おうちで弾きたい小型ギター・アンプ8選【2023年版】弓木英梨乃が試してみた! おうちで弾きたい小型ギター・アンプ8選【2023年版】弓木英梨乃が試してみた!

おうちで弾きたい小型ギター・アンプ8選【2023年版】
弓木英梨乃が試してみた!

自宅でエレキ・ギターを演奏するのに不可欠な存在であるアンプ。年々小型化が進んでいることに加え、近頃は幅広い音作りができる機能が備わったり、ワイヤレスで演奏できたりとクオリティも向上している。そんな魅力的なモデルが多く発売される中、どんな基準で選べばいいのかと迷ってしまう方も多いのでは? そこで今回は今イチオシの小型アンプを厳選して紹介! 弓木英梨乃の試奏と共に、各モデルのおすすめポイントなどもお届けしよう。

取材・文:久保木靖 撮影:星野俊
*この記事はギター・マガジン2023年2月号から転載したものです。

サイズ早見表

今回紹介する8モデルの小型アンプを全国のスタジオやライブハウスの定番機、ローランドJC-120と同じ縮尺で並べてみた。これでまずはサイズ感をつかもう!

小型ギター・アンプのサイズ早見表

BLACKSTAR/FLY 3 CHARGE

BLACKSTAR/FLY 3 CHARGE

従来の機能性はそのまま
充電池搭載でどこでも使える!

 先行機種のFLY 3 Bluetoothの機能性はそのままに、USB-C経由の内蔵充電池を搭載して最大18時間の駆動ができるようアップグレードされたモデル。

 コンパクトなサイズ感や、テープ・エコーのようなサウンドを実現したデジタル・ディレイ、絶妙な音作りが可能なISFツマミの搭載など、従来も好評だったスペックはそのままに、いつでもどこでも演奏することが可能だ。Bluetooth機能によって、スマホの音楽を再生しながら演奏も楽しめる。

BLACKSTAR/FLY 3 CHARGEコントロール部
コントロール部。ISFツマミを左に回すとアグレッシブな“USA”、右に回すとウッディな“UK”の特色のトーンにEQを自動調整。外部入力(ステレオ・ミニ)も可能。

YUMIKI’s IMPRESSION

気持ち良い音を色んな場所で出せる!

BLACKSTAR/FLY 3 CHARGEを弾く弓木英梨乃

とてもコンパクトで、なめらかなマット仕上げも良い感じです。

見た目の小ささとは裏腹に、ISFツマミが優秀ですね! 例えば、右に回すとVOXアンプのサウンドに近いようなUKっぽいキャラクターになり、左へ回すとフェンダー系のアンプを使っているような乾いたニュアンスが得られます。しっかり歪みますし、クリーン・チャンネルでゲインを上げればクランチにもなるし、そのうえでISFを回すことで色んな音に到達しますね。

家で弾く時はそれほど音作りにこだわらない人も、このアンプで練習すれば、自分好みのサウンドが必ず見つかる気がします。かなり大きな音量も出るから屋外でも楽しめるし、Bluetooth接続で音楽やリズムを流しながら演奏できる。何より、気持ち良い音で自分の家の色んな場所でギターを弾けるのは嬉しいですね!

BLACKSTAR/FLY 3 CHARGE

ブラックスター/フライ3チャージ

【スペック】
●出力:3W
●コントロール:GAIN、OD(オーバードライブ)、VOLUME、EQ(ISF/インフィニット・シェイプ・フィーチャー)、DELAY LEVEL、DELAY TIME
●入出力端子:インプット、MP3/ライン入力、エミュレート/ヘッドフォン・アウト、FLY 103Extスピーカー、USB-C
●スピーカー:3インチ×1
●電源:充電式バッテリー(USB-C)、ACアダプター、単三型乾電池×6
●サイズ:170(W)x126(H)x102(D)mm
●重量:0.9kg

【価格】
メーカー希望小売価格22,000円(税込)

