フェンダーカスタムショップで夢の1本をオーダーしてみよう! フェンダーカスタムショップで夢の1本をオーダーしてみよう!

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フェンダーカスタムショップで夢の1本をオーダーしてみよう!

フェンダーの最高峰であるカスタムショップに、カスタム・オーダーできることはご存じだろうか。

昨年6月、東京・原宿にオープンした世界初のフェンダー旗艦店FENDER FLAGSHIP TOKYOのカスタムショップ専用フロアには、カスタムオーダーを受け付けるための部屋がある。

ここには様々な見本やパーツが揃っており、世界でもこうした専用ルームがあるのはアメリカのコロナ工場とここだけ。しかも、コロナ工場はアーティスト対応が中心なので、専門のスタッフと相談しながら一般ユーザーがカスタムオーダーできるのは実質的に世界中でここだけとなる。そうした情報を聞きつけて、遠く海外から訪れる人もいるという。

今回はシミュレーションではあるが、本誌の坂口編集長がカウンセリングを実体験。オーダーの流れを紹介するとともに、その模様をお伝えしよう。

取材・文:関口真一郎 撮影:鈴木千佳 デザイン:須藤廣高
Presented by Fender Musical Instruments Corporation
*本記事は、ギター・マガジン2024年9月号の「フェンダーカスタムショップで夢の1本をオーダーしてみよう!」を再構成したものです。

カスタムショップ専用フロアのロビー
▲FENDER FLAGSHIP TOKYO最上階の3階にあるカスタムショップ専用フロアのロビー。右奥の部屋がカスタム・オーダー用の専用ルームだ。
カスタムオーダー専用ルーム
▲カスタム・オーダー専用ルーム。

1:ビルト・レベルとベースとなるモデルを選ぶ

 カスタム・オーダーの際は、カスタムショップ専門のスタッフが丁寧にカウンセリングしてくれる。まずはビルトの種類とベースとなるモデルを選ぶところからスタートだ。

 ビルトの種類は、マスタービルダーが手がける“マスタービルト”と、カスタムショップの職人チームによって作り出される“カスタムビルト”の2種類。マスタービルトは1人の職人が手がけるため納期が長く、予算も高めになる傾向があるが、セット・ネックやダブル・ネックなど、マスタービルトでしか選べないオプションもある。

 編集長はビンテージ・スタイルのストラトキャスターを念頭に置きながら、デザイン・ガイドの小冊子を眺めていく。スタッフにストラトの初年度である1954年のモデルがないことを伝えると、西暦の末尾が“4”のアニバーサリー・イヤーだけ製作する決まりになっているので、そこには載っていないという。

 しかし、今年はまさに末尾が“4”の2024年。今年ならオーダーが可能で、この機会を逃すと次は10年後になると聞くと、すかさず、“ぜひ、初年度モデルでお願いします!”と編集長。

カウンセリングの様子
▲柔らかなクッションを張った大きなローテーブルの上に、様々な見本を乗せながら、少しずつ完成イメージを膨らませていく。

2:材やネック、エイジド加工を選ぶ

 続いては材やネック、エイジド加工のセレクト。部屋の壁だけでなく、チェストの引き出しの中にも様々なグリップのネックや、エイジド加工を施したネックが収められている。

 ネックはギターの設計の肝となる部分なので、ここは特に慎重に決めたいところ。“ネック裏の塗装が剥がれたようなレリック加工はできますか?”と編集長が尋ねると、もちろんできますとのこと。

 グリップも色々と選択できるが、弾き心地もビンテージ・テイストにしたいということで、7.25インチRの60年代Cシェイプをチョイス。ボディ材は1954年製と同じアッシュが選ばれた。

ネックの見本
▲チェストの引き出しの中にはネックの見本がズラリ。レリック加工を施したものや、フレット違いのネック見本が色々と揃っている。
トーンウッドの見本
▲トーンウッドの選択も重要なポイント。シースルー・フィニッシュなら、杢の模様にもこだわりたい。
ネック、レリック加工、トーンウッドの見本
▲壁にも様々なタイプのネックやレリック加工の見本、トーンウッドの板などが並んでいる。

3:カラーを選ぶ

 デザイン・ガイドには100種以上のカラー・チャートが載っており、これだけでもかなりの選択肢になるが、せっかくなら世界でただ1つのオリジナル・カラーを作ってみたいもの。ただ注意点として、フェンダーの特定のモデルに使われることが決められているカスタム・カラーは選ぶことができない。

