TAIKINGが新作『TOWNCRAFT』のリリースに伴うツアーを2022年11月に敢行。そのステージで使用されたサウンド・システムを紹介しよう。アンプ、アッテネーター、ペダル・ボードを“4ケーブル・メソッド”という考えのもとリンクさせた、現代的なサウンド・システムだ。その全貌に迫る!
取材/文=伊藤雅景 本人写真=Asami Nobuoka 機材写真=星野俊
TAIKINGのサウンド・システムは、4ケーブル・メソッドに基づいた少し複雑な構成のため、まずはその大まかな接続図をお見せする。作図の都合上、実際のペダルボードの配置とは異なるためご注意を。
ちなみに、4ケーブル・メソッドを簡単に説明すると、センド/リターンが搭載されたアンプ・ヘッドと各種のエフェクター/スイッチャー群を4系統のケーブルで接続するシステム構築法だ。これにより、アンプのサウンド・エフェクトをシステムの中に組み込むことが可能になる。
それでは、下図で全体像を把握したところで、詳細解説へと進んでいこう。なお、解説後にも本図を再度掲載するので、安心してそのまま読み進めてほしい。
【Equipments】
①FREE THE TONE/JB-41S(ジャンクション・ボックス)
②BOSS/MS-3(プログラマブル・スイッチャー)
③Organic Sounds/Hydra(オーバードライブ)
④Ibanez/Tube Screamar プロトタイプ(オーバードライブ)
⑤Xotic/X-Blender(ブレンダー)
⑥Source Audio/Nemesis(ディレイ)
⑦Source Audio/Ventris(リバーブ)
⑧BOSS/FS-8(フット・スイッチ)
⑨Fractal Audio Systems/EV-1(エクスプレッション・ペダル)
⑩FREE THE TONE/MB-3(MIDIスルーボックス)
⑪FREE THE TONE/PT-5D(パワーサプライ)
⑫Marshall/JTM45 Offset reissue Head(アンプ・ヘッド)
⑬Marshall/JTM45 Offset reissue Cabinet(キャビネット)
⑭SHURE/GLXD4R(ワイヤレス・システム)
⑮FRYETTE/PS-2(アッテネーター)
Pedalboard
【Pedal List】
①FREE THE TONE/JB-41S(ジャンクション・ボックス)
②BOSS/MS-3(プログラマブル・スイッチャー)
③Organic Sounds/Hydra(オーバードライブ)
④Ibanez/Tube Screamar プロトタイプ(オーバードライブ)
⑤Xotic/X-Blender(ブレンダー)
⑥Source Audio/Nemesis(ディレイ)
⑦Source Audio/Ventris(リバーブ)
⑧BOSS/FS-8(フット・スイッチ)
⑨Fractal Audio Systems/EV-1(エクスプレッション・ペダル)
⑩FREE THE TONE/MB-3(MIDIスルーボックス)
⑪FREE THE TONE/PT-5D(パワーサプライ)
まずは、ペダルボード上のエフェクターについて解説していこう。なお、4ケーブル・メソッドによる接続によって、システム系のペダルを除くものでは、③〜④がアンプの前段で、⑥〜⑦がアンプの後段で機能し、アッテネーター経由でスピーカーへと出力される。
アンプの音色はクランチ程度にセッティング。歪みを足す際は、メインの歪み④Ibanez/Tube Screamar プロトタイプを使用し、さらにゲインを稼ぐ場合は③Organic Sounds/HydraをONにする。
また、⑧BOSS/FS-8と⑨Fractal Audio Systems/EV-1は②BOSS/MS-3に接続されており、⑧は②のバンク切り替え、⑨はPOST側で機能する(歪みの前段)ボリューム・ペダルとして使用。
②の後段に位置する⑤Xotic/X-Blender、⑥Source Audio/Nemesis、⑦Source Audio/Ventrisは空間系セクション。⑤のセンドから⑥→⑦を経由し、⑤のリターンに戻る。ちなみに⑤はブレンダーとして使用しているわけではなく、“繋いだ時の音が好きでボードに入れている”とのこと。
Amplifier
Marshall/JTM45 Offset reissue
⑫Head
⑬Cabinet
TAIKINGのメイン・アンプは、マーシャルがごく初期に発表したJTM45 Offsetのリイシュー・モデルだ。クランチ・サウンドにセッティングされ、ギターのボリューム・ノブの微調整で歪みの幅をコントロールしている。
アンプのセッティングは、PRESENCEとTREBLEがほぼMAXまで上げられ、BASSはほとんどゼロに近い極端なセッティングがポイントだ。TAIKINGはギターのトーンをあらかじめ絞った状態で音作りしているため、このようにハイを強調したセッティングになっている。
⑭SHURE/GLXD4R
⑮FRYETTE/PS-2
こちらはマーシャルの背後に置かれた⑭SHURE/GLXD4R(ワイヤレス・システム)&⑮FRYETTE/PS-2(アッテネーター)。下段のPS-2はバックアップ。
サウンド・システムの接続順
【Equipments】
①FREE THE TONE/JB-41S(ジャンクション・ボックス)
②BOSS/MS-3(プログラマブル・スイッチャー)
③Organic Sounds/Hydra(オーバードライブ)
④Ibanez/Tube Screamar プロトタイプ(オーバードライブ)
⑤Xotic/X-Blender(ブレンダー)
⑥Source Audio/Nemesis(ディレイ)
⑦Source Audio/Ventris(リバーブ)
⑧BOSS/FS-8(フット・スイッチ)
⑨Fractal Audio Systems/EV-1(エクスプレッション・ペダル)
⑩FREE THE TONE/MB-3(MIDIスルーボックス)
⑪FREE THE TONE/PT-5D(パワーサプライ)
⑫Marshall/JTM45 Offset reissue Head(アンプ・ヘッド)
⑬Marshall/JTM45 Offset reissue Cabinet(キャビネット)
⑭SHURE/GLXD4R(ワイヤレス・システム)
⑮FRYETTE/PS-2(アッテネーター)
TOWNCRAFTツアーのプレイリストはこちら
https://fcls.lnk.to/TOWNCLAFT_LIVE
作品データ
『TOWNCRAFT』
TAIKING
F.C.L.S./KSCL-3339/2022年09月21日リリース
―Track List―
- Easy
- Holiday
- SPOT SESSION
- SPOT LIGHT
- Rules feat.Tao Tsuchiya
- Brother
- Capsule
- Summer Again
- BET
- VOICE
- Space Traveler
―Guitarist―
TAIKING