BOSS KATANAアンプ・シリーズ ラインナップ紹介&徹底深堀り! BOSS KATANAアンプ・シリーズ ラインナップ紹介&徹底深堀り!

BOSS KATANAアンプ・シリーズ 
ラインナップ紹介&徹底深堀り!

アナログ/デジタルの両側面において常に技術革新を続ける、日本を代表するブランド=BOSSが送り出す渾身のKATANAアンプ・シリーズ。扱いやすいコンボ・タイプや本格的なスタック・タイプ、そして自宅練習に最適な小型タイプまで多彩なラインナップを展開する本シリーズを徹底解説していこう。

文:井戸沼尚也 撮影:星野俊 デザイン:猪野麻梨奈
※本記事はギター・マガジン2023年5月号に掲載された「そのサウンド、折り紙付き〜BOSS KATANAシリーズ」を再編集したものです。
Presented by BOSS 製品に関する情報はローランド株式会社(https://roland.cm/contact)まで。

KATANAシリーズ
共通の特徴をチェック

まずはKATANAアンプ・シリーズのほとんどのモデルに共通するポイントを紹介しよう。BOSSのこだわりが詰め込まれたサウンドや機能性の数々をチェック!

※ミニ・アンプであるKATANA-MINIなど、本項の機能すべてを備えていないモデルも一部あります。

真空管アンプを徹底研究
Tube Logic

Tube Logicロゴ

多くのギタリストが愛してやまないビンテージ・チューブ・アンプを徹底的に解析し、理想の真空管サウンドを実現したBOSS/Rolandの“Tube Logic”。

KATANAシリーズにもこの設計思想が採用されており、クランクアップした時の音のツヤ、自然なコンプレッション感、ピッキングや手元のボリュームに対する反応の良さ、高い音圧といった、チューブ・アンプの特徴的なトーンとレスポンスを再現する。

POWER CONTROLで
使用シーンに応じた音量に

POWER CONTROL

最大出力を段階的に調節できるPOWER CONTROL機能により、使用する環境に適した音量でアンプをクランクアップしたサウンドを楽しむことができる。

例えばPOWER CONTROLを低いW数に設定した場合、音量だけが下がりつつトーンの質は変わらないので、自宅でもステージと同じ感覚で練習することができるというわけだ。自宅で作り込んだサウンドをステージで再現する際にも役立つ機能だろう。

5種類×2バリエーションのアンプ・タイプと60種類以上のエフェクトで多彩なサウンドメイク

アンプ・タイプ選択ノブ
エフェクト類

KATANAシリーズには“5種類×2バリエーション”のアンプ・タイプが搭載され、ビンテージなクリーンからモダン・ハイゲインまで好みのサウンドを選ぶことができる。

アンプ・タイプの内訳は、クリーン・サウンドが主体のCLEAN、バッキングやブルージィなプレイにマッチするCRUNCH、ゲインが高めでギター・ソロにも適したLEAD、よりハイゲインで温かみのあるBROWN、エレアコ向きのACOUSTICという5種類。そこに加えて、写真の“VARIATIONスイッチ”を押すことで、それぞれのアンプ・タイプのキャラクター違いのサウンドを選択する形だ。

さらに、ギタリストにとってお馴染みのBOSSエフェクトを多数内蔵。BOOSTER、MODULATION、FX、DELAY、REVERBの5カテゴリーで計60種類以上が用意され、同時に5系統の使用が可能だ。エフェクター・ボードを用意しなくとも、アンプ1台だけで基本的なサウンドメイクは完結できるだろう。

フット・コントローラーとの
連携でパッチ切替可能

フット・コントローラーのGA-FC(写真上)とGA-FC EX(写真下)

アンプ・タイプとエフェクトの設定を最大8つ(2バンク×4パッチ)まで保存できるTONE SETTING機能を搭載。

オプションのフット・コントローラーであるGA-FC、またはGA-FC EXを使用すれば(写真)、音色の切り替えやエフェクトのON/OFFが足下で行なえるほか、エクスプレッション・ペダルを追加接続してワウやピッチ・ベンドの操作に使えるなど、ライブでのパフォーマンスを向上させることができる。