【問い合わせ】
コルグお客様相談窓口 ☎0570-666-569 https://jp.blackstaramps.com/ja/

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BOSS/DUAL CUBE LX

BOSS/DUAL CUBE LX

弾き手を刺激する豊かな音の広がりを実現

 多彩な機能が魅力の定番アンプ、CUBEシリーズの最新モデル。“JC CLEAN”や“METAL STACK”などサウンド・キャラクターをイメージしやすい8種類のアンプ・タイプを搭載。弾き手のインスピレーションを刺激する本格的なアンプ・トーンが特徴だ。

 新開発のステレオ・インプット・モードは、マルチエフェクターやディレイなどのステレオ出力ペダルの接続に最適。ステレオ効果を飛躍的に高め、包み込むようなリッチな音場感が得られる。

BOSS/DUAL CUBE LXコントロール部
[アンプ・タイプ選択→トーン設定→エフェクトやディレイ/リバーブ]と非常にわかりやすい構成のコントロール部。ステレオ・インプットにも対応。
Bluetooth機能拡張アダプターのソケットとフットスイッチ端子
背面に別売のBluetooth機能拡張アダプターを付ければ、スマホで音楽を流しながら演奏もできる。同じく別売のフットスイッチを接続し、内蔵ルーパーを操作することも可能。

YUMIKI’s IMPRESSION

ライブやRECでも使えるクオリティ!

BOSS/DUAL CUBE LXを弾く弓木英梨乃

小型アンプとは思えないサウンドの重みがありますね。クリーンもきれいに出るし、歪みもしっかりかかって、ボリュームを絞っても音の風格は消えないです。

練習で使えるのはもちろん、ライブ前にこれ1台で音作りして1人でリハーサルをやるような感覚でも使えるなって……。いや、もはやライブやレコーディングでもちゃんと使えるレベルかもしれません!

アンプ・タイプはどれも本格的で、もう捨てチャンネルなし(笑)。中でも、エレキ・ギターの音がアコギのサウンドになるACOUSTIC SIMは……音が自然できれい! これにはかなりびっくりしました。ステレオ・スピーカーによる音の広がりもたまりませんね。そのうえ、エフェクトのクオリティがどれも高い。これで練習したら、絶対にギターが上手くなると思います!

BOSS/DUAL CUBE LX

ボス/デュアル・キューブLX

【スペック】
●出力:10W(5W+5W)
●コントロール:AMP TYPE、MEMORY BUTTON、GAIN、VOLUME、BASS、MIDDLE、TREBLE、EFFECTS、DELAY/REVERB、TAP BUTTON、MIC VOL、MASTER、LOOPBACK
●入出力端子:インプット、ステレオ入力(L/R)、REC/ヘッドフォン・アウト、i-CUBE LINK/AUX IN、ライン・アウト(L/MONO、R)、フットスイッチ、Bluetoothアダブター、USB-B
●スピーカー:4インチ×2
●電源:ACアダプター、単三型乾電池×8
●サイズ:341(W)x162(D)x215(H)mm
●重量:3.3kg
●付属品:モバイル機器用ミニ・ケーブル

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格35,200円/税込)

【問い合わせ】
ローランド株式会社 https://roland.cm/contact

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BOSS/KATANA-AIR

BOSS/KATANA-AIR

迫力のあるサウンドが魅力の完全ワイヤレス

 王道ロック・サウンドが得られるKATANAシリーズの完全ワイヤレス・モデル。“CLEAN”や“ACOUSTIC”のほか、極上のハイゲイン・トーンが得られる“BROWN”など5つのアンプ・タイプと、専用アプリを経由した50種類以上のエフェクトにより多彩なサウンドを実現。

 トランスミッターをジャックに挿せばワイヤレス演奏ができ、1回の充電で最大12時間の連続使用が可能だ。Bluetooth機能でスマホで音楽を流しながらジャム演奏も楽しめる。

BOSS/KATANA-AIRコントロール部
オーソドックスなコントロール・レイアウト。作り込んだ音色を設定しておけば、別売りワイヤレス・フットスイッチFS-1-WLでの切り替え操作も可能だ。
付属のトランスミッター
様々な形状のギターに取り付けができる付属のトランスミッター。一定時間演奏しないと自動的にスタンバイ状態になる省電力設計が採用されている。

