打首獄門同好会のヘヴィ・サウンドを生み出す、大澤敦史こだわりのラック・システム 打首獄門同好会のヘヴィ・サウンドを生み出す、大澤敦史こだわりのラック・システム

打首獄門同好会のヘヴィ・サウンドを生み出す、大澤敦史こだわりのラック・システム

リア・ハムバッカー1発のSAITO製7弦ギターでヘヴィ・サウンドを刻みながら歌う、打首獄門同好会のギター・ボーカル、大澤敦史。彼がライブで使用するサウンド・システムには、パフォーマンスを最大限にするための工夫が詰まっている。新作『ぼちぼちベテラン』のレコーディングでも使用した、ライブ用システムの全貌を見ていこう。

文=福崎敬太 写真=星野俊

独自システムの全体像から見ていこう

サウンド・システム全体
システム全体
ラック・システム
【ラック・システム】
①Free The Tone/FC-393(ルーティング・コントローラー)
②Positive Grid/Bias Rack(アンプ・シミュレーター)
③Positive Grid/Bias Rack(アンプ・シミュレーター)
ドロワー1
【ドロワー1】
④BECOS/CompIQ STELLA Pro Compressor(コンプレッサー)
⑤BECOS/Ziffer Overdrive(オーバードライブ)
⑥小川銀次プロデュース/Comp “The AIR”(コンプレッサー)
ドロワー2
【ドロワー2】
⑦BOSS/OC-5(オクターバー)
⑧TC Electronic/Hall of Fame(リバーブ)
⑨Mooer/Tone Capture GTR(プロファイラー)
⑩Mooer/Tone Capture GTR(プロファイラー)
ドロワー3
【ドロワー3】
⑪Two notes/Torpedo C.A.B. M +(キャビネット・シミュレーター)
⑫TC Electronic/Mimiq Mini Doubler(ダブラー)
⑬Two notes/Torpedo C.A.B. M +(キャビネット・シミュレーター)
足下
【足下】
⑭Sonic Research/ST-200(チューナー)

考え抜かれた3系統の出力

ギターから信号を受けたフリーザトーンのルーティング・コントローラー①で各種エフェクトを経由したのち、以下3系統の出力へと振り分けられる。

  1. Bias Rack②からキャビネット・シミュレーター⑪⑬を経由したPA用のライン・アウト
  2. PA用と同じ信号を持つステージ用モニターへのライン・アウト
  3. オクターバー⑦による1オクターブ上のドライ音をミックスしたイヤモニ用アウト

まずは概略図で信号ルートの全体像を把握してから、ルーティングを見ていこう。

システム概略図
※システムの信号順を簡略化して図式化。グレーで囲んだ部分は①で管理しているセクションだ。

なお、①のループ入出力と各ドロワーのエフェクトは、フリーザトーンのジャンクション・ボックス(JB-82S)を介して接続されている。

PA&ステージ・モニター用の信号経路(1&2)

ギターからルーティング・コントローラー①に入り、常時オンになるLOOP 0(④)、LOOP 1〜4(⑤⑥⑨⑩)までを経由し、アンプ・シミュレーター(②)へと入力される。

②のセンドから①のセパレート・ループへと戻り、LOOP 5(⑧/LOOP 7まであるが、現在は5のみを使用)を経由して、リターンへと戻る。

そして②のLアウトがキャビネット・シミュレーター⑪へ、Rアウトがダブラー⑫を通ってキャビネット・シミュレーター⑬へと送られる。

LRでキャビネットやマイク・シミュレートの種類を変え、ダブラーによって微妙なズレを生み出し、ツイン・ギターのような厚みを演出している。

なお、キャビネット&マイキング・シミュレートがなされたステレオ信号が2系統生み出され、片方はPA卓へ、もう一方はステージ上のパワード・スピーカーに入力される。

イヤー・モニター用の信号経路(3)

