MR.BIGの最後の武道館で使用された3台のギター・アンプについて、ポール・ギルバートがコメントしてくれた。さらに、名曲「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」でお馴染み、電動ドリルの姿も激写!
取材=トミー・モリー 撮影=小原啓樹
Marshall 1959SLP
ポールが武道館で鳴らしたメイン・アンプ
ポール もう長年、ツアーのアンプは現地でレンタルしていて、僕がいつも使いたいと思っているのがこのマーシャルの1959SLPなんだよね。日本なら必ず手配してもらえるからありがたいよ。
ほかの国だと用意ができないことが多くてさ(笑)。JCM900なら手配可能なこともあるんだけど、あのアンプはクリーンなサウンドのために作られたアンプじゃないからね。
1959SLPにはインプットが2つあって、インプット1はかなりトレブリーなサウンドになってしまう。昔はこっち側で音作りをしていたけど、今では信じられないくらいだよ。今はインプット2をメインにしていて、こちらは暖かみがあって好きだ。トレブルやプレゼンスを上げても問題なく使えるサウンドになるよ。
Fender Twin Reverb/Roland JC-120
クリーンを担う2台のアンプ
ポール 1959SLPがレンタルできない場合も多いから、マーシャル以外に手配可能でクリーンなアンプという意味で、フェンダーのTwin ReverbとローランドのJC-120も借りるようにしている。この2台は代表的だし、大体どこでも手に入るからね。
常にこれら3台を使うようにしておけば、何か1つがハズレのアンプだったとしても上手くサウンドが作れるよ。Twin Reverbだったら、EQのツマミを大体5の辺りにしておけば問題ないしね。
今回はサウンドチェックで1959SLPがかなりグッドだったからあれをメインのサウンドにして、Twin Reverbは目の前に置いてモニターのように使った。JCの上に乗っかっているもう一台のTwin Reverbはバックアップだよ。
JC-120は少しばかりコーラスを効かせたサウンドにさせておき、メインに少しだけ混ぜることでステレオ感のあるサウンドを作っているよ。マーシャルが7割、JCが3割ってとこかな。
つまり、これら3台のアンプが常に同時に鳴っている状態ということだね。