YUMIKI’s IMPRESSION

ワイヤレスだと忘れるくらい自然

BOSS/KATANA-AIRを弾く弓木英梨乃

同じBOSSの製品でもDUAL CUBE LXはチャンネルを切り替えると別のアンプで弾いている感じがしましたが、これは1台のアンプで多彩な音を作り出す印象でしたね。アンプ・タイプを変えたりしても、芯となる音は一貫しているなと。

クリーンのピュアな感じも好きですね。今日試奏で使っている私のストラトのシングルコイルの音がそのまま鳴っている感じがするんです。それからハイが比較的しっかりと出てくれるので、メロウなプレイというよりは王道なロックを演奏するのに向いている気がします。パワフルなプレイにはバッチリですね〜。

あっ、レイテンシーが感じられなくて、ワイヤレスだってことを忘れてました! これは本当に凄い。家でもライブでも動き回って弾きたい時は重宝しますし、シールドがないと解放感たっぷりですね。

ワイヤレス対応フット・スイッチ=FS-1-WLも登場!

別売のFS-1-WLとKATANA-AIRをBluetoothで接続すれば、メモリーの切り替えやエフェクトのON/OFFなど、様々な操作が足下でワイヤレスで行なえる。続いて紹介するWAZA-AIRなど、その他のBluetooth機能を搭載したBOSS/Roland製品に対応するほか、USBおよびTRS MIDI端子を搭載しているため、Bluetooth機能を持たない楽器でも有線でMIDIによる制御が可能だ。

BOSS/FS-1-WL

BOSS/KATANA-AIR

ボス/カタナ・エアー

【スペック】
●出力:30W(ACアダプター使用時)、20W(アルカリ乾電池使用時)
●コントロール:AMP TYPE、GAIN、VOLUME、BASS、MIDDLE、TREBLE、BST/MOD、DELAY/FX、REVERB、MASTER、TAP、TONE SETTING(CH A、CH B、PANEL)●入出力端子:インプット、AUX IN、REC/ヘッドフォン・アウト、トランスミッター入力、USB-B
●スピーカー:3インチx2
●電源:ACアダプター、単三型乾電池×8
●サイズ:350(W)x144(D)x181(H)mm
●重量:2.2kg
●付属品:トランスミッター(WL-T)、2P-3P変換器

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格44,000円/税込)

【問い合わせ】
ローランド株式会社 https://roland.cm/contact

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BOSS/WAZA-AIR

BOSS/WAZA-AIR

バーチャル・リアリティなヘッドフォン型アンプ

 BOSSが培ってきたアンプやエフェクト、ワイヤレス・テクノロジー、独自開発による革新的な立体音響テクノロジーが一体化した、完全ワイヤレス・ギター・ヘッドフォン。

 3種類の音場から演奏環境を選択でき、例えば“Stage”モードではまるでステージ上でパフォーマンスしているかのように自分の背後からアンプのサウンドが聴こえてくるから驚きだ。専用アプリを活用することで、エフェクトやサウンドの編集&保存も自在。夜間の練習にも必携!?

BOSS/WAZA-AIRのコントロール類
ヘッドフォン右側にはコントロールを搭載。チャンネル変更ができる2つのボタンのほか、ローラー・タイプのボリューム、オートワイヤレス接続用トランスミッター端子、Bluetooth操作ボタンがある。
専用アプリ=BOSS TONE STUDIO
専用アプリ(BOSS TONE STUDIO)を使用して、ワイヤレスでサウンドの編集・保存、およびダウンロードが可能。クロマチック・チューナーも装備。

YUMIKI’s IMPRESSION

リアルで迫力ある音像には驚きです!

BOSS/WAZA-AIRを弾く弓木英梨乃

うわ~、凄い! 目の前にアンプがあるみたい! 疑似的にステージで音を鳴らしたり、背後から鳴っていたり、遠くで響いている感じが再現されていて……リアルで迫力のある音像がこんな風に体感できるのはびっくりです。

音色の切り替えはヘッドフォンの横のボタンでできるんですね。少しリバーブをかけただけで、本当にホールで弾いているような感覚で演奏できますよ。アプリを使いこなせば、音作りもこれ一式で完結ですね。家での練習はもちろん、本番前に楽屋で使ってテンションを上げるっていう使い方も良さそうです。

ヘッドフォンって家で音を出せない時に使うイメージでしたけど、これはまったくの別物。この響きを求めて使いたくなります。自宅で爆音の演奏をするなんて大金持ちじゃないとできないと思ってましたが、この手がありました(笑)!

