ESPエンタテインメント東京 ギタークラフト科 × 鈴木重伸(THE ORAL CIGARETTES) 第3回:完成ギターのお披露目! ESPエンタテインメント東京 ギタークラフト科 × 鈴木重伸(THE ORAL CIGARETTES) 第3回:完成ギターのお披露目!

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ESPエンタテインメント東京 ギタークラフト科 × 鈴木重伸(THE ORAL CIGARETTES) 第3回:完成ギターのお披露目!

ギター製作に必要な技術を総合的に学ぶことができる専門学校“ESPエンタテインメント東京”。この連載では、本校のギタークラフト科の学生が、鈴木重伸(THE ORAL CIGARETTES)とコラボしたオリジナル・ギターを製作していく様子をお届けしてきた。最終回では、その完成ギターをお披露目! 学生たちへこれまでの製作を振り返ってもらいつつ、世界にたった1本のオリジナル・ギターを手にした感想を鈴木に聞いてみた。

取材・文:錦織文子 撮影:星野俊
※本記事はギター・マガジン2023年10月号に掲載された同名の記事を再編集したものです。
※上の写真の中央がゲスト・ギタリストの鈴木重伸氏、左が柿木幸之助さん、右が菱山陽向さん。

鈴木の求めた理想と学生の挑戦を形にした1本が完成

完成したギター(正面)
完成したギター(背面)

鈴木重伸オリジナル・モデル

【スペック】
●BODY:TOP/Flame Maple(15mm), BACK/Mahogany(35mm),CONTOUR/Rosewood
●NECK:Mahogany with Flame Maple Head Veneer
●FINGER BOARD:Ebony with Flame Maple Binding, Small Brock Inray(Mother of pearl)
●SCALE:624mm
●NUT:Bone
●FRET:214H/三晃製作所, 22fret
●PICKUP:(Neck)Smoggy Humbucker/Y.O.S.ギター工房, Bridge)Smoggy Humbucker/Y.O.S.ギター工房
●CONTROL:2Volume, 2Tone(front tone with Coil tap SW), Pickup selector
●TUNER:GOTOH SG301-04
●BRIDGE:FLICKER-Ⅲ/ESP
●COLOR:See Thru Black
●OTHER:Acanthus Head Inlay, Noise shielding cavity, ESP STRAP LOCK ESL-01/ESP

 本連載ではこれまで、鈴木が思い描くギターの仕様に関する打ち合わせを経て、学生たちが設計図を書き上げ、それをもとに進められた製作の工程をお届けしてきた。そしてついに、約3ヵ月という製作期間を経て、オリジナルのコラボ・ギターが完成! この日はそのお披露目だ。

 本器の完成形を見た鈴木は、まずそのルックスに注目。“ギター全体の見た目のバランスが考えられたデザインも凄いし、めちゃくちゃカッコ良い!”と驚いていた。中でも目を惹くのが、杢目を活かしたボディ・トップのシースルー・ブラックや、オリジナルのヘッド・インレイだろう。カッタウェイやボディ・サイドのローズウッドもクールな雰囲気をさらに加味している。

 実際に手に持ってみると、“普段僕が使っているレス・ポールのネック形状を計測してもらっているだけに、本当に遜色ないくらい弾きやすい。特にコード弾きの時には最高ですね”と弾き心地に対しても好印象を抱いていた。

ゲスト・ギタリストの鈴木重伸(THE ORAL CIGARETTES)

 機能面での大きな特徴は、プッシュ/プルでコイル・タップができるトーン・ノブ。演奏してみた鈴木は、“スムーズにコイル・タップできるか懸念はあったのですが、このノブはがっしり掴めて切り替えやすい。サウンドの切れ味は抜群で、特にハムバッカーのセンターはお気に入りですね。今頭の中でこのギターが合いそうな曲のイメージが浮かんできたので、早くライブで使ってみたい”と今後のステージで活用するシーンを想像していた。