マルチFXにも最適な
POWER AMP IN端子

POWER AMP IN端子

本体にも優れたプリアンプ・タイプやエフェクトが搭載されているが、お気に入りのアンプ・シミュレーターやマルチ・エフェクターの再生にも適している。POWER AMP IN端子(写真)に接続すれば、機材のキャラクターを最大限に活かしたサウンドを鳴らすことができる。

ほかにも、上位機種はシリーズ/パラレルの切り替えに対応したEFFECT LOOP端子や、外部キャビネットへの接続を可能にするSPEAKER OUT端子も装備。

USBオーディオ出力で
宅録にも最適!

USBオーディオ出力

KATANAシリーズはUSBオーディオ出力に対応しており、オーディオ・インターフェイスを持っていなくてもアンプ・サウンドをそのままPC上のDAWへ送ることができる。

また、USB端子、PHONES/REC OUT、LINE OUTにはキャビネット・シミュレーターをかけることができ、マイキング方法も3種類+カスタムから選択可能だ。ライブや自宅練習だけでなく、宅録にも便利なアンプだと言える。

詳細に音を作り込める
BOSS TONE STUDIO

BOSS TONE STUDIO画面

無償で提供されるPC版エディター・ソフトの“BOSS TONE STUDIO”を使って、アンプのコントロールやエフェクトの設定を数値で詳細に設定でき、こだわりのセッティングを作成・保存できる。

ソフト内では本体パネルにはないパラメーターにもアクセスでき、グラフィカルな画面で直感的にサウンドのカスタマイズが可能だ。インターネットにつながった環境では、ここから次項のBOSS TONE CENTRALにアクセスする。

追加パッチを無償DLできる
BOSS TONE CENTRAL

BOSS TONE CENTRAL画面

BOSSが提供する音色ライブラリー・サービス“BOSS TONE CENTRAL”にアクセスして、追加パッチを無償でダウンロードできるのも魅力。

フルアップさせたスタック・アンプの音や、煌びやかなクリーンなど、アンプ・サウンドを集めた“Authentic Amp Tones”、多彩なエフェクトをフィーチャーした“Creative FX Tones”など、魅力的なサウンドを手に入れて、すぐに使うことができる。

世界中のユーザーが作った
パッチをダウンロード!

BOSS TONE EXCHANGE画面

BOSS TONE STUDIOに対応した製品(今回の場合はKATANAアンプ)で作成された音色データを、ユーザー自身がアップロードおよびダウンロードすることができる無料のオンライン・サービス、“BOSS TONE EXCHANGE”も利用可能だ。

自分で作ったこだわりの音色を世界中のユーザーとシェアしたり、ほかのユーザーが作った新しい音色や好みの音色をダウンロードして演奏するなど、様々な楽しみ方ができる。

KATANAシリーズを一挙紹介!

現在展開されているKATANAシリーズを一挙に解説。自分の用途に最適な1台を見つけよう! 試奏を担当した楽器ライター、井戸沼尚也氏のレビューもぜひ参考にしてほしい。

KATANA-50 MkII
KATANA-50 MkII EX

KATANA-50 MkII正面
オープン・プライス(市場想定価格:KATANA-50 MkⅡ/35,200円・KATANA-50 MkⅡ EX/45,100円)

シリーズ中で最も標準的な50Wモデル

シリーズ中で最も標準的なモデルといえるKATANA-50 MkⅡ。12インチのカスタム・スピーカーを1基搭載し、最大50Wの出力が可能なコンボ・アンプだ。

“5種×2バリエーション”のアンプ・タイプや60種類以上のエフェクト、音色を4つまで保存・呼び出し可能なTONE SETTING、POWER CONTROLなど、基本的な機能はもちろん押さえつつ、過不足のない手頃なサイズ感から様々な場面で活躍してくれるだろう。

2023年1月には新製品として、機能性をさらに拡張した“KATANA-50 MkⅡ EX”も登場。“EX”ではオプションのGA-FCフット・コントローラーに対応し、使用時は呼び出せる音色数が8に倍増するほか、PAにサウンドを直接送れるLINE OUT端子も新たに備え、ライブでの自由度が増している。