BOSS/WAZA-AIR

ボス/ワザ・エアー

【スペック】
●コントロール:VOLUME、CH UP BUTTON、CH DOWN BUTTON、BLUETOOTH MUL
TI-FUNCTION BUTTON
●入出力端子:トランスミッター入力、USB-B
●電源:充電式バッテリー(USB-B)
●重量:320g
●付属品:トランスミッター(WL-T)、充電用マイクロUSBケーブル

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格47,300円/税込)

【問い合わせ】
ローランド株式会社 https://roland.cm/contact

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LANEY/MINI-ST-LION

LANEY/MINI-ST-LION

アイコニックなデザインが◎
どこでも使える電池駆動式

 Laneyのアイコニックなモデル、LIONHEARTのデザインを受け継いだ小型アンプ。電池駆動とは思えないパワフルな表現力が魅力で、卓上はもちろんバックステージなどでの練習用にも最適だ。

 クリーン/ドライブの2チャンネル仕様で、心地いい効きのデジタル・ディレイを装備。シンプルなコントロール・パネルは視覚的なサウンドメイクを容易にしてくれる。専用アプリとの連動で、15,000種類以上のギター・トーンへのアクセスが可能だ。

LANEY/MINI-ST-LIONコントロール部
シンプルなコントロール部。クリーン/ドライブ・チャンネルの切り替えはボタン式だ。専用アプリで作ったサウンドを出力できるLSI端子を装備。
専用アプリ=Tonebridge Guitar Effects
付属の専用コードとスマホを接続すれば、専用アプリ“Tonebridge Guitar Effects”でジャンルに合わせたエフェクトを施すことができる。

YUMIKI’s IMPRESSION

常にリビングに置いておきたい!

LANEY/MINI-ST-LIONを弾く弓木英梨乃

お洒落なルックスが素敵です。部屋に置いていてもインテリアとして馴染みそうでいいなぁ。弾きたいモチベーションも上がるし、これってけっこう大事なポイントですよね。

それにしても小さいのに、しっかりと大きい音も出ます。サウンドは真空管ではなくトランジスタのような感じで、それが良い味を出してる。ディレイの目盛りを0にしてレベルをフルにすると、50s〜60sのロックンロールや、ビートルズっぽい雰囲気に凄く合って好きですね! ぜひ試してほしいです。家でこの音を鳴らしたらテンションが上がりますよ。もちろん普通にクリーンを出しても、温かい音が良いですね。

こんなに可愛らしいのに楽しく演奏できて……私だったらちょっと音を出したい気分の時にいつでもすぐに使えるように、常にリビングの机の上に置いておきます!

LANEY/MINI-ST-LION

レイニー/ミニSTライオン

【スペック】
●出力:6W
●コントロール:GAIN、DRIVE BUTTON、LEVEL、TONE、DELAY LEV
EL、DELAY、AUX IN、VOL
UME
●入出力端子:インプット、AUX IN、ヘッドフォン・アウト、専用LSIケーブル接続
端子
●スピーカー:3インチ×2
●電源:単三型乾電池×6、
ACアダプター
●サイズ:145(H)x205(W)x100(D)mm
●重量:1.25kg
●付属品:専用LSIケーブル

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格7,480円/税込)

【問い合わせ】
サウンドハウス ☎0476-89-1111(成田)、0885-38-1111(徳島) https://www.soundhouse.co.jp

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MOOER/HORNET 15W GREEN

MOOER/HORNET 15W GREEN

カラーでサウンドが異なるレトロで可愛いアンプ

 レトロで可愛らしいデザインでありながら、9種類のアンプ・タイプを選択でき、サウンド・バリエーションが豊富なシリーズ。全5種類のカラーを用意しており、色によってアンプ・タイプの種類が異なるのも魅力。

 上写真のGreenはクラシックなブリティッシュ・トーンを中心に、ビンテージ・ツイードやレクチファイヤーなどのロック・サウンドを彷彿させるタイプを搭載した1台だ。MOD/DELAYのそれぞれにタップ・テンポ設定ができる機能や、スマホの音楽を流しながら演奏が可能なBluetooth機能など、基本スペックは共通している。