 “「こういうギターって今までになかったよね」という要素をバランスよく実現してくれて、もう職人レベルですよね。LPタイプでアームを使用したいなどの難題をぶつけたと思うんですけど、細部の造りまで緻密に作業をして、これほどバランスよく再現してくれたのは本当に素晴らしい。たくさん弾きます!”と製作してきた学生たちへその喜びを伝えた。

 鈴木の手元に本器が渡り、 “自分の子供を育てるような気持ちで製作してきたので、感慨深いです(笑)”と学生たち。これまでの製作を振り返り、製作でのこだわりや挑戦を思い思いに話してくれた。最後に、“ライブやレコーディング、家でも使ったり、鈴木さんの音楽人生の一部になってくれるような1本になったら嬉しいです。製作してきた僕らとしてはこれ以上光栄なことはありません”と学生たちが鈴木へメッセージを送った。

 鈴木が求めた理想や、学生たちの挑戦を形にした1本が生まれた瞬間だった。

ライブ仕様を追求したオリジナルの1本が完成!

製作ギターに込めた思いを学生たちに聞いてみた!

ヘッドのアカンサス・インレイ
ヘッドに施された鮮やかな“アカンサス・インレイ”は、鈴木の発案から菱山さんがデザインしたオリジナル。パールの輝きやしなやかなデザインが美しく映え、本器のアイコン的なポイントに。“葉の部分などの細かなパーツの削り出しはかなり慎重に行ないました。デザインを考えるのも初めてでしたが、このギターを作る際に一番こだわったところです”と菱山さん。
ナットの溝を調整していく作業
柿木さんがこだわったのは、最終調整の際にナットの溝を調整していく作業。“アーム・ダウンした時にかかる摩擦によってチューニングがズレてしまう現象がよくあるので、溝の調整は丁寧に行ないました“とのこと。手を加えるたびにアーミングをし、音がズレていたらまた微調整するという作業をくり返していったそうだ。
ボディのアーチ・トップ形状を調整する作業
ボディのアーチ・トップ形状を調整する作業が一番の挑戦だったという菱山さん。ルーターでトップに段差を作ってから、やすりをかけていく工程は最も神経を注いだという。“特にアーチの外側に跳ねるような形状(返し)を手で調整していく作業には一番力を入れました。初めての作業で正直不安はあったのですが、鈴木さんに喜んでもらえて頑張った甲斐がありました”とのこと。
塗装作業
 柿木さんにとって大きな挑戦となったのは、見た目に直結する塗装作業。表のトップ材に施した黒のシースルーは、ヘッドとボディで色の差がないように注意しながら進めたそうだ。“作業前にサンプルを作成してみて、どの具合で杢目を見せるかを確認してから本番に取り掛かりました。ムラのないように目視で何度も確認しながら、色を吹き上げましたね”とのことで、見事にルックスに統一感を出している。

鈴木によるコラボ・ギターの演奏と学生たちの製作エピソードを動画で公開!

PRESENT

今回の鈴木とのコラボ・ギターで使われた貴重なフレイム・メイプル・トップの端材からできたキーホルダーを、抽選で50名様にプレゼント! 表面にはヘッドのアカンサス・インレイのデザインが刻印されている。

さっそく応募フォームにアクセスしてみよう! 

プレゼント抽選応募フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfEwxm2-Kto2REU_RpPb5nMbeqVEbMM2AGBAhO6hUbqMpECmg/viewform

*締め切りは2023年10月13日

鈴木重伸プロフィール

すずき・しげのぶ●1990年生まれ、奈良県出身。THE ORAL CIGARETTESのギタリストとして2014年にメジャー・デビュー。ヘヴィでグルーヴィな楽曲を彩るロックなギターが持ち味。最新シングルは「Enchant」。

学校法人イーエスピー学園 専門学校 ESPエンタテインメント東京