KATANA-50 MkIIコントロール
筐体上面のコントロール・パネル。エディター・ソフトのBOSS TONE STUDIOを利用することで、例えばPRESENCEなど、ツマミがないパラメーターも操作が可能。
専用設計の12インチ・カスタム・スピーカー
専用設計の12インチ・カスタム・スピーカーを1基搭載。KATANAならではのサウンドに大きく貢献しているポイントだ。

KATANAの実力を知るのに最適!

井戸沼尚也 まず“CLEAN”のアンプ・タイプで弾き始めてすぐ、音の良さに驚きました! “わずかに歪み成分が加わった太いクリーン”は、良質なチューブ・アンプを使っても音量を上げないと得られませんが、そうした音が簡単に作れて、なおかつ小音量でも楽しめます。このあたりはTube Logicによる技術力の賜物ですね。“BROWN”などのハイゲイン・サウンドも素晴らしく、エフェクトの心地良さも想像以上。KATANAの実力を知るには最適なモデルです。

こんなシーンにオススメ!

  • KATANAシリーズを体感する最初の1台として。
  • 自宅練習を中心に本格的なサウンドを楽しみつつ、小規模な会場でのライブにも使いたい。
  • 比較的ラウドではないバンド・アンサンブルでの使用。
  • ライブ・パフォーマンスをメインに考えている人は“EX”モデルを推奨!

SPECIFICATION

●出力:50W
●コントロール:POWER CONTROL(STANDBY/0.5W/25W/50W)、MASTER、TONE SETTING(CH1/CH2/PANEL)、【AMPLIFIER】AMP TYPE、VARIATIONボタン、GAIN、VOLUME【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【EFFECTS】BOOSTER、MOD、FX、DELAY、REVERB
●入出力端子:インプット、POWER AMP IN、REC OUT/PHONES、FOOT CONTROL、AUX IN、USB、GA-FC(EXモデル)、LINE OUT(EXモデル)
●スピーカー:12インチ×1
●外形寸法:470(W)×238(D)×398(H)mm
●重量:11.6kg


KATANA-100 MkII

KATANA-100 MkII正面
オープン・プライス(市場想定価格:58,300円)

ライブにも最適! 100W出力の大ボリューム

12インチ・スピーカーを1基搭載したコンボ・タイプで、100Wの大出力を誇るモデル。

前出のKATANA-50 MkⅡおよび“EX”と基本的な特徴は共通しているが、最大出力のほか、SEND/RETURN端子を備えており外部エフェクターを組み込むことが可能な点や、超高音域を調整するPRESENCEノブがコントロール・パネル上に設置されているなどの違いがある(KATANA-50 MkⅡでも、エディターを使用すればPRESENCEのコントロールは可能)。

また、KATANA-50 MkⅡよりも本モデルのほうがやや重くサイズも大きいが、ライブでの使用を重視する場合や、余裕を持って大音量を鳴らしたいギタリストにはより適した1台と言える。

KATANA-100 MkIIコントロール
50Wモデルと比べると、PRESENCEツマミが追加され、TONE SETTINGの数も2つから4つ(計8音色)に。出力切り替えは“STANDBY(ミュート)/0.5W/50W/100W”。
バック・パネルの充実した端子類
バック・パネルには充実した端子類を装備。“STEREO EXPANDスイッチ”をONにすると、2台のKATANA MkⅡを接続してステレオ出力ができる。

100Wならではのレンジ感がありますね。

井戸沼尚也 50Wモデルでも十分にアンサンブルの中で使える音量が出せますが、こちらはより大きな会場で使いやすい100Wモデル。基本的なサウンドの質はKATANA-50-MkⅡと同様のはずですが、大出力モデルならではの余裕か、同程度の音量に設定してもレンジが広く感じられます。POWER CONTROLで0.5W出力に設定すれば、クランクアップしたサウンドのまま自宅練習で使える音量にできるのも◎。

こんなシーンにオススメ!