MOOER/HORNET 15W GREENコントロール部
操作しやすいコントロール部。MODとDELAYには個別のタップ・テンポ・ボタンがある。また、気に入った音は9種類までプリセット保存が可能だ。
HORNETラインナップの一部
カラーによって9種類のアンプ・タイプが異なるのも特徴。左から、本機と同ラインとして2022年に発売されたBlueとPink、15/30Wで使用できるWhite。

YUMIKI’s IMPRESSION

太くてパワフルな音それぞれに個性がある

MOOER/HORNET 15W GREENを弾く弓木英梨乃

色味とデザインが可愛いですね〜。見た目とは裏腹に、モジュレーションやディレイ、リバーブも付いていて、サウンドメイクに長けている機能が豊富なのは頼もしいです。あ、チューナーも付いてるのもかなりポイントが高い! レトロなセレクターでアンプ・タイプを選んでいくのがまた楽しいですね。

このアンプは基本的にクラシックなハードロックの雰囲気があるかも。“FUNKY”タイプはクリーンでも鳴らせるんですけど、ほかは基本的に歪んでいますね。どれも太くてパワフルな音ですが、それぞれに個性があります。ディレイのタップも凄くわかりやすい。

1台で完結しているので、家でガッツリ遊びたいっていう人にピッタリなんじゃないかな。プリセットもあるので、小さいライブ会場でも使える感じがします。ほかのカラー・ラインナップも気になりますね!

MOOER/HORNET 15W GREEN

ムーア/ホーネット15Wグリーン

【スペック】
●出力:15W
●コントロール:GAIN、TRE
BLE、MID、BASS、VOLUME、MOD、DELAY、
REVERB、M.TAP、D.TAP、BT、TUNER、LIVE/PRESET、AMP MODEL
●入出力端子:インプット、AUX IN、ヘッドフォン・アウト
●スピーカー:6.5インチx1
●電源:ACアダプター
●サイズ:290(D)x173(W)x255(H)mm
●重量:2.9kg

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格17,017円/税込)

【問い合わせ】
LEP INTERNATIONAL ☎0198-23-6600  https://www.lep-international.jp/contact

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POSITIVE GRID/SPARK MINI

POSITIVE GRID/SPARK MINI

大人気のSparkをさらにコンパクトに!

 大人気のSparkをさらにコンパクトにしたポータブル・アンプ。従来のSpark同様、専用アプリと連動することにより、33種のアンプ・モデルと43種のエフェクトが利用でき、サウンドメイクの可能性は無限だ。パッシブ・ラジエーターを備えており、ふくよかな低域も余すところなく表現。

 また、ジャム演奏のためのベースやドラム・トラックを自動生成するSmart Jamや、再生した曲のコードを自動表示するAuto Chordsといった驚きの機能も搭載している。コントロール部もシンプルで操作に迷わず、初心者にも◎。

POSITIVE GRID/SPARK MINIコントロール部
音作りは専用アプリで行なうため、潔いまでにシンプルなコントロール部。USBオーディオ・インターフェースとLINE OUTを使った録音も可能だ。
専用アプリでモデリング・アンプ“American High Gain”を呼び出したところ
専用アプリでモデリング・アンプ“American High Gain”を呼び出したところ。Smart Jam機能やAuto Chords機能もアプリに搭載されている。

YUMIKI’s IMPRESSION

スタジオでアンプを鳴らす感覚に近い

POSITIVE GRID/SPARK MINIを弾く弓木英梨乃

こんなに小さいのに、とにかくサウンド・クオリティが凄い! チャンネルを切り替えると音のキャラクターがガラリと変わって、まるで違うアンプで鳴らしているような感覚になります。しかも、どれも本格的なんですよ。

EQ設定など何もしていない状態で弾いてみましたが、ローもハイも良い塩梅のバランスで鳴っていてとても気持ち良い。スタジオで実践的にアンプを鳴らす感覚に近い音ですよ。このしっかりとした音の広がりは、底に付いているパッシブ・ラジエーターの賜物でしょうね。音量もけっこう出るし、また、小さい音で弾いてもきれいです。

アンプ本体のツマミは最低限のものしかないので、基本的にはアプリで音を作ることになりますが、このクオリティにエフェクトをかけていったら……練習用としてこれ以上のものはないでしょう!

