デレク・トラックスが2023年のテデスキ・トラックス・バンド来日公演で使用したギター デレク・トラックスが2023年のテデスキ・トラックス・バンド来日公演で使用したギター

デレク・トラックスが2023年のテデスキ・トラックス・バンド来日公演で使用したギター

2023年10月に東京ドーム・シティ・ホールで行なわれたテデスキ・トラックス・バンドの来日公演で、デレク・トラックスがステージに用意した3本のギターを紹介! メインSGの最新情報を確認しよう。

文=福崎敬太 撮影=小原啓樹 協力=トミー・モリー

Gibson Custom/Dickey Betts “From One Brother to Another” SG #4

Gibson Custom/Dickey Betts “From One Brother to Another” SG #4(前面)
Gibson Custom/Dickey Betts “From One Brother to Another” SG #4(背面)

ステッカー・ナンバードを搭載した愛器

ディッキー・ベッツがデュアン・オールマンに贈った1961〜62年製SGを再現した、ギブソン・カスタムのDickey Betts “From One Brother to Another” SG。デレクがメインとして使用する個体──“Artist Proof #4”は、デュアンの娘であるカラドリエルから贈られた1本だ。2023年10月の来日公演も、ほぼすべての楽曲が本器によって演奏された。

2019年にピックアップが純正のCustombuckerからクリームTピックアップスのSpot Replica Pickup Setに、その後TトップのナンバードPAFに変更された。そして現在は1962年製のステッカー・ナンバードPAFをセットで搭載している。

チューニングはオープンE。弦はDRのPure Bluesで、1弦から.11-.14-.17-.26-.36-.46。

ピックアップはステッカー・ナンバード
ピックアップはステッカー・ナンバード。リアのみカバーをはずしている。
ディッキー・ベッツ直筆の“Artist Proof #4”の文字
ディッキー・ベッツ直筆の“Artist Proof #4”の文字。
背面にはサム・ムーアのサイン
背面にはサム・ムーアのサインが描かれている。
ストラップ止めにはロング・ドッグ・カンパニーのStrap Guardを使用
ストラップ止めにはロング・ドッグ・カンパニーのStrap Guardを使用。

Gibson Custom/Dickey Betts “From One Brother to Another” SG #7

Gibson Custom/Dickey Betts “From One Brother to Another” SG #7(前面)
Gibson Custom/Dickey Betts “From One Brother to Another” SG #7(背面)

サブ器もナンバードPAFに変更

サブとして用意されていたメイン器と同モデル。シリアルは“Artist Proof #7”。こちらもステッカー・ナンバードPAFに交換されているが、メイン器とは違い1961年製のものを採用している。ボビン端の“スクエア・ウィンドウ”から覗くコイルが赤く見えるが、詳細は不明。

トラスロッドが“Les Paul”と印字されたビンテージ・スタイルのものになっていたり、ピックアップ・セレクターのスイッチ・チップが大きなメタル・チップに交換されていたりと、細かな変更も確認できる。チューニング及び使用弦はメインに同じ。

ヘッド裏のシリアルナンバー
ディッキー・ベッツ直筆のシリアルナンバーは“Artist Proof #7”。

1964 Gibson ES-335TD

1964 Gibson ES-335TD(前面)
1964 Gibson ES-335TD(背面)

ドロップDチューニング用に用意されたビンテージ

「Pasaquan」で使用されたギブソンの1964年製と思われるES-335。1弦&4〜6弦のペグをシャーラー製のクルーソン・タイプに交換している以外は、基本的にオリジナルの状態を保っている。なお、本器のみオープンDチューニングで、テンションを稼ぐためにDRのDDT(1弦から.11-.14-.17-.26-.36-.46)というドロップ・チューニングに特化して開発されたタイプを採用している。

ヘッド裏
ヘッド裏のシリアルナンバーは打ち直されているようだ。過去に盗品として売られた個体なのかもしれない。

Others

スライド・バーとカポ
スライド・バーはダンロップ製のシグネチャー・モデルでカポはシャブ製を使用。耳栓は急に必要になる際があるそうで、近くにスタンバイするようにしている。
弦
左がドロップDチューニングのES-335用で右がメインのSG用。