  • 自宅練習に利用しつつ、中~大規模な会場でのライブで使いたい。
  • 大ボリュームにした際、ヘッドルームに余裕があるサウンドを得たい。
  • センド/リターンを利用して好みの外部エフェクターと組み合わせた音を作りたい。
  • アンプやエフェクトの設定をより多く保存したい。

SPECIFICATION

●出力:100W
●コントロール:POWER CONTROL(STANDBY/0.5W/50W/100W)、MASTER、PRESENCE、TONE SETTING(CH1/CH2/CH3/CH4/PANEL)【AMPLIFIER】AMP TYPE、VARIATIONボタン、GAIN、VOLUME【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【EFFECTS】BOOSTER、MOD、FX、DELAY、REVERB【バック・パネル】STEREO EXPANDスイッチ
●入出力端子:インプット、POWER AMP IN、LINE OUT、EFFECT LOOP(SEND、RETURN)、REC OUT/PHONES、FOOT CONTROL、GA-FC、AUX IN、USB
●スピーカー:12インチ×1
●外形寸法:530(W)×248(D)×484(H)mm
●重量:14.8kg


KATANA-100/212 MkII

KATANA-100/212 MkII正面
オープン・プライス(市場想定価格:74,800円)

12インチ・スピーカー2基ならではの迫力

最大出力100W、12インチのカスタム・スピーカーを2基搭載したモデル。スピーカーが1基のモデルよりもレンジが広がり、音圧も増して、よりパワフルになっているのが特徴だ。

同じ100WコンボのKATANA-100 MkIIと比較して外形寸法の幅が大きくなっている点(530mm→670mm)、重量が増している点(14.8kg→19.8kg)も、余裕のある音質を形成するうえでのポイント。

また、下位モデルではエディターでしか扱えなかった“CAB RESONANCE”がパネルに追加され、スピーカー・キャビネットの響きを容易に変えられる。そのほかの主要な機能はKATANA-100 MkIIと同様だ。

KATANA-100/212 MkIIコントロール
コントロール・パネルはスピーカーが1発のKATANA-100 MkⅡとほぼ同じだが、こちらは“CAB RESONANCE”スイッチが追加されている。
“CAB RESONANCE”スイッチ
キャビネットの響き方を変える“CAB RESONANCE”スイッチ。アンプ・タイプと組み合わせることでかなり多彩な音作りが可能だ。

パワフルで圧があります!

井戸沼尚也 非常にパワフルなサウンドで、フル・レンジな鳴りが心地良いですね。ただ、スピーカー1基のモデルならではの“まとまりの良い音”も魅力的なので、ここは好みの問題でしょう。CAB RESONANCEは“VINTAGE、MODERN、DEEP”の3種を選べます。個人的には、押し出しの強いDEEPとハイゲインなアンプ・モデルであるBROWNの組み合わせが最高で、低音弦をミュートした時の圧のある歪みを存分に楽しむことができました!

こんなシーンにオススメ!

  • 中~大規模な会場でのライブに使用したい。
  • 2スピーカー・モデルならではのパワフルなサウンドや、広がりのあるレンジ感を得たい。

SPECIFICATION

●出力:100W
●コントロール:POWER CONTROL(STANDBY/0.5W/50W/100W)、MASTER、PRESENCE、TONE SETTING(CH1/CH2/CH3/CH4/PANEL)、CAB RESONANCEスイッチ【AMPLIFIER】AMP TYPE、VARIATIONボタン、GAIN、VOLUME【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【EFFECTS】BOOSTER、MOD、FX、DELAY、REVERB【バック・パネル】STEREO EXPANDスイッチ
●入出力端子:インプット、POWER AMP IN、LINE OUT、EFFECT LOOP(SEND、RETURN)、REC OUT/PHONES、FOOT CONTROL、GA-FC、AUX IN、USB
●スピーカー:12インチ×2
●外形寸法:670(W)×248(D)×484(H)mm
●重量:19.8kg


KATANA-Artist MkII

KATANA-Artist MkII正面
オープン・プライス(市場想定価格:85,800円)

