2024年10月に、NOFX、ランシド、バッド・レリジョンなど、パンク・ロック黄金時代の名曲をカバーしたアルバム『The Golden Age Of Punk Rock』をリリースしたKen Yokoyama。そのリリース・ツアー、“The Golden Age Of Punk Rock Tour”の江の島OPPA-LA公演で、南英紀の機材撮影に成功した。本記事では2台のアンプとペダルボードをご紹介しよう。
文=小林弘昂 機材撮影=星野俊
Minami’s Amplifiers
・Line 6 / Flextone Ⅱ
・Peavey / Classic Series 120(Power Amp)
・Carvin / 412VB(Cabinet)
ハイ・パワーの歪みと軽やかなクランチ/クリーンの2刀流
南がKen Yokoyamaのライブで使用するアンプは2台。PeaveyのClassic Series 120(右側)とLine 6のFlextone Ⅱ(左側)だ。
Classic Series 120は真空管入りのパワー・アンプで、足下のVOX / VALVENERGY COPPERHEAD DRIVEをプリアンプとして使用。基本的にほとんどのペダルを通った音が本機から出力されている。Classic Series 120の背面に搭載されたSENSITIVITYノブは7の位置にセッティングされていた。
キャビネットはCarcinの412VBで、スピーカーはEminenceのThe Wizardを4発搭載。南曰く“中に木材を貼りまくって補強している”そうだ。マイクはShureのSM7Bが立てられていた。
2000年代初頭に発売されたモデリング・アンプのFlextone Ⅱは、足下のBlackstar / DEPT.10 BOOSTのみを通ったクランチ/クリーン用。アンプ・タイプは“JAZZ CLEAN”、EFFECTSはBYPASSに設定されていた。各ノブは、MASTER VOLUMEが1時、DRIVEが8時過ぎ、BASSがMAX、MIDが12時、TREBLEが2時、CHAN VOLが12時、REVERBが8時。
Flex ⅡのマイクはShureのBETA 57Aが立てられていた。
Minami’s Pedalboard
気分によって歪みのキャラクターを変化
【Pedal List】
①Shure / GLX-D16+(ワイヤレス受信機)
②Blackstar / DEPT.10 BOOST(ブースター)
③Sobbat / A/B Breaker(ABライン・セレクター)
④VOX / VALVENERGY CUTTING EDGE(オーバードライブ)
⑤VOX / VALVENERGY COPPERHEAD DRIVE(オーバードライブ)
⑥Mooer / Graphic G(EQ)
⑦One Control / Minimal Series 1 Loop Box(1ループ・スイッチャー)
⑧BOSS / CE-5(コーラス)
⑨BOSS / RV-3(リバーブ/ディレイ)
⑩MXR / Micro Amp+(ブースター)
⑪KORG / Pitchblack XS(チューナー)
⑫VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-12(パワー・サプライ)
ギターからの接続順は、まずワイヤレスを経由し、①GLX-D16+と②DEPT.10 BOOSTを通って③A/B Breakerにイン。
③A/B Breakerは、AとBの2つのチャンネルにそれぞれセンド/リターン端子が搭載されたスイッチャー。Aのセンドからは④〜⑦が接続され、⑦1 Loop Boxのアウトから1台目のアンプ、Peavey Classic Series 120へ。⑦1 Loop Boxのセンド/リターンには⑧〜⑩がループされている。
そして③A/B BreakerBのセンドからは2台目のアンプ、Line 6 Flextone Ⅱにダイレクトで接続。つまり南は、③A/B BreakerのAとBで歪み用のアンプと、クリーン/クランチ用のアンプを切り替えている。
③A/B Breakerのアウトからは⑪Pitchblack XSに接続。
②DEPT.10 BOOSTは3つのノブを控えめなセッティングにし、常時オンにして基本のクランチを作っている。普段は本機の前段にボリューム・ペダルをつないでおり、そこでクランチをクリーンまで下げることもあるのだが、この日はフロア・ライブだったため、もしものトラブルを考えてボリューム・ペダルがはずされていた。
メインの歪みは④CUTTING EDGEとPeavey Classic Series 120の組み合わせで、気分によって歪みのキャラクターを変えたい場合、⑤COPPERHEAD DRIVEに切り替えることもある。⑥Graphic Gも常時オンの状態でサウンドを整えており、100、250、4kを上げたセッティングになっていた。
基本のサウンドは以上なのだが、たまに⑦1 Loop Boxにループされている3台のペダル(⑧〜⑩)を使用するとのことで、この日のライブでは⑧CE-5のすべてのノブをほぼMAXにしてレスリー・スピーカーのようなサウンドにし、「It’s A Fact」のソロで⑩Micro Amp+と一緒に踏んでいた。⑨RV-3のモードはDELAY+REVERBの4番。BALANCEノブが8時方向まで下げられており、かなり薄めに使用していることがわかる。
The Golden Age Of Punk Rock Tour
2024年12月1日(日)
江の島オッパーラ
【Setlist】
01. The Story Of The Fallin’ Sleet(ユア・マム)
02. Soothing(サタニック・サーファーズ)
03. International You Day(ノー・ユース・フォー・ア・ネイム)
04. 21st Century Digital Boy(バッド・レリジョン)
05. I’m The One(ディセンデンツ)
06. You’ve Done Nothing(フェイス・トゥ・フェイス)
07. All My Best Friends Are Metalheads(レス・ザン・ジェイク)
08. Nervous(ガンズン・ワンカーズ)
09. Too Late(スナッフ)
10. Walk(HUSKING BEE)
11. Time To Grow Up(ボディジャー)
12. It’s A Fact(ザ・ヴァンダルズ)
13. Roots Radical(ランシド)
14. Break The Glass(ザ・スーサイド・マシーンズ)
15. All The Small Things(ブリンク 182)
16. Crazy(オール)
17. Soulmate(ノー・ユース・フォー・ア・ネイム)
18. Stickin’ In My Eye(NOFX)
19. Holiday(ザ・ゲット・アップ・キッズ)
20. May16(ラグワゴン)
21. The Sound Of Secret Minds(Hi-STANDARD)
22. What Kind Of Love(スナッフ)
作品データ
『The Golden Age Of Punk Rock』
Ken Yokoyama
PIZZA OF DEATH RECORDS
PZCA-108
2024年10月16日リリース
―Track List―
01. Soothing
02. It’s A Fact
03. Stickin’ In My Eye
04. Too Late
05. International You Day
06. I’m The One
07. All My Best Friends Are Metalheads
08. You’ve Done Nothing
09. Time To Grow Up
10. Roots Radical
11. Crazy
12. All The Small Things
13. Break The Glass
14. 21st Century Digital Boy
15. Holiday
16. May16
―Guitarists―
横山健、南英紀