多彩なサウンドを操り、楽曲を鮮やかに演出するMrs. GREEN APPLEのギタリスト=若井滉斗。ここではアリーナ・ツアー「Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR 2023 “NOAH no HAKOBUNE”」のリハーサル現場で撮影した若井のサウンド・システムを解説していこう。カラフルな世界観を生み出す若井サウンドの裏側に迫る!
取材/文=伊藤雅景 写真=星野俊
ラック・システム&ペダル


【Equipment List】
①SHURE / UR4D+(ワイヤレス・システム)
②Kemper / Profiling Amplifier(アンプ・シミュレーター)
③FREE THE TONE / ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
④Wampler Pedals / Ego Compressor(コンプレッサー)
⑤strymon / TIMELINE(ディレイ)
⑥BOSS / RV-500(リバーブ)
⑦Vital Audio / POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ(パワー・サプライ)
⑧SYNERGY AMP / SYN5050(パワー・アンプ)
⑨Peterson / Strobo Stomp HD(チューナー)
⑩AMT ELECTRONICS / WH-1(ワウ)
まずはバック・ステージに置かれた、若井のラック・システムと足下のボードを見ていこう。サウンドメイクは、Kemperで行なうのが基本のスタイルだ。ギターからの信号の流れは以下のとおり。
ギター本体に取り付けられたワイヤレスの子機から①UR4D+へいき、そこからステージ上に置かれたボード内の⑨チューナー、⑩ワウを経由して、ラック内の③ARC-4へ。
③ARC-4には3台のペダル(④〜⑦)がループ接続され、再び②Kemperへと戻る。
②Kemperから、⑧SYN5050へいき、そこからスピーカー・ボックスへと続いてく。スピーカーをマイキングした音がPA卓へと送られていくのが、全体の信号の流れだ。
続いて、ラック内のそれぞれの機材を見ていこう。
②Kemper / Profiling Amplifier(アンプ・シミュレーター)

ライブでの基本となる音色はすべてKemperによるもの。クリーン・サウンドはマーシャルやMatchless、ドライブ・サウンドはDiezel、Mesa/Boogie、Soldanoなどのモデリングをおもに使用しているとのこと。
③FREE THE TONE / ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)

楽曲に合わせてKemperのプリセットなどをコントロールする、プログラマブル・スイッチャー(操作はテックが行なう)。筐体には、CLEAN、CRUNCH、DRIVE、SOLO、DIST、DRIVE+DLY、DRIVE+MODというラベルが貼られており、おもなサウンドはこの7種類のプリセットで構成されているのではないかと思われる。なお、ギターの信号は本機のHTS-INへ入力。
④〜⑦|各種ペダル&パワー・サプライ

ドロワーに収められた3台のペダルは、それぞれ③スイッチャーにループ接続されている。④Ego Compressorは音色のダイナミクスを整えるためのものだ。空間系マルチの⑤TIMELINEと⑥RV-500はMIDI接続はされておらず、テックが直接操作してプリセットを切り替えている。
⑦POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱは、8個の出力口すべてで500mA以上の供給が可能な、大容量のパワー・サプライだ。
⑧SYNERGY AMP / SYN5050(パワー・アンプ)

②Kemperとキャビネットの間には、こちらのパワー・アンプがかまされている。Kemperで作られたサウンドを、最終的に整えるという重要な役割だ。
スピーカー・ボックス
Rivera / Silent Sister

ラック・システムで作られたサウンドを最終的に出力するのが、このスピーカー・ボックス。内部には12インチのCelestion製G12Hが1発組み込まれている。スピーカー・ケーブルはBelden製Classic 14を線材に使用したテック特注のものだ。

こちらはスピーカー・ボックス内部の写真。Celestion製G12Hをマイキングしているのは2本のSennheiser製のダイナミック・マイク。左下がE609で、右上がMD421だ。この2本で集音したサウンドを組み合わせ、立体感のある音色を作り出している。この2本のマイクから、PA卓へと信号が送られる。

