2023年9月に待望の来日公演を控えたコヴェット。今回はイヴェット・ヤングが使用しているギター、エフェクター、アンプを探っていこう。テクニカルなプレイが注目されがちな彼女だが、独特な機材チョイスもインパクト大だ。
文=伊藤雅景 写真=レコーディング・エンジニア提供
イヴェット・ヤングの使用ギター
Ibanez/YY10
イヴェットの好みを詰め込んだシグネチャー・モデル
イヴェットがメインで使用するギターは、アイバニーズから発売されたシグネチャー・モデル=YY10。鮮烈なスライム・グリーン・スパークルのボディ・カラーが印象的な1本だ。新作『catharsis』の音源で聴けるギター・サウンドはすべて本器によるもの。ピックアップはセイモア・ダンカン製Five-Twoを採用しており、タイトな低音とクリーミーな高音をバランス良く発音する。弦はダダリオのNYXLを使用。
また、オレンジ・クリーム・スパークルに彩られたTalmanシェイプのモデルも高頻度で使用。前述のYY10はメイプル指板だが、こちらはローズウッド指板を採用している。イヴェットのもう1つのシグネチャー・モデル=YY20とYY10との合いの子のようなスペックだ。
イヴェット・ヤングの使用エフェクター&アンプ
コヴェットのギター・メロディを彩る多数のコンパクト・エフェクター
大量のコンパクト・エフェクターを巧みに組み合わせ、エフェクティブで幻想的なサウンドを作り出すイヴェット。ストライモンやアースクエイカー・デバイセス、MXR、ウォルラス・オーディオといったUSAブランドから、Line 6やBOSSなどの日本製ペダルまで幅広くチョイスしている。
プレイの際はディレイ+リバーブ+コンプレッサーの3種類を常にかけているとのこと。特にアースクエイカー・デバイセスのThe Warden(コンプレッサー)とAvalanche Run(リバーブ&ディレイ)は、よく彼女のボードに組み込まれているのを確認できる。
基本となるボードの接続順は、チューナー→コンプレッサー→歪みペダル→ピッチ・シフター→モジュレーションの順だ。最新のエフェクター・ボードや使用機材は、彼女自身のインスタグラムで頻繁にアップされているのでぜひチェックしてほしい。
使用アンプはVOX製がメイン。インタビューの際には、AC10を自宅用、AC30はライブ&レコーディングで使用していると語っていた。
AC30のインプットはTOP BOOSTのHIGHをセレクト。ツマミ位置は、(NORMAL)VOLUME=16時、(TOP BOOST)VOLUME=9時、TREBLE=12時過ぎ、BASS=8時過ぎ、(REVERB)TONE=12時過ぎ、LEVEL=9時、(TREMOLO)SPEED=8時、DEPTH=8時、(MASTER)TONE CUT=8時、VOLUME=15時過ぎ。詳細は以下の動画(英語)の17:34〜で確認できる。
作品データ
『catharsis』
COVET
P-VINE RECORDS/PCD-25364/2023年4月21日リリース
―Track List―
- coronal
- firebird
- bronco
- vanquish
- interlude
- smolder
- merlin
- lovespell
―Guitarist―
イヴェット・ヤング