イングヴェイ・マルムスティーンが来日公演で使用した、4本のストラトキャスター イングヴェイ・マルムスティーンが来日公演で使用した、4本のストラトキャスター

イングヴェイ・マルムスティーンが来日公演で使用した、4本のストラトキャスター

イングヴェイ・マルムスティーンのデビュー40周年を記念した来日公演が、2024年5月11日(土)にZepp DiverCity Tokyoで行なわれた。そのステージでイングヴェイが使用した4本のストラトキャスターをご紹介しよう。これら4本はほぼ同じスペックとのことだが、その使い分けとは!?

取材・文=原田右恭 機材撮影=星野俊 通訳=トミー・モリー

2006 Fender
Yngwie Malmsteen Stratocaster #2

2006 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #2(前面)
2006 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #2(背面)

ソロ・タイムで選ばれる1本

デビュー40周年を記念した来日公演、“Yngwie Malmsteen 40th Anniversary 2024 Japan Tour”のステージ上には、計4本のストラトキャスターが用意されていた。この4本すべてがメイン・ギターであるため、どれも演奏のフィーリングが同じになるよう調整されており、チューニングもすべて半音下げになっていた。

どれも見た目はほぼ同じだが、ギター・テックはボディ裏に貼られたピックのステッカーの番号でギターを識別しているそう。イングヴェイは4本を“その時の気分”で選んで演奏するという。ギター・テック曰く“ライブ中、急に「今から〇番を使うぞ!」と指示されるんだ”とのこと。

本器(#2)のシリアル・ナンバーは“SZ6003340”で、2006年のUSA製。この#2はライブ恒例の“ソロ・タイム”で使用されることが多いらしい。

ただし、イングヴェイのギターはネックとボディが別であることが多く、それぞれのシリアル/製造年が一致しているかは不明だ。

6弦ペグ付近の巻き数
本人は弦の全長についてこだわりがあるそう。弦の巻き数にこだわりはないらしいが、6弦は一般的な巻き数である2.5回になっていた。
ネック・プレート
アルバム『Fire & Ice』(92年)でも使用されたイングヴェイの象徴的なストラトキャスター、通称“ダック”は、3点留めのネック・ジョイントの個体だったが、近年はギターを投げるハードなパフォーマンスを考慮し、すべて4点留めの仕様となっている。今回の来日で“ダック”が披露されることはなかったが、近年の映像では“ダック”も4点留めに変更されていた。
側面から見たピックアップの高さ
ピックアップはリアが一番高く、センターが低めにセッティングされていた。
トレモロ・ユニットのフローティングは、アーム・アップをした際に1弦の音程が1音上がる高さにセッティングされている。

2007 Fender
Yngwie Malmsteen Stratocaster #3

2007 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #3(前面)
2007 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #3(背面)

#2 と双璧をなすメイン器

#3のネックのシリアル・ナンバーは“SZ6285583”で、2007年のUSA製。前述の#2と同様、ライブでは“ソロ・タイム”で使われる傾向にあるとのこと。ほかの3本はボディ裏のピック型のステッカーに番号が書かれているが、本器は白いテープに“3”と記入されている。

2007 Fender
Yngwie Malmsteen Stratocaster #7

2007 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #7(前面)
2007 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #7(背面)

赤いフェラーリ・ステッカーが目印

同じく2007年のUSA製である#7は、シリアル・ナンバー“SZ6285568”。イングヴェイがこよなく愛するフェラーリのステッカーがボディ・バックに大きく貼られた1本だ。ボディ裏のピック型ステッカーをよく見ると、数字の“7”がフェンダー・ロゴ風になっていた。

Fender Custom Shop
Yngwie Malmsteen Stratocaster #1

2007 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #1(前面)
2007 Fender/Yngwie Malmsteen Stratcaster #1(背面)

唯一のカスタムショップ製シグネチャー

この#1のみ、フェンダーカスタムショップ製。トラスロッド調整用のナットがヘッド側ではなくネック・エンド側にあるのが、ほかのUSAレギュラー・モデルとの大きな違い。また、現行のカスタムショップ製イングヴェイ・モデルのネック・プレートにはシリアルが記載されているが、本機のプレートにはそれがない。ハードなパフォーマンスに耐えるため、プレート交換を行なったのかもしれない。

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