KATANAシリーズのフラッグシップ・コンボ

シリーズのフラッグシップ・モデルとなる“Artist”の100Wコンボ・アンプ。ほかのモデルとは違ってコントロール・パネルが前面に設置され、一目で特別なモデルとわかる。

サウンドの要はカスタム・メイドの12インチ・スピーカーである“WAZA Speaker”。60年代のブリティッシュ・スタック・アンプに搭載されたスピーカーの伝説的トーンを追求したもので、同時に100W耐圧を実現。本機のすべてのアンプ・タイプは、このスピーカーやキャビネットと合うよう特別にチューニングされている。

また、ブースト音量を調整できるSOLOや、音の輪郭特性を選択できるCONTOURなどをパネル上に搭載し、機能面も最高峰のモデルにふさわしい仕様だ。

KATANA-Artist MkIIコントロール
“SOLO”ツマミや“CONTOUR”、“GLOBAL EQ”など、下位モデルではエディターが必要だったコントロールがパネル上に配置されているのがポイント!
WAZA Speaker
豊かな倍音と弾力感のある低域、伸びやかなサステインなどが特徴のWAZA Speaker。セミ・クローズド・バック構造もタイトかつ豊かな低域再生に貢献する。

ハイゲインな歪みが心地良く響きます。

井戸沼尚也 シリーズ最高峰の位置付けも納得の、圧巻のサウンドを持つモデル! 音の輪郭の明瞭さ、前に出てくる力強さ、艶やかさなどは、カスタム・メイドのスピーカーによるところが大きいと思われます。KATANAらしいアンプ・タイプであるLEADやBROWNでのクリーミーな歪みが、このモデルでは一層心地良く響きますね。クリーン・サウンドの奥行きも特筆もので、こちらはクリーンが主体のネオソウル系のプレイヤーにも合いそう。

こんなシーンにオススメ!

  • KATANAシリーズで最上位のサウンドを求める人。
  • PC上のエディターではなく、コントロール・パネルの操作で様々な音を作り込みたい。
  • 自宅からステージまで、あらゆるシーンを1台で完結。
  • 特別に設計されたWAZA Speakerのサウンドを体感したい。

SPECIFICATION

●出力:100W
●コントロール:POWER CONTROL(STANDBY/0.5W/50W/100W)、CONTOUR、GLOBAL EQボタン、MASTER、PRESENCE、SOLO、TONE SETTING(CH1/CH2/CH3/CH4/PANEL)、BANKボタン、CAB RESONANCE【AMPLIFIER】AMP TYPE、VARIATIONボタン、GAIN、VOLUME【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【EFFECTS】BOOSTER、MOD、FX、DELAY、REVERB【バック・パネル】STEREO EXPANDスイッチ
●入出力端子:インプット、スピーカー・アウト(8Ω/16ΩA/16ΩB)、POWER AMP IN、LINE OUT、EFFECT LOOP(SEND、RETURN)、REC OUT/PHONES、FOOT CONTROL、GA-FC、AUX IN、USB、MIDI IN
●スピーカー:12インチ×1
●外形寸法:630(W)×248(D)×515(H)mm
●重量:19kg


KATANA-HEAD MkII + KATANA Cabinet 212

KATANA-HEAD MkII + KATANA Cabinet 212正面
オープン・プライス(市場想定価格:HEAD/47,300円・Cabinet/55,000円)

単体使用も可能なヘッドと専用キャビネット

ポータブルな100Wヘッドと12インチ・スピーカー×2発のキャビネットの組み合わせ。KATANA-HEAD MkⅡはコンパクトながら、シリーズの基本的なサウンドと機能をすべて搭載。

そしてなんと、最大出力30Wの5インチ・スピーカーを内蔵しており、ヘッド単体でも音を出してミニ・アンプとして使用できる。

KATANA Cabinet 212は、そんなKATANA-HEAD MkⅡの性能を最大限に発揮するために設計されたキャビネット。パワフルかつタイトな低音が特徴で、特にハイゲインとの相性が良く、許容入力も余裕の150W。バック・パネルは取りはずし可能で、クローズド・バックとオープン・バック、好みのスタイルで運用できる。

KATANA-HEAD MkIIコントロール
パネル上のコントロール類はKATANA-100/212と同様で、CAB RESONANCEも搭載されている。
スピーカー・アウト端子
バック・パネルのスピーカー・アウトは“8Ω”。一般的なスタジオやライブハウスに常設されたキャビネットとも組み合わせられる。

ヘッドだけで使うのも大いにアリ!