ルーティング・コントローラー①でLOOP 0を通った信号は、モニター用のエフェクト・ループでオクターバー⑦を経由する。ここで、1オクターブ上のドライ音を生成。そして、上述のウェット音がドライ音とミックスされ、イヤー・モニターに出力される。

なお、①のフロント・パネルで、イヤー・モニターの信号をドライ音のみに変更することも可能となっている。

これにより、歪んだ重低音だけでなく、高音のクリアなサウンドも返ってくるため、コード感が明瞭になり、ボーカルの音程が取りやすくなる。

使い方のポイント

Free The Tone/FC-393(ルーティング・コントローラー)

Free The Tone/FC-393

サウンド・システム全体を管理するコントローラーは、フリーザトーンの特注モデル。2インプットでスムーズにギターが交換できるほか、イヤー・モニター用のエフェクト・ループの装備、Bias Rackのチャンネル切り替え用の出力端子など、大澤のスタイルに合わせた様々な工夫が施されている。

L1〜4がBias Rackの前段、L5〜7がBias Rackのセンド/リターンで機能する構成だ。

Positive Grid/Bias Rack(アンプ・シミュレーター)

Positive Grid/Bias Rack

真空管モデルなどもカスタマイズ可能なアンプ・シミュレーターが、大澤サウンドの根幹を生み出している。上段がメインで下段はサブ機。ルーティング・コントローラーからは2台に信号が送られているため、トラブル時もすぐに対応ができるように組まれている。

基本となるクランチ&リード用と、クリーン用で設定を分けており、以下のモデルを採用している。

クランチ&リード用

PREAMPStandard
TONESTACKAmerican 5153
POWERAMPStandard
TRANSFORMERBritish Style
EQParametric

クリーン用

PREAMPStandard
TONESTACKBritish Crunch
POWERAMPStandard
TRANSFORMERAmerican Style
EQParametric

ドロワー1の各種ペダル

ドロワー1
④BECOS/CompIQ STELLA Pro Compressor(コンプレッサー)
⑤BECOS/Ziffer Overdrive(オーバードライブ)
⑥小川銀次プロデュース/Comp “The AIR”(コンプレッサー)

コンプレッサー④は先頭で常時掛けっぱなしとなる1台。ラック・エフェクトのように細かく作り込める1台を探し、ナチュラルなサウンドが気に入り導入。

アンプの手前で掛かるTS系のオーバードライブ⑤で、歪み感をプッシュ。“ミドル主義”を掲げる大澤にTS系は必須で、さらにドライ音がミックスできる本機をチョイスした。ドライ成分を少しだけ混ぜることで、削れた低域の補正をしている。

⑤の手前で掛かる⑥は、師匠である小川銀次がプロデュースしたコンプレッサー。ソロの時に音量をブーストさせる目的で使用する。サウンド面では別のペダルでも代替できるが、亡くなった師匠のモデルということで、おまじない的に入れておきたいという魂の1台だ。

ドロワー2の各種ペダル

ドロワー2
⑦BOSS/OC-5(オクターバー)
⑧TC Electronic/Hall of Fame(リバーブ)
⑨Mooer/Tone Capture GTR(プロファイラー)
⑩Mooer/Tone Capture GTR(プロファイラー)

オクターバー⑦は前述のとおり、イヤー・モニターへの出力用に、1オクターブ上のドライ音を生成している。

リバーブ⑧はBias Ampのセンド/リターンに接続されている。スプリング・リバーブをショートで軽く掛かる程度に設定。

ギターの特性をプロファイリングして再現する⑨⑩は、リア・ハムバッカーのみのメイン・ギター1本でライブを完結させるうえで重要なセクション。

⑨がクリーン用でSAITO Guitars/S-HL7のコイルタップしたフロント・ピックアップのサウンドを、⑩がクランチ用で同S-HL7のコイルタップしたリア・ピックアップのサウンドをシミュレートしている。