POSITIVE GRID/SPARK MINI

ポジティブ・グリッド/スパーク・ミニ

【スペック】
●出力:10W
●コントロール:4 PRO
GRAMMABLE PRESET SELECTOR、GUITAR VOLUME、MUSIC VOLUME
●入出力端子:インプット、AUX IN、ヘッドフォン・アウト、USB-C
●スピーカー:2インチx2、パッシブ・ラジエーターx1
●電源:充電式バッテリー(USB-C)
●サイズ:146.5(W)×123(D)×165(H)mm
●重量:1.5kg

【価格】
33,000円(税込)

【問い合わせ】
メディア・インテグレーション ☎03-3477-1493 https://www.minet.jp/support-contact/

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SHINING/SGA-3

SHINING/SGA-3

機能性も申し分なし! 軽量かつ省電力のポータブル型

 “小型・軽量・省電力”と3拍子揃ったオールインワン・ポータブル・ギター・アンプ。卓上に置けるほどのサイズなので、持ち運びもラク! シンプルなデザインは部屋のインテリアにすっと溶け込んでくれる。

 クリーンとディストーションの2チャンネル仕様で、高品質なアナログ・ディレイを搭載。シンプルなコントロール・パネルは感覚的な音作りを実現する。ACアダプターのほか、モバイル・バッテリーなどでUSB充電もでき、利便性が高いのも◎。

SHINING/SGA-3コントロール部
感覚的な音作りを実現するコントロール部。クリーン/ディストーション・チャンネルの切り替えはボタン式だ。AUX入力で音楽を流すこともできる。

YUMIKI’s IMPRESSION

夜遅い時間の練習時にも重宝しそう

SHINING/SGA-3を弾く弓木英梨乃

まずびっくりしたのはこの小ささ! 今回試したアンプの中で一番小さくて軽いんじゃないかな? ツマミが4つだけというシンプルなコントロールで、感覚的にすぐ使えるところもいいですね。それでも必要最低限のサウンドメイク機能はしっかり入っています。

小さい音で練習しても、ディストーション・チャンネルで歪ませればしっかりとかかってくれる。夜遅い時間に練習する時に重宝しそう……個人的にそこはとっても大事(笑)。リビングでポロポロ弾きたい気分の時にも最適です。

一方で、クリーン・チャンネルにしてゲインをフルにするとクランチ・サウンドも得られますね。ディレイのかかり具合が繊細で、幅が広いのもポイントが高いです。完全なクリーン、クランチ、そしてディストーションまで、こだわれば色々な音作りができるのには脱帽!

SHINING/SGA-3

シャイニング/SGA-3

【スペック】
●出力:3W
●コントロール:GAIN、CLN/DIST、VOL
UME、TONE、DELAY LEVEL、DELAY TIME、AUX IN、PHONES
●入出力端子:インプット、AUX IN、ヘッドフォン・アウト、USB-B
●スピーカー:3インチ×1
●電源:ACアダプター、単三型乾電池×6、充電式バッテリー(USB-B)
●サイズ:166(W)×124(H)×98(D)mm
●重量:約720g

【価格】
6,490円(税込)

【問い合わせ】
神田商会カスタマー・サポート ☎03-3254-3616 https://www.kandashokai.co.jp

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TOTAL IMPRESSION by 弓木英梨乃

家で練習する時でもライブを見据えて、実際のサウンドに近づけて練習したい!──弓木英梨乃

弓木英梨乃

気持ち良い音で弾けば、自ずと練習量も増える

 まず、今日この8台の小型アンプを試奏して、色んなメーカーから多くの種類が出ていることに驚きました。最も小さいもので、かつお手頃な値段で買えるものでも、想像以上に音が良かったことにびっくりしましたね。それから、小ささを追求したアンプはシンプルな機能性で使いやすくしている点も魅力だと思いました。LaneyのMINI-ST-LIONShiningのSGA-3BlackstarのFLY 3 CHARGEは、コントロール部がシンプルなので、説明書を見なくても感覚的に使えるところが嬉しい! ちょっとした家での練習なら十分ですね。

