菊地英昭(THE YELLOW MONKEY)が新作『Sparkle X』と東京ドーム公演で使用した、5本のギター 菊地英昭(THE YELLOW MONKEY)が新作『Sparkle X』と東京ドーム公演で使用した、5本のギター

菊地英昭(THE YELLOW MONKEY)が新作『Sparkle X』と東京ドーム公演で使用した、5本のギター

5年ぶりにリリースされたTHE YELLOW MONKEYの10枚目のアルバム『Sparkle X』。ギタリストの菊地英昭が本作のレコーディングと、4月27日(土)に行なわれた東京ドーム公演『SUPER BIG EGG 2024 “SHINE ON”』で使用した5本のギターを紹介しよう。

取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊

菊地英昭

EMMA’s Guitars

1959 Gibson
Les Paul Custom with Bigsby B7

1959 Gibson/Les Paul Custom with Bigsby B7(前面)
1959 Gibson/Les Paul Custom with Bigsby B7(背面)

再集結後のメイン・ギター

2016年、THE YELLOW MONKEY再集結の直前に手に入れたというファクトリー・ビグスビー搭載の59年製レス・ポール・カスタム。菊地はセンター・ピックアップを使用しないため配線がはずされており、ピックアップ・セレクターのセンター・ポジションではフロント&リアのミックスの音が出力されるように改造されている。音の立ち上がりの速さや抜けの良さを気に入っており、“オールマイティなギター”とのこと。『SUPER BIG EGG 2024 “SHINE ON”』では使用されなかったが、新作『Sparkle X』のレコーディングでは多用したという。

センター・ピックアップは配線がはずされている。
センター・ピックアップは配線がはずされている。

1958 Gibson
Les Paul Custom

1958 Gibson/Les Paul Custom(前面)
1958 Gibson/Les Paul Custom(背面)

東京ドームで活躍したストップ・テイルピースの1本

59年製レス・ポール・カスタムのサブとして、こちらもTHE YELLOW MONKEY再集結の直前に手に入れた58年製レス・ポール・カスタム。ストップ・テイルピース仕様のため、ビグスビーが搭載された59年製と比べるとサステインがあり太い音がするとのことで、ハードロック調の楽曲と相性が良いと語る。共振防止のためか、撮影時にはピックガードに黒いテープが貼られていた。今回の東京ドームでのライブでは「バラ色の日々」、「SHINE ON」、「アバンギャルドで行こうよ」、「ALRIGHT」、「悲しきASIAN BOY」で登場。

ピックガードに貼られたテープ。
ピックガードに貼られたテープ。

SUPER BIG EGG 2024 “SHINE ON”での使用楽曲

  • 「バラ色の日々」
  • 「SHINE ON」
  • 「アバンギャルドで行こうよ」
  • 「ALRIGHT」
  • 「悲しきASIAN BOY」

1965 Gibson
SG Standard

1965 Gibson/SG Standard(前面)

brainchild’sで多用される、歌と馴染むSG

今回の東京ドームでのライブでは「楽園」と「SPARK」で登場した65年製SGスタンダード。本器も2018年頃に入手したものだ。ペルハム・ブルーは60年代当時にリフィニッシュされたもので、ボディやヘッドにはクラックがびっしりと入っていた。また、以前の持ち主によってストラップ・テイルピースが搭載されていたと思われ、スタッドの穴が埋められているのが確認できる。サウンドに関しては“ミドルが出ていて重心が低い音がするけど、ローはスッキリしている”とのこと。本器はbrainchild’sで多用しており、歌と馴染みが良いという。

SUPER BIG EGG 2024 “SHINE ON”での使用楽曲

  • 「楽園」
  • 「SPARK」

Bizen Works
BURNED EXP

Bizen Works/BURNED EXP(前面)
Bizen Works/BURNED EXP(背面)

愛知県の工房が製作するハンドメイド・ギター

愛知県に工房を構える、Bizen Worksが製作したエクスプローラー・タイプ。本器はメーカーから中古として販売されていたもので、それを見つけた菊地が購入。曰く“凄く出来が良い。ピックアップも良いし、特にピッチ感がビンテージと比べると圧倒的に良いのでライブで使いやすいんです。サウンドはミドルが立っていてサステインが長い。ソロを弾いた時に安定感がある”とのこと。東京ドームでのライブでは「Romantist Taste」、「Tactics」、「人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)」、「SUCK OF LIFE」、「LOVE LOVE SHOW」で使用された。

ボディ側面にPick GripsのPGL100が貼られており、そこにピックをセット。
ボディ側面にPick GripsのPGL100が貼られており、そこにピックをセット。

SUPER BIG EGG 2024 “SHINE ON”での使用楽曲

  • 「Romantist Taste」
  • 「Tactics」
  • 「人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)」
  • 「SUCK OF LIFE」
  • 「LOVE LOVE SHOW」

2018 Sadowsky NYC
Electric Guts

2018 Sadowsky NYC/Electric Guts(前面)
2018 Sadowsky NYC/Electric Guts(背面)

プレイアビリティに優れたエレ・ガット

『Sparkle X』のレコーディングでは「Exhaust」のバッキングで使用された、2018年製と思われるSadowsky NYCのエレクトリック・ガット・ギター。以前、brainchild’sでエレ・ガットが必要になった際に購入したものだ。ボディはフレイム・メイプル・トップ、チェンバード・マホガニー・バックという材構成。Barbera Transducers製のピックアップとSadowskyのカスタム・プリアンプが搭載されている。菊地は“めちゃくちゃ弾くやすくて、エレキ・ギターから持ち替えても違和感なく弾けます。音の粒立ちやピッチも良い”とコメント。

ギター・マガジン2024年8月号
カッティング“超”至上主義 featuring コリー・ウォン

7月12日(金)発売のギター・マガジン2024年8月号では、菊地英昭の『Sparkle X』アルバム・インタビューを掲載!

作品データ

『Sparkle X』
THE YELLOW MONKEY

ワーナーミュージック・ジャパン
WPCL-13560(通常版)
2024年5月29日リリース

―Track List―

01.SHINE ON
02.罠
03.ホテルニュートリノ
04.透明Passenger
05.Exhaust
06.ドライフルーツ
07.Beaver
08.ソナタの暗闇
09.ラプソディ
10.Make Over
11.復活の日

―Guitarist―

菊地英昭