5年ぶりのニュー・アルバム『Rest In Punk』をリリースしたHEY-SMITH。バンドのフロントマンとして、スカのカッティングから重厚なヘヴィ・リフまでを自在に操り、楽曲を盛り立てる猪狩秀平の使用機材を見ていこう。
文/写真=福崎敬太
Igari’s Guitars
ESP/ORIGINAL MODEL
音が育ってきた、ライブの絶対的メイン
一般販売もされた、猪狩のオリジナル・モデル。販売時には本人が呼ぶ“エクスポール”から“EP”というモデル名がつけられた。トグル・スイッチはダミーで、ピックアップの選択はブリッジに近いノブのプッシュ/プルで行なう。ボディ・エンド側のコントロールはマスター・ボリューム。
改造などはしていないが、多くのライブをともにする中でサウンドが育ってきたようだ。“高音がキラキラし始めた。低音の存在はそのまま、高音も聴こえる、みたいな感じ”とのこと。
ESP/ORIGINAL MODEL #2
迷彩柄をまとったサブ器
弦が切れた時などのトラブル時のためにサブ器として控える、オリジナル・モデル第2弾。仕様はメインと同様だが、“全然違うものにしたかった”ということで迷彩ボディをチョイスした。サウンドは、メインが“キラキラし始める”前と同様、“まだ高音がパリパリしていて、ミドルが強い”そうだ。なお、使用弦はどちらもghsのCoated Boomersの.010-.052。
Igari’s Pedalboard
【Pedal List】
①One Control/Crocodile Tail Loop OC10(プログラマブル・スイッチャー)
②BOSS/DD-20(ディレイ)
③One Control/Granith Grey Booster(ブースター)
④BOSS/DD-20(ディレイ)
⑤One Control/Mosquito Blender Trail(ブレンダー)⑥BOSS/DM-2W(ディレイ)
⑦BOSS/FS-5U(フット・スイッチ)
⑧strymon/Zuma R300(パワーサプライ)
BOSSのディレイが3台並ぶ!
アンプのセンド/リターンにつなげられる、猪狩のライブ用ペダルボード。ステージ上ではテックが操作できるように配置され、本人の足下には後述するスイッチャーのスレイブ機と、ボリューム・ペダルが置かれているのみ。
アンプのセンドからスイッチャー①に入ると、②〜④がループに接続され、一度出力されたのち、ブレンダー⑤に入る。⑤のセンドから①のセパレート・ループに入り、そのセンドがディレイ⑥を経由して⑤のリターンへと戻っている。そして、アンプのリターンへは⑤のアウトから送られているようだ。
BOSSのディレイDD-20が2台あるが、楽曲ごとにディレイ・タイムやレベル、フィードバックの違うものをそれぞれプリセットしている。バンクの多い多機能ディレイを試したものの、音の良さから本モデルに戻ったそう。
もう1台の⑥は深めに掛かるアナログ・ディレイで、ダブの時だけディレイ2台掛けになるように別の系統で管理するようにしている。
ブースター③はソロの時などに踏む。色々試した中で、“余計に太くならず、ナチュラルに音量が上がってくれる”ということでチョイス。
作品データ
『Rest In Punk』
HEY-SMITH
ポニーキャニオン/PCCA.06231/2023年11月1日リリース
―Track List―
- Money Money
- Still Ska Punk
- Say My Name
- Fellowship Anthem
- Be The One
- Into The Soul
- Inside Of Me
- Be My Reason
- You Are The Best
- Don’t Wanna Lose You Again
- Rest In Punk
―Guitarist―
猪狩秀平