 Bluetooth機能が付いているものって以前は珍しかったかもしれないんですけど、今回は半分以上のモデルに付いていました。私は曲を鳴らしながら練習したいので、この機能は欲しいですね。わざわざスピーカーがある部屋に行かなくても、リビングやダイニングでスマホとアンプとギターさえあれば完結ですから。セッションできるような曲を流してそれに合わせて弾いたり、ちょこっと練習する時に色んな準備をしなくてもパッと音を出せるのは楽ですし、自ずと練習量が増えますよね。

 BOSSのKATANA-AIRWAZA-AIRLaneyのMINI-ST-LIONPositive GridのSpark MINIはアプリと連動できるという意味で、家での練習に大きな可能性を感じさせてくれました。この機能を使いこなせたら、音作りの面でできることが広がりますよね。どこまでできるのか、かなり期待しちゃいます。

“おうち”を超えた小型アンプの可能性

 今回は“おうちで弾きたい”というのがテーマでしたが、そういう意味ではどれも十分なクオリティでした! 気兼ねなく、楽しく演奏できることが、家での練習で一番大事なポイントですからね。

 中でも私が気に入ったのは、BOSSのDUAL CUBE LXですね。自分の好きなアンプをスタジオで鳴らしているようなしっかりしたサウンドのクオリティには驚きました。ライブでも十分に使えると思いますよ。もちろん、自宅練習用で使うという贅沢さもありますよね(笑)。自分が気持ち良いと思える音で弾くほうが長時間練習するから、絶対に上手くなると思うんです。すると、色んなアイデイアが湧いてくることにもつながるんですよ。

 お気に入りの小型アンプを手に入れたら、私はやっぱりライブに向けた練習をしたいですね。これからの目標でもあるんですけど、色んなところで身軽にライブをやってみたいっていう思いがあって。だから家で練習する時でも、ただ音を出すだけじゃなくて、ライブを見据えて実際のサウンドに近づけて練習したいんです。第一の目的はそれで、さらにそこを超えて、ライブでもレコーディングでも使えちゃう……今回はそんな希望も膨らみましたね。

 今回の8モデルを試奏してみて、色んなシーンで演奏できる可能性が増えるなと実感しました。例えば、ワイヤレスだったり、電池駆動や充電式だったりすると、手軽だから持ち歩きたくなる。小さくてもしっかり音量も出て、サウンドも良い感じで、色んな音作りができるとなると、ライブをやりたいとか、レコーディングしたいと思うようになる。おうちはもちろん、そこから出て色んな場所で使うことが想像できましたね。それから、アコギは基本的に1本でどこでもジャカジャカと弾けると思うんですけど、エレキの場合はギター単体だけでは完結しないじゃないですか。だからこそ普段演奏する時に身近にあるアンプはこだわらなきゃいけないなと改めて思わされました。

 小型アンプを選ぶ時は、まずは自分が何をしたいかということが大事だと思います。音が好みかどうかはもちろんですけど、そのうえで自分に必要な機能があるかどうか、ルックスが好みかどうか。小型とはいえ、持ち運びが大変な状況もあるでしょうから、そこで充電式を選ぶのか、ワイヤレスを選ぶのか。ある程度条件を絞ったら、楽器屋さんで実際に弾いてみることをオススメします!

試奏者プロフィール

弓木英梨乃

1990年生まれのSSW/ギタリスト。中学生でギターを始め、2009年にソロ・メジャー・デビュー。2013〜2020年まではKIRINJIのメンバーとして活躍し、現在は土岐麻子や吉澤嘉代子などを始め数多のアーティストをサポート。2019年にはソロ・プロジェクト“弓木トイ”を始動し、YouTubeチャンネルも開設。新著『読んでわかる、見て弾ける! アコースティックギタースタートブック』(KADOKAWA)が好評発売中。

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ギター・マガジン2023年2月号
『SUGIZO&MIYAVI(THE LAST ROCKSTARS)』
2023年1月13日(金)発売

本記事はギター・マガジン2023年2月号に掲載されたものを一部抜粋/再編集したものです。