井戸沼尚也 小型スピーカーを搭載したヘッドだけでもしっかりとした音が作れて、音量も自宅での使用には十分です。予算的にヘッドとキャビを一度に揃えるのが難しければ、まずはヘッドで自宅練習や音作りに励み、リハーサルやライブでは会場常設のキャビを借りるといった使い方も想定できますね。ただし、やはりKATANA Cabinet 212と組み合わせたサウンドは格別。コンボ・タイプとは一味違う強烈な音圧を楽しむことができます。

こんなシーンにオススメ!

  • ヘッド部分をミニ・アンプとして自宅練習で使いたい。
  • 小型&軽量なヘッド部分のみを持ち運び、リハーサル・スタジオやライブハウスの常設キャビネットを利用して使いたい。
  • 専用設計されたKATANA Cabinet 212と組み合わせて、サウンドのポテンシャルを最大限に引き出したい。

SPECIFICATION〈Head〉

●出力:30W(内蔵スピーカー動作時)、100W(外部スピーカー接続時)
●コントロール:POWER CONTROL(STANDBY/0.5W/50W/100W)、MASTER、PRESENCE、TONE SETTING(CH1/CH2/CH3/CH4/PANEL)、CAB RESONANCE【AMPLIFIER】AMP TYPE、VARIATIONボタン、GAIN、VOLUME【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【EFFECTS】BOOSTER、MOD、FX、DELAY、REVERB【バック・パネル】STEREO EXPANDスイッチ
●入出力端子:インプット、スピーカー・アウト(MIN 8Ω)、POWER AMP IN、LINE OUT、EFFECT LOOP(SEND、RETURN)、REC OUT/PHONES、FOOT CONTROL、GA-FC、AUX IN、USB、MIDI IN
●スピーカー:5インチ×1
●外形寸法:470(W)×228(D)×215(H)mm
●重量:8.8kg 〈Cabinet〉
●スピーカー:12インチ×2
●外形寸法:670(W)×300(D)×505(H)mm
●重量:22kg


KATANA-Artist MkII HEAD + KATANA Cabinet 212 WAZA

KATANA-Artist MkII HEAD + KATANA Cabinet 212 WAZA正面
オープン・プライス(市場想定価格:HEAD/72,600円・Cabinet/79,200円)

シリーズ最高峰のコンビネーション

フラッグシップ・モデルであるKATANA-Artist MkIIと同様の機能を備えた100W出力のアンプ・ヘッドと、カスタム・メイドのWAZA Speakerを2基搭載したプレミアムなキャビネットによる、シリーズ最高峰のコンビネーション。

ヘッドは磨き上げられたトーンと多彩な機能を備え、大出力で大きなステージにも対応できるプロフェッショナルなモデルだ。8Ω×1と16Ω×2のスピーカー・アウトを備え、フル・スタックによるラウドなギター・サウンドも出力可能。

キャビネットはWAZA Speakerの極上サウンドを余裕を持って出力できる設計で、バック・パネルを開閉してサウンドを変化させることもできる。

KATANA-Artist MkII HEADコントロール
コントロール・パネルの構成はコンボ・タイプのKATANA-Artist MkⅡと同様で、“SOLO”ツマミや“CONTOUR”も配置されている。
マイキング・シミュレーションを切り替える“AIR FEEL”
ライン・アウトやUSBなどを利用した際のマイキング・シミュレーションを切り替える“AIR FEEL”を装備(他モデルはエディターが必要)。

ヘッドとキャビの相性が抜群です!

