聖飢魔Ⅱの創始者であるダミアン浜田陛下が魔暦22(2020)年に結成したヘヴィメタル・バンド、Damian Hamada’s Creatures(以下、D.H.C.)。魔暦25(2023)年に開催されたオーディションを勝ち抜き、D.H.C.のメンバーとなったギタリストがアックスKAZUMAである。本記事では、魔暦26(2024)年6月8日(土)のZepp Shinjuku公演でアックスKAZUMAが使用した機材を紹介する。
取材・文=原田右恭 人物撮影=山田晋也 機材撮影=星野俊
Axe KAZUMA’s Guitars
ESP
M-SEVEN Black
ボディに貼られたKAZUMAマークがポイント
KAZUMAのメイン・ギターは、2023年に入手したESPのM-SEVEN。ESPのオリジナル・シリーズの中で唯一666mmスケールを採用したモデルで、独特なテンション感が得られるのが特徴だ。ネックと指板はハード・メイプルが採用されており、KAZUMA曰く“メイプル・ネックならではのパキッとしたきらびやかなサウンドが非常に気に入っています”とのこと。改造点は特にないが、ボディに貼られているKAZUMAマークがチャーム・ポイントだという。
E-II
M-II 7NT HS SM
サブとして用意された1本
サブとして用意されていたのは、2024年に入手したという本器。ボディ材に使われているスポルテッド・メイプルの杢目と、リバース・ヘッドによるシブい見た目が気に入っているという。当初はメインであるM-SEVENにトラブルが起こらない限りは使用する予定のなかったそうだが、リハーサルで使用してみたところメイン器とは違った深いサウンドが得られたため、「魔界美術館」などの数曲で使用された。
Axe KAZUMA’s Rack System
高崎晃をリスペクトしたラック・システム
【Rack List】
①Samson / UR-5D(ワイヤレス受信機)
②ISP Technologies / DECIMATOR Ⅱ G STRING PEDAL(ノイズ・リダクション)
③Marshall / JMP-1(プリアンプ)
④TC Electronic / G-Major (マルチ・エフェクター)
⑤Marshall / 9200(パワー・アンプ)
KAZUMAのラック・システム。ギターからの信号は①UR-5Dを通り、足下のペダルボードへ送られる。その後、ラック・システムに戻ってくるというのが大きな流れだ。
KAZUMAのメイン・アンプは、③JMP-1と⑤9200の組み合わせ。高崎晃(LOUDNESS)が導入していることで知られる2台だ。KAZUMA曰く“ギターを始めるきっかけとなった高崎晃さんの影響が非常に大きいです。JMP-1でしか出せない、きらびやかでハード・ロックなサウンドが大好きで、これ以外考えられません”とのこと。キャビネットは1960Bを使用。
②DECIMATORはツアー・テックから借りているもの。原音の良さを殺さず、キレイにノイズをカットしてくれるところを気に入って導入を決めたようだ。④G-Majorは③JMP-1とMIDI接続されている。空間系のサウンドを担っており、「天空の放浪神」などで使用された。
Axe KAZUMA’s Pedalboard
ブースターはSYUのハンドメイド・ペダル
【Pedal List】
⑥TC Electronic / Polytune 3(チューナー)
⑦Providence / VZW-1 VITALIZER WV(バッファー)
⑧Jim Dunlop / AT95 Akira Takasaki Signature Wah(ワウ)
⑨MusicomLAB / EFX LITE 62M(プログラマブル・スイッチャー)
⑩Handmade / Over Drive(オーバー・ドライブ)
⑪DigTech / Drop(ピッチシフター)
ペダルボードを見ていこう。ギターからの信号は⑥Polytune 3に入り、⑦VZW-1と⑧AT95を経由して⑨EFX LITE 62Mにイン。⑨EFX LITE 62Mのアウトからラックの上に置かれた②DECIMATORを経由し、③JMP-1に接続されている。
⑨EFX LITE 62Mのループには⑩Over Driveと⑪Dropがそれぞれ接続されているが、⑪Dropは今回のライブでは未使用。
高崎晃のシグネチャー・モデルである⑧AT95は、スイッチ・レスで操作できる部分が気に入っているとのこと。⑩Over DriveはSYU(GALNERYUS)製作したオーバードライブで、SYUから借りているという。サウンド・キャラクターについては“アンプで作った音に対して、ゲインを低めにしてかけると音が抜けて、めちゃくちゃ前に出ていく”とコメント。