【サブスク会員限定】有馬和樹(おとぎ話)が神田明神ホールでのワンマン・ライブで使用した機材 【サブスク会員限定】有馬和樹(おとぎ話)が神田明神ホールでのワンマン・ライブで使用した機材

【サブスク会員限定】有馬和樹(おとぎ話)が神田明神ホールでのワンマン・ライブで使用した機材

2年ぶりの新作『HELL』をリリースしたおとぎ話が、6月15日(土)に神田明神ホールでレコ発ワンマン・ライブを行なった。ここでは有馬和樹(vo,g)が使用した機材をご紹介。

取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊

ARIMAI’s Guitar

1965 Guild
Starfire Ⅲ

1965 Guild/Starfire Ⅲ(前面)
1965 Guild/Starfire Ⅲ(背面)

修理を経て生まれ変わったメイン・ギター

有馬のメイン・ギターは、2013年に石田長生から譲り受けたGuildの65年製Strafire Ⅲ。1960年から74年にかけて生産されていたフル・アコースティック・ボディ・モデルだ。ボディとネックはマホガニー、指板はローズウッドで、ピックアップはGuildのHB-1というハムバッカーが搭載されている。

以前からピッチが合わなかったり、ネックがガタついていたりと多くの問題を抱えていたため、『HELL』のレコーディング後、2023年末にL’s TRUSTにて大規模な修理が行なわれた。最も大きな手術としては、トラスロッドが限界まで回りきっていたため、一度指板を剥がして新たなトラスロッドを仕込んだとのこと。そのおかげもあり、現在は“かなり弾くやすくなった”と語る。この日のライブでは一度もギターを交換せず、本器のみで演奏しきっていた。有馬はリア・ピックアップを使用。弦はD’AddarioのRegular Light(.010〜.046)を愛用している。

新たに仕込んだトラスロッド。
新たに仕込んだトラスロッド。
アルミニウム・ブリッジが採用されている。弦高は低めにセッティング。
アルミニウム・ブリッジが採用されている。弦高は低めにセッティング。

ARIMA’s Pedalboard

有馬のペダルボード。

音の壁を生み出す2つのボード

【Pedal List】
①BOSS / TU-3(チューナー)
②MXR / Micro Amp(ブースター)
③Death By Audio / INTERSTELLAR OVERDRIVER(オーバードライブ)
④J. Rockett Audio Designs / Archer Ikon(オーバードライブ)
⑤Electro-Harmonix / Soul Food(オーバードライブ)
⑥Electro-Harmonix / OP-Amp Big Muff(ファズ)
⑦Death By Audio / APOCALYPSE(ファズ)
⑧Death By Audio / FUZZ WAR(ファズ)
⑨Demeter Amplification / Tremulator(トレモロ)
⑩MXR / Carbon Copy(ディレイ)
⑪Death By Audio / REVERBERATION MACHINE(リバーブ)
⑫BOSS / RV-5(リバーブ)
⑬VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ(パワーサプライ)
⑭VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ(パワーサプライ)

ギターからの接続順は①〜⑫の番号順で、⑫RV-5の2つのアウトから2台のアンプに接続されている。

⑫RV-5はSPRINGモードで、すべてのツマミを12時にセットして常時オン。有馬は本機を10年以上も愛用しており、癖のないサウンドを気に入っているそうだ。

メインの歪みは⑤Soul Foodで、②Micro Amp、③INTERSTELLAR OVERDRIVER、④Archer Ikonは⑤Soul Foodのゲイン・ブースターとして使用。そのため、②〜④の3台は単体で踏むことはないという。

③INTERSTELLAR OVERDRIVERは歪み成分を増やしたい時に、②Micro Ampは優しい音にしたい時に、④Archer Ikonはサステインを伸ばしたい時にオンに。例えば「DEAR」では④Archer Ikonを踏んでいるとのこと。

右側のボード。

ファズが3台置かれているが、メインのファズは⑦APOCALYPSE。本機は使っている人があまりいないため、有馬は自分のシグネチャー・サウンドのような感じで気に入っているとのこと。モードはロータリー・スイッチ真ん中のDual J-FETモードにセッティング。ライブ中、スマッシング・パンプキンズのようなサウンドを出したい時は⑦APOCALYPSEの代わりに⑥OP-Amp Big Muffを使うこともあるという。⑥OP-Amp Big MuffのSUSTAINツマミはMAXに設定されていた。