井戸沼尚也 ヘッドのアンプ・タイプをBROWNにして、キャビのバック・パネルをオープンにした時のディストーション・サウンドが素晴らしく、音のキレや奥行き、そして広がり方など、さすが最高峰と感じました。ラウドなロック・ギターが好きな方には最高の組み合わせと言えそうです。ヘッドとキャビの相性が抜群で、試奏ではほかのキャビも試してみましたが、このコンビの時は音が一歩前に出てくる感覚があったことも印象的でした。

こんなシーンにオススメ!

  • KATANAシリーズで最上位のサウンドを求める人。
  • 専用設計のWAZA Speakerを2基搭載したキャビネットとの組み合わせによる、シリーズ中で最もパワフルかつレンジの広がりのある響きが欲しい。
  • ヘッドのみ持ち運びつつ、キャビネットはスタジオやライブハウスの常設を利用する場合。

SPECIFICATION〈Head〉

●出力:100W
●コントロール:POWER CONTROL(STANDBY/0.5W/50W/100W)、CONTOUR、GLOBAL EQボタン、MASTER、PRESENCE、SOLO、TONE SETTING(CH1/CH2/CH3/CH4/PANEL)、BANKボタン、CAB RESONANCE【AMPLIFIER】AMP TYPE、VARIATIONボタン、GAIN、VOLUME【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【EFFECTS】BOOSTER、MOD、FX、DELAY、REVERB【バック・パネル】STEREO EXPANDスイッチ、AIR FEEL
●入出力端子:インプット、スピーカー・アウト(8Ω/16ΩA/16ΩB)、POWER AMP IN、LINE OUT、EFFECT LOOP(SEND、RETURN)、REC OUT/PHONES、FOOT CONTROL、GA-FC、AUX IN、USB、MIDI IN
●外形寸法:631(W)×246(D)×296(H)mm
●重量:12.4kg 〈Cabinet〉
●スピーカー:12インチ×2
●外形寸法:670(W)×300(D)×505(H)mm
●重量:24kg


KATANA-MINI

KATANA-MINI正面
オープン・プライス(市場想定価格:11,000円)

本格的サウンドが楽しめるミニ・アンプ

KATANAシリーズのサウンドを継承した、7W出力の小型アンプ。1.2kgと軽量で、電池駆動にも対応するので、野外にも手軽に持ち出して使うことができる。

CLEAN、CRUNCH、BROWNと3種のアンプ・タイプを搭載し、加えて一般的な3バンドEQ、テープ・エコー・タイプのDELAYを内蔵。ミニ・アンプとしては十分な機能であり、手軽に心地良い音を作り込むことができるだろう。

ほかにもPHONES/REC OUT端子や、オーディオ・プレイヤーを接続できるAUX IN端子を備え、小さいながらもアンプを使った演奏の楽しさを教えてくれる1台だ。

KATANA-MINIコントロール
小型アンプながら必要十分なコントロールを装備。クリーンからハイゲイン・リードまで直感的に音を作ることができる。
電池ソケット
電池が使えるため野外などでの使用にもピッタリ。駆動時間はアルカリ電池で7時間、ニッケル水素電池で9時間が目安だ。

しっかりと温かい音が出てくれる。

井戸沼尚也 これまでに多くのミニ・アンプを弾いた経験がありますが、その中でも他モデルを寄せ付けない本格的なサウンドを持っていますね。ミニ・アンプは構造上、中~低域が薄くて歪みも軽いものが多いですが、本機はしっかりと身が詰まった温かい音がして、歪みも深く設定できます。DELAYの音と使いやすさもこのクラスでは文句ナシ! ヘッドフォンを使えば深夜の練習にも最適。さすがKATANA直系、ワンランク上のミニ・アンプと言えそうです。

こんなシーンにオススメ!

