔平 取材／文＝小林弘昂 撮影＝星野俊 デザイン＝ジャスティスマサキ
※本記事はギター・マガジン2023年1月号の『野村義男が弾く！ 今注目の国産ギター10本』から一部抜粋／再編集したものです。
ZEMAITIS
MFGV22 BK
ニュー・デザインの最新型Vシェイプ・モデル
イギリスの伝説的ギター職人、トニー・ゼマイティスにより60年代から1本1本ハンドメイドで製作され、ロン・ウッド、ジョージ・ハリスン、布袋寅泰なども虜にしたゼマイティス・ギター。トニーの亡きあとは日本のギター・メーカーの神田商会がブランドを引き継ぎ、岐阜県可児市の工場を中心に様々なモデルが製作されている。
このMFGV22 BKは、新しくデザインされたVシェイプに、ゼマイティス伝統の彫金デザインが施されたアルミ合金プレートが目を引く1本。2020年1月のNAMM Showにて発表され、アメリカで先行発売されたモデルだ。
ボディとネックには上質なコリーナを、指板にはエボニーを採用しており、明るく抜けの良いサウンドを実現した。ピックアップはセラミック・マグネットを使用したオリジナルのDragon Classicを搭載し、パワー感も十分。さらにボリューム・ノブを絞っても高域が失われない“トレブル・ブリード・サーキット”も導入され、特に現代のロック・ギタリストには大きな味方になってくれること間違いなし。
Nomura’s Impression
ゼマイティスは“誰にも負けない感”がある。
メタル・フロント自体が好きだから、このルックスは凄く好きです。ハイ・ポジションが弾きやすいようにネック・ジョイントのヒール部分がカットされていて、ちゃんと今のニーズに合わせて考えて作られていますね。
僕はトニー・ゼマイティスのオリジナルも、神田商会のゼマイティスもどっちも持っていて、このネックには慣れているんですよ。神田商会のゼマイティスは“誰にも負けない感”があって、そこは好きなところの1つですね。
これも音が太くて粘りがある良いギターだと思います。クリーンの印象も相変わらず、音痩せがないですね。両方のピックアップのバランスも凄く良かった。こういうルックスだから、ビジュアル系やハードロック系の人たちには凄く似合うんじゃないかなと思いますが、あえてこれでブルースをやってもらいたいな！ そういうのがカッコ良いと思っちゃうんだよね。ブルース・ギタリストのみなさん、ここにオススメの1本がありますよ！
ZEMAITIS
MFGV22 BK
ゼマイティス / MFGV22 BK
【スペック】
●ボディ：セレクト・コリーナ
●ネック：セレクト・コリーナ
●指板：エボニー
●フレット数：22
●スケール：635mm
●ペグ：GOTOHロック・ペグ
●ピックアップ：Dragon Classic Neck（フロント）、同Bridge（リア）
●コントロール：ボリューム、トーン、3wayピックアップ・セレクター
●ブリッジ：アルミ合金製オリジナル・ブリッジ&オリジナル・テイルピース
●カラー：グロス・ブラック
【価格】
オープン・プライス（想定売価：446,600円／税込）
【問い合わせ】
神田商会カスタマー・サポート
TEL：03-3254-3616
http://www.zemaitis-guitars.jp
ギター・マガジン2023年1月号
『特集：ビートルズ『Revolver』』
2023年12月13日（火）発売
