ストレイテナーの結成25周年&メジャー・デビュー20周年を記念した日本武道館公演“25TH ANNIVERSARY ROCK BAND”が、2023年10月15日に開催された。今回は、ギタリストの大山純がそのステージで使用した機材を紹介しよう。まずは彼が近年愛用するフリーダムカスタムギターリサーチの3モデルから!
取材/文=伊藤雅景 写真=大谷鼓太郎
Freedom Custom Guitar Research/Retro JM “Mei”
多彩なサウンドを生み出す現在のメイン器
現在の大山のメイン・ギターは、フリーダムカスタムギターリサーチのRetro JMの仕様をもとに製作されたカスタム・モデル。武道館公演では全30曲中28曲で本器が使用された。
次に紹介する以前のメイン器はシングルコイルを搭載したJMタイプだったが、“バンドの楽曲にジャズマスター的な倍音が求められなくなってきた”ことを理由に、ハムバッカーを載せた本器をオーダーしたそう。
ライブではドライブ・サウンドが特に印象的で、「OWL」や「宇宙の夜 二人の朝」などで聴けるダーディなファズ・サウンドでも、音の芯がしっかりと残った輪郭の強いサウンドだった。
演奏中にはピックアップを適宜切り替えており、フロントはファットな音色の時に、センターはジャキジャキ感を演出する際や3人時代(2008年以前)の楽曲で頻繁に使用。リアはおもに「STNR Rock and Roll」(2019年)などの、ファジーなバッキングで重宝しているとのこと。
チューニングは半音下げにセッティングし、弦はエリクサーを使用。ちなみにボディ・カラーは大山の愛猫の毛色をイメージしたものだそうで、モデル名の“Mei”もその猫の名前が由来。
Freedom Custom Guitar Research/Original Custom Model
2016〜2022年頃にメインを務めた、レギュラー・チューニング専用ギター
2016年頃に完成したフリーダムカスタムギターリサーチのカスタム・オーダー・モデルは、大山が以前使用していたエルヴィス・コステロ・モデルのジャズマスターを採寸し、同じ形になるよう作られた1本だ。
ピックアップにはP-90をモチーフにしたフリーダムのオリジナル製品、F-90を2基搭載しており、本人曰く“ジャズマスター感は残しつつ、よりファットなサウンド”のギターになったとのこと。
現在はレギュラー・チューニングの楽曲用にセッティングされており、武道館公演では「冬の太陽」と「Silver Lining」でのみ使用。上述のRetro JMと比べてさらにエッジィなサウンドを奏でていた。また、弾いている途中でもボリューム・ノブを調整しており、それによって倍音を抑えたり柔らかな質感を足していたのが印象的だった。
Freedom Custom Guitar Research/RR Series Prototype
独特なシェイプが印象的なプロト・タイプ・モデル
フリーダムカスタムギターリサーチのレギュラー・ラインナップであるRR Seriesのプロト・タイプがこちら。同シリーズの開発中に大山がレンタルしていたもので、ボディ・シェイプやサウンドが気に入り、買い取ったそう。
今回はサブ・ギターとしてスタンバイしていたが、“ネックもボディも弾きやすいシェイプで、音も倍音が暴れすぎずにちょうど良いギター”だと語っており、今後の活躍が楽しみな1本だ。
本器を弾いている大山の姿は、「スパイラル」(2019年)のMVなどで見ることができる。
作品データ
『フォーピース』
ストレイテナー
ユニバーサル/TYCT-60217/8/2023年10月11日リリース
―Track List―
(DISC1 CD)
- Silver Lining
- 原色
- 叫ぶ星
- クラッシュ
- 冬の太陽
- Braver
- イノセント
- Toneless Twilight
- Sunny Suicide
- From Noon Till Dawn(feat.Tabu Zombie&Kunikazu Tanaka)
- Little Miss Weekend
- 羊の群れは丘を登る
- 吉祥寺
- 彩雲
- ETERNAL(FOR PEACE)※CDのみ収録
―Track List―
(DISC2 CD)
- 246
- タイムリープ
- プレアデス
- Ark
- DAY TO DAY
- Man-like Creatures
- Lightning
- シンクロ
- DONKEY BOOGIE DODO
- 瞬きをしない猫
- ネクサス
- シンデレラソング
- シーグラス
- スパイラル
- MARCH(FOUR PIECE)※CDのみ収録
―Guitarists―
ホリエアツシ、大山純