  • KATANAシリーズならではの本格的サウンドを手軽に楽しみたい。
  • 気軽に使える卓上アンプとして。
  • 電源が確保できない環境でのポータブル・アンプとして。

SPECIFICATION

●出力:7W
●コントロール:VOLUME、GAIN、TYPEスイッチ(CLEAN/CRUNCH/BROWN)【EQ】BASS、MIDDLE、TREBLE【DELAY】TIME、LEVEL
●入出力端子:インプット、AUX IN端子、PHONES/REC OUT
●スピーカー:4インチ×1
●電源:ACアダプター、単三電池×6本
●外形寸法:230(W)×116(D)×181(H)mm
●重量:1.2kg

※KATANA-MINIではBOSS TONE CENTRALおよび、BOSS TONE STUDIO、BOSS TONE EXCHANGEは利用できません。


KATANA-AIR

KATANA-AIR
オープン・プライス(市場想定価格:44,000円)

KATANAが実現した完全なるワイヤレス

ケーブル類を一切接続しない“完全ワイヤレス”をコンセプトにした小型モデル。トランスミッターが付属し、ギターと本機だけでワイヤレス接続が完結する。

トランスミッターは1回の充電で最大12時間使用でき、アンプ本体のドックで充電が可能。本体の電源にはACアダプターも使えるが、完全ワイヤレスで運用したい場合は電池駆動(単三電池×8本)を利用しよう。

また、ワイヤレスのMIDIエクスプレッション・ペダル(EV-1-WL)とフット・スイッチ(FS-1-WL)もオプションで用意されており、Bluetoothでスマホと接続して音作りや音源再生ができたりと、従来では類を見ないほど徹底されたワイヤレス機能はギタリストに新しい体験をもたらしてくれる。

KATANA-AIRコントロール
アンプ・タイプ選択やEQ、各種エフェクト・コントロールのほか、Bluetoothの接続状況などもコンパクトにまとめられたパネル。
付属のトランスミッター、WL-T
付属トランスミッター(WL-T)には、演奏が一定時間行なわれないと自動でスタンバイ・モードになるセンサーが内蔵されている。

どこでも自由にギターを楽しめる!

井戸沼尚也 ワイヤレスの楽しさ、自由さが最大の魅力です。基本的には自宅使用を想定したモデルだと思いますが、ワイヤレスは一度使うとクセになりますね。アンプの設置場所や電源の確保、配線の手間が要らず、どこでも自由にギターを楽しめるのが最高! また、実はケーブルがないと演奏姿勢も楽になります。レイテンシーも全然気になりませんね。3インチ・スピーカー×2基ではありますが、音はしっかりとKATANAシリーズの一員で、想像以上に上質ですよ。

こんなシーンにオススメ!

  • 自宅練習をメインにワイヤレス演奏を楽しみたい。
  • スマートフォンと連携した音作りや音源再生を行ないたい。
  • DTM用の卓上アンプとして。
  • 電源が確保できない環境でのポータブル・アンプとして。
  • ギターを演奏しない際は高品位なモバイルBluetoothスピーカーとして活躍!

SPECIFICATION

●出力:30W(ACアダプター使用時)、20W(アルカリ乾電池使用時)
●コントロール:AMP TYPE、GAIN、VOLUME、BASS、MIDDLE、TREBLE、BST/MOD、DELAY/FX、REVERB、MASTER、TAP、TONE SETTING(CH A/CH B/PANEL)
●入出力端子:インプット、AUX IN、PHONES/REC OUT、トランスミッター入力、USB
●スピーカー:3インチ×2
●電源:ACアダプター、単三電池×8本
●外形寸法:350(W)×144(D)×181(H)mm
●重量:2.2kg
●付属品:トランスミッター(WL-T)、2P-3P変換器

試奏者:井戸沼尚也

いどぬま・なおや◎宮城県出身のギタリスト、ライター、レビュワー。数々の音源、ライブ、動画などで演奏し続けているが、最も知られている仕事は“デジマート地下実験室 室長”。現在、6畳の仕事部屋で16台のアンプと生息中。犬好き。

Presented by BOSS 製品に関する情報はローランド株式会社(https://roland.cm/contact)まで。

ギター・マガジン2023年5月号
『追悼 鮎川誠』

ギター・マガジン2023年5月号では、1月29日にこの世を去った日本のロックンロール界のシンボル、鮎川誠を特集。 本記事とあわせてチェック!