カネコアヤノの新作『タオルケットは穏やかな』で林宏敏(g)が使用した機材については、先月公開の記事で紹介した。今回はカネコアヤノ本人が普段のライブで使用しているアンプとペダルボードをお見せしよう!
取材=錦織文子 撮影=山川哲矢(アンプ) 写真提供=カネコアヤノ(ペダルボード)
Amplifier
1970’s Orange OR80R
素直で温かい音がお気に入りのメイン・アンプ
2年ほど前に手に入れて以来メインとして使用しているカネコのアンプは、オレンジのOR80R。70年代に製造されていたモデルで、パワー管を2基搭載した80W出力の真空管コンボ・アンプだ。
そのルックスに加えて“素直で温かい音”が気に入っているそうで、近年のライブ/レコーディングで活躍している(新作のレコーディングでは「わたしたちへ」で使用)。
コントロールのツマミに貼られているシールは以前のセッティングのもので、現在は“その時々の空間の鳴り方で前後はさせます”とのこと。Echoツマミはオフの位置にシールが貼られているが、最近は使用しているそうだ。
Pedalboard
【Pedal List】
①TC Electronic / polytune 3 mini(チューナー)
②Electro-Harmonix / OP-AMP Big Muff (ファズ)
③Klon / KTR(オーバードライブ)
④Xotic / RC Booster(ブースター)
⑤Bixonic / EXP-2000 Expandora (ファズ)
⑥MXR / Phase 90(フェイザー)
⑦TC Electronic / Hall Of Fame 2(リバーブ)
⑧MXR / Iso-Brick(パワー・サプライ)
カネコアヤノ・サウンドの基盤を築くボード
カネコのライブ用ペダルボード。ギターからの接続順は番号のとおり。写真は現在行なわれている新作『タオルケットは穏やかな』のツアー中に撮影されたもので、最新のセッティングだ。
②OP-AMP Big Muffは「気分」や「月明かり」、「愛のままを」、「爛漫」などの歪みパートで使用。
もう1台のファズは、国産ブランド“Bixonic”が1994年に発売した⑤EXP-2000 Expandora。ZZトップのビリー・ギボンズが使用したことでも有名なモデルで、本機は林に借りているもの。「わたしたちへ」の2番のサビで使用するそうだ。
③KTR基本的に常時オン。これらとオレンジ・アンプの組み合わせで基本的なギター・サウンドを作っている。
④RC Boosterは、「エメラルド」など、バンド全体が轟音をかき鳴らす際などに使うほか、ライブ中にバンド・アンサンブル内での自分の音が寂しく感じる時に活用。⑥Phase 90は「季節の果物」のアウトロで使用している。基本的にリバーブはアンプ側でかけているが、気分によっては、ファズと合わせて⑦Hall Of Fame 2をオンすることがあるそうだ。
ボード左上のケーブルをまとめている犬の舌(?)の結束バンドは、“好きすぎて通販でいっぱい買いました。何回も使ってるとたまにちぎれちゃう“とのこと。ピックはジム・ダンロップ製のTortex Triangleの0.73mm。
ギター・マガジン2023年3月号
『現代ジャズ・ギター入門』
2023年2月13日(月)発売
『タオルケットは穏やかな』 カネコアヤノ
1994 Inc./NNFC-11/2023年1月25日リリース
―Track List―
1. わたしたちへ(album ver.)
2. やさしいギター
3. 季節の果物
4. 眠れない
5. 予感
6. 気分
7. 月明かり
8. こんな日に限って
9. タオルケットは穏やかな
10. もしも
―Guitarists―
林宏敏、カネコアヤノ