⑧FUZZ WARは「COSMOS」のアウトロでしか踏んでいないとのこと。ちなみに「COSMOS」のアウトロでは、②Micro Amp、④Archer Ikon、⑤Soul Food、⑦APOCALYPSE、⑩Carbon Copy、⑪REVERBERATION MACHINE、⑫RV-5の7台を同時に踏んでいる。

左側のボード。

⑨Tremulatorは神田明神ホールのライブでは未使用だが、普段は「HOMEWORK」のイントロや「綺麗」で使用。⑩Carbon Copyはショート・ディレイにセッティングし、サイケデリックな要素が欲しい時にオンにする。「COSMOS」では⑩Carbon Copyを1曲丸ごと踏んでおり、有馬曰く“これは雨降らし成分”とのこと。

⑪REVERBERATION MACHINEは“凶悪な音だからあんまり踏まないけど、かましたい時用のリバーブ”と語る。「HOMEWORK」の歌裏では、②Micro Amp、③INTERSTELLAR OVERDRIVER、⑤Soul Food、⑪REVERBERATION MACHINE、⑫RV-5の5台をオンに。

新作『HELL』の楽曲をライブで演奏する際は②〜⑤の歪み/ブースターと⑫RV-5のみで完結できるそうで、「恋は水色」のイントロだけで⑦APOCALYPSEを踏んでいるという。有馬は今後ボードをブラッシュアップしたいと考えているため、今回のツアーがこのボードを使用する最後になるかもしれない。

ARIMA’s Amplifiers

Fender/’65 Super Reverb
・Music Man/210 Sixty-Five

2台のアンプをセット。

ミドルとローの役割分担

ライブではフェンダーの’65 Super Reverb(左)とMusic Manの210 Sixty-Five(右)の2台をセット。

’65 Super Reverbは45W出力、10インチ・スピーカーが4発搭載されたリイシュー・モデル。もともと牛尾が2010年頃に購入したものだったが、サウンドの相性を考慮し、その後、有馬が使用するようになった。VIBRATO ch.の1にインプットし、BRIGHTスイッチはオフ。各ツマミはVOLUMEが3、TRERLEが4、MIDDLEが3、BASSが6にセッティングされていた。リバーブとトレモロは未使用。本器は中域が抜けてくる特徴があるという。

Fender/’65 Super Reverb
Fender/’65 Super Reverb

210 Sixty-Fiveは65W出力で10インチ・スピーカーを2発搭載し、パワー部はEL34、プリ部はトランジスタが搭載されたハイブリッド・モデル。2019年頃に牛尾が知り合いのギタリストから譲り受けたものだ。右側のチャンネルのINPUT 1を使用し、DEEPスイッチをオン。各ツマミはVOLUMEが2、TREBLEが3、MIDDLEが5、BASSが7、MASTERが10にセッティングされていた。リバーブとトレモロは未使用。’65 Super Reverbで中域を出しているため、本機でローを補っているとのこと。

Music Man/210 Sixty-Five
Music Man/210 Sixty-Five

まじ、HELL!

2024年6月15日(土)
神田明神ホール

【Setlist】
01. 恋は水色
02. MARY
03. ネオンBOYS
04. TEENAGE KIXX
05. 美
06. ね。
07. ふしぎソング
08. I♡PIG
09. HOMEWORK
10. 少年
11. 闇堕ち
12. DEAR
13. 絵画
14. NIGHTSWIMMING
15. 繊細
16. AURORA
17. です愛
18. 正義の味方
19. 光の涙
20. COSMOS

-Encore-
21. Boys don’t cry
22. GALAXY
23. SMILE
24. FUN CLUB

作品データ

『HELL』
おとぎ話

felicity
MARY-001 / felicity cap-372
2024年5月29日リリース

―Track List―

01.恋は水色
02.MARY
03.美
04.ね。
05.I♡PIG
06.闇落ち
07.絵画
08.繊細
09.です愛
10.正義の味方

―Guitarists―

有馬和樹、牛尾健太