For Tracy Hydeのギター・ボーカル、eurekaのZEMAITISとエフェクター・ボード For Tracy Hydeのギター・ボーカル、eurekaのZEMAITISとエフェクター・ボード

For Tracy Hydeのギター・ボーカル、eurekaの
ZEMAITISとエフェクター・ボード

シューゲイザー/ドリーム・ポップを奏でる4人組バンド、For Tracy Hydeが新作『Hotel Insomnia』をリリースした。その暖かな音像の中でバッキング・ギターを奏でるのがギター・ボーカルのeurekaだ。今回は彼女の使用ギター、ペダルボードを紹介しながら、サウンド・メイクの秘密やこだわりのエフェクト活用術を紐解いていこう。

取材/文=伊藤雅景 本人写真=renzo masuda 機材撮影=星野俊

Guitar

ZEMAITIS/A24MF

ZEMAITIS/A24MF:前面
ZEMAITIS/A24MF:背面

For Tracy Hydeのバッキングを担うゼマイティス

今作『Hotel Insomnia』のレコーディングからメイン・ギターとして導入された、ゼマイティスのメタル・フロント・モデル。For Tracy Hydeのギター・アンサンブルでは、夏bot(g)のリッケンバッカーが奏でる高音成分と対になるように、低〜中域を担っている。

ピックアップはおもに“中域が前に出てくるのが特徴”と語るセンターを使用。そのため、アンプ側はミドルを下げたセッティングすることが傾向にあるそうだ(アンプはライブ会場にあるマーシャルを使用することが多い)。チューニングは半音下げで、弦はロトサウンドの.009-.042が張られている。

Pedalboard

eurekaのエフェクター・ボード

【Pedal List】
①TC Electronic/Polytune 3(チューナー)
②BOSS/CS-3(コンプレッサー)
③Xotic Effects/Soul Driven(オーバードライブ)
④BOSS/DS-2(ディストーション)
⑤Electro-Harmonix/Ram’s Head Big Muff Pi(ファズ)
⑥TC Electronic/3rd Dimension Chorus(コーラス)
⑦BOSS/BF-2(フランジャー)
⑧TC Electronic/Flashback(ディレイ)
⑨Zahnrad/REV(リバーブ)
⑩VOCU/Baby Power Plant Type-B(パワーサプライ)

ライブ/レコーディングの両方で活躍するeurekaのエフェクター・ボード。接続順は①〜⑨の番号のとおりだ。

それでは各ペダルの使い方のポイントを解説していこう。

まずは②BOSS/CS-3だが、ピッキングのニュアンスを揃えるため常時ONになっている。続く③Xotic Effects/Soul Drivenはクランチ・サウンド用で、GAINツマミは限りなくゼロ。

④BOSS/DS-2は、eurekaが今作で1番使用したという歪みペダル。ライブでも③と組み合わせてディストーション・サウンドを作ったり、単体で踏んだりと登場機会が多い。一方、“凶悪なサウンドにしたい時に使う”と語る⑤Electro-Harmonix/Ram’s Head Big Muff Piは、単独での使用が多いそうだ。

コーラスは⑥TC Electronic/3rd Dimension Chorusを愛用。4つのモード・スイッチは2+4の組み合わせがメインで、“歌を邪魔しない揺れ感が使いやすい”と語る。

⑧TC Electronic/Flashbackは音をマスキングするような音色をセッティングしており、⑨Zahnrad/REVと合わせて浮遊感のあるギター・サウンドを生み出している。

作品データ

『Hotel Insomnia』
For Tracy Hyde

P-Vine/PCD-25351/2022年12月14日リリース

―Track List―

  1. Undulate
  2. The First Time (Is The Last Time)
  3. Kodiak
  4. Lungs
  5. Estuary
  6. Bleachers
  7. Friends
  8. Natalie
  9. Sirens
  10. House Of Mirrors
  11. Milkshake
  12. Subway Station Revelation
  13. Leave The Planet

―Guitarists―

eureka、夏bot