 紙に印刷された色味と、実際に塗装された色味では、印象が異なることもあるため、指定の色で塗装した見本板を送ってもらうこともできる。ただし、手間がかかる分、そのオプション料金は高めに設定されているのだが、仕上がり時に後悔しないためにも、こだわりたい人は検討してみるといいだろう。

 今回のオーダーでは青みがかった緑のシャーウッド・グリーン・メタリックを選択した。

ボディの形にカットして塗装を施したプレート材
▲ボディの形にカットして塗装を施したプレート材を用意。この上にピックガードを重ねたりしながら、色のバランスを考えていく。
カラー・フィニッシュの見本
▲壁にレイアウトされたカラー・フィニッシュの見本。レッド、オレンジ、ブルー、イエロー、ラメ入りなど、色とりどりのものが並んでいる。

4:ピックアップやサーキットを選ぶ

 実際に取り付けてみないと、その音の特性がわからないというのが、ピックアップ選びの難しいところ。

 しかし、ここには様々なピックアップやサーキットをあらかじめ取り付けたピックガードが何枚もあり、それらを簡単に差し替えられる試奏用ギターが用意されている。アンプもあるので、自由に音出しをしながら、じっくりとそれぞれの違いが確かめられるのだ。

 さらに既成のモデルだけでなく、好みの仕様で製作してもらうことも可能。

 今回は贅沢に、マスタービルト・モデルのピックアップを手がけるピックアップ・マスター、ホセフィーナ・カンポスによる54スタイルのハンドワウンド・モデルを選んだ。

さまざまなピックアップ
▲陳列ケースにはビンテージ・タイプからモダンなものまで、様々なピックアップが並んでいる。
試奏用のピックガード・ユニット
▲ピックアップやサーキットを載せた試奏用のピックガード・ユニットが引き出しにズラリ。
ピックアップ&サーキット試奏用のギター
▲こちらがピックアップ&サーキット試奏用のギター。ピックアップとサーキットを取り付けたピックガードをこのように簡単に交換できるようになっている。

5:パーツやピックガードを選ぶ

 最後はアクセサリーの選択。チェストの引き出しの中には様々なデザインのパーツが収められており、それらを眺めているだけでも楽しくなる。各年代のオリジナル仕様にこだわるのもよし、あえてオリジナル仕様と変えて、個性を持たせてみるのもいいだろう。

 編集長はせっかくだからと、華やかなゴールド・パーツを選択した。

さまざまなトレモロ・ユニット
▲トレモロ・ユニットも様々。スタンダードなブリッジのほか、ストラトキャスター用にはハードテイル・ブリッジもある。
コントロール・ノブを収めた引き出し
▲コントロール・ノブを収めた引き出し。一般的なホワイトのほか、ビンテージ・ホワイト、ブラックなど、様々な形やカラーが用意されている。54スタイルでは、ショート・スカート・ノブが選択可能。
さまざまなピックガード
▲ピックガードも色々。ホワイト、ブラック、パーロイド、アノダイズド・ゴールドなど、手に取って見比べることができる。

6:オーダー・シートが完成!

 ひととおりスペックが埋まったら、一旦見積もりを出してもらう。自分の予算と照らし合わせながらスペックを見直し、仕様が決まれば契約となる。

オーダー・シート
▲今回のカウンセリング・シミュレーションで作成したオーダー・シート。ポール・ウォーラーによるマスタービルトで、1954年製ストラトキャスターがベース・モデル。ハードテイル仕様で、マッチング・ヘッドとなっている。かなり豪華な仕様だ。

 気になる予算だが、最もシンプルな仕様なら、70万円台からオーダーが可能(2024年7月時点)。カウンセリングは無料で、時間枠は90分。完全予約制で、本ページ下のURLで予約を受け付けている。

 オーダー時に参照するデザイン・ガイド(英語版のみ)はフェンダーUSAのホームページからダウンロードできるので、事前にどのような選択肢があるのか目を通しておくと、カウンセリング時間を有効に活用できるだろう。

 自分だけの夢のギターをフェンダーカスタムショップにオーダーする至高の体験。真にプレミアムな1本を手に入れたい人は、ぜひ訪問予約をしてみよう。

FENDER FLAGSHIP TOKYO

  • 所在地:東京都渋谷区神宮前1-8-10
  • 営業時間:11:00~20:00(年中無休/年末年始を除く)

ギター・マガジン2024年9月号
『全ギタリスト必修科目 教養としてのストラト学』
2024年8月9日(金)