ドロワー3の各種ペダル

ドロワー3
⑪Two notes/Torpedo C.A.B. M +(キャビネット・シミュレーター)
⑫TC Electronic/Mimiq Mini Doubler(ダブラー)
⑬Two notes/Torpedo C.A.B. M +(キャビネット・シミュレーター)

Bias Rackからステレオで出力された信号は、LRチャンネルそれぞれでキャビネット&マイキング・シミュレートを行なう。

Rチャンネルにはダブラー⑫をオン。EFFECTをフル、DRYをゼロに設定し、タイム感の異なる信号を生成している。さらに⑪と⑬でキャビネットやマイクの種類、マイキングの角度や距離などを変えており、ツイン・ギターによるユニゾンのような厚みを演出している。

YAMAHA/DBR12(パワード・スピーカー)

YAMAHA/DBR12

ステージ・モニターにはヤマハのパワード・スピーカー、DBR12を使用。 キャビネット・シミュレートまで施した信号を忠実に再現するため、“なるべくフラットな特性のもの”として本機をチョイスしている。

打首獄門同好会 20!+39!=59! TOUR

日程/会場

  • 2024年1月11日(木)/東京 Zepp Haneda
  • 2024年1月16日(火)/徳島 club GRINDHOUSE
  • 2024年1月17日(水)/愛媛 松山WstudioRED
  • 2024年1月20日(土)/和歌山 SHELTER
  • 2024年1月21日(日)/奈良 EVANS CASTLE HALL
  • 2024年1月27日(土)/福岡 Zepp Fukuoka
  • 2024年1月30日(火)/宮崎 LAZARUS
  • 2024年1月31日(水)/大分 DRUM Be-0
  • 2024年2月3日(土)/島根 出雲APOLLO
  • 2024年2月4日(日)/鳥取 米子 AZTiC laughs
  • 2024年2月11日(日)/宮城 SENDAI GIGS
  • 2024年2月18日(日)/群馬 前橋DYVER
  • 2024年2月23日(金・祝)/茨城 水戸LIGHT HOUSE
  • 2024年4月5日(金)/長野 JUNK BOX
  • 2024年4月6日(土)/新潟 LOTS
  • 2024年4月9日(火)/北海道 小樽 GOLDSTONE
  • 2024年4月11日(木)/北海道 函館club COCOA
  • 2024年4月13日(土)/青森 Quarter
  • 2024年4月14日(日)/秋田 Club SWINDLE
  • 2024年5月14日(火)/滋賀 U☆STONE
  • 2024年5月15日(水)/岐阜 club-G
  • 2024年6月9日(日)/山口 周南RISING HALL
  • 2024年6月11日(火)/佐賀 GEILS
  • 2024年6月12日(水)/鹿児島 CAPARVO HALL
  • 2024年6月21日(金)/大阪 Zepp Osaka Bayside
  • 2024年6月29日(土)/福島 郡山HIPSHOT JAPAN
  • 2024年6月30日(日)/千葉 柏PALOOZA

※各地対バンあり

チケット代 5,900円(ドリンク代別)

※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細は打首獄門同好会公式HPをチェック!

打首獄門同好会公式HP https://www.uchikubi.com/schedule.html

作品データ

打首獄門同好会『ぼちぼちベテラン』

『ぼちぼちベテラン』
打首獄門同好会

LD&K Records/403-LDKCD/2024年1月3日リリース

―Track List―

  1. 20!+39!=59!
  2. フワフワプカプカ
  3. 少年よ、君に伝えたい事がある
  4. カンガルーはどこに行ったのか
  5. 死亡フラグを立てないで
  6. なぜ今日天気が悪い
  7. クッチャネ
  8. 部長ぷっちょどう?
  9. シュフノミチ
  10. もののわすれ
  11. 地味な生活 -SAMBA MAX EDITION-
  12. KOMEKOMEN

―Guitarist―

大澤敦史