プレイヤーにとって、ギターとの出会いは偶然であり必然だ。そして時に人は、運命のルックスに一瞬で心を奪われる。フェンダーの最新作となるMade in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collectionは、独特の色味を纏ったサテン・フィニッシュで、ギターとの出会いを宿命へと変える。この洗練されたモデルに、新バンド、のん & the tears of knightのメンバーとして共鳴し始めた、のんと古市コータローの視線が突き刺さる。彼らが触れた最新コレクションに見るギターを弾く魅力とは?
Presented by フェンダーミュージック
取材=近藤隆久 人物撮影=西槇太一 ヘアメイク=菅野史絵 スタイリスト=町野泉美
古市コータロー × Fender Made in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collection
TALK SESSION
のんと古市コータローが語る、ギタリストとしての視線
まずは、のんと古市コータローによる対談をお届けしよう。彼らは、鉄壁のメンバーで結成されたバンド“のん & the tears of knight”として、先日に行なわれた台湾のフェスや“ARABAKI ROCK FEST.”のステージで圧倒的なバンド・サウンドを響かせ大きな話題を呼んでいる。フェスの会場を沸かせたステージを振り返りつつ、バンド結成の経緯やお互いのギター観を語り合う。

バンド名を付けたからには、
向かい合って弾いてもいいかな(笑)。
──古市コータロー
台湾で開催された“Vagabond Festival 2025”や“ARABAKI ROCK FEST.26”といったフェスで、2人のバンド“のん & the tears of knight”がお目見えしましたが、そもそもバンドを組むきっかけは?
古市 僕が以前、加山雄三さんとやっていたTHE King ALL STARSで、のんちゃんがゲストとして入ってくれたことがあったんです。そのあと、2024年に“オハラ☆ブレイク’24 愛でぬりつぶせ”っていうフェスで、僕がバンマスのような形で関わらせてもらった時、のんちゃんがゲストで2曲歌ってくれて。それをのんちゃんが覚えていてくれたんだよね。
のん その時は、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「バードメン」とThe Birthdayの「なぜか今日は」を一緒にやらせていただいたんですけど、私が普段やっている人たちとはまったく異なる音色で、その時のことが忘れられなくて。それで“Vagabond Festival 2025”のオファーがきた時に、台湾で一番大きなフェスだと聞いていたので、この舞台だったらご一緒できないか、“当たって砕けろ!”っていう気持ちでオファーさせていただいたんです。そうしたら思いが叶って嬉しかったです!
バンド名はどのように付けたんですか?
古市 Tシャツを作る時などにかっこいい名前にしたかったんだけど、ウエノ(コウジ/b)やみんなで“何がいいかな?”って感じで、とにかくまずは字ヅラ命で考えて(笑)。のんちゃんにいくつか見てもらったんです。
のん 提案してくださった案を見た時に、“tears”と“knight”っていう一見矛盾しているワードが内包されていて、すごくかっこいいなと思ったのが決め手でしたね。繊細なイメージと力強い勇敢な感じが合わさっているのが良いなって思ったんです。
実際、フェスのステージで一緒に音を出した時の印象はいかがでしたか?
古市 「Renarrate」っていう曲のイントロは、僕がリフっぽいのを弾いてのんちゃんがコードを弾くんだけど、そこがすごくかっこいいよね?
のん あそこ、めっちゃ楽しいです(笑)!
古市 そこにウエノや健太(古市健太/d)のリズムがくるとさらにかっこよくなる。もし“のんちゃんのバック・バンド”って感じだったら、ステージのうしろでおとなしく弾いているけど、バンド名を付けたからには、僕が前に出て向かい合って弾いてもいいかなって(笑)。
のん もっと向かい合って弾きたいです!


ギターは私にとっての憧れ。
あの場所に行きたいと思って手に取った。
──のん
ギタリストとしてのお互いの印象は?
古市 のんちゃんはギターが似合うよね。この取材だから言うわけじゃないけど、特にフェンダーが似合う。今回の撮影でストラトキャスターを持っている姿を見た時に、いつもはシンラインやテレキャスターなんだけど、ストラトキャスターも良いなって思った。持っている姿がかっこいい、それがギタリストとして一番大事なことだからね。
のん 嬉しいです。私から言うと、おこがましいなと思うんですけど(笑)、古市さんは本当にかっこいいです。きらめきと“ガツーン!”って心に届く鮮烈さがあって……キラキラと鋭角な感じのどちらも備えている気がします。
2人にとって、ギターとはどんな存在?
古市 やっぱり飛び道具だね。いつも言ってるけど、お気に入りの革ジャンやブーツだったり、それと同じ立ち位置にあるかな。
のん その話、シビれますね。私にとっては“憧れ”みたいな思いが強いです。初めてエレキ・ギターを目にした時に感動しちゃって。バンドで一番目立っている楽器に見えたので、“あの場所に行きたい”と思って手に取ったんです。
そういった意味で、自分が手にするギター選びの基準は、“一目惚れ”という要素もあるのでは?
古市 絶対にそうだろうね。楽器店で一目惚れして、見た瞬間に“これください”って言っちゃったこともある。試しに弾いてみるのも大事なんだけど、僕はろくに弾かないで買っちゃう(笑)。
のん 私も見た目重視かもしれないです。でも使っているうちに、結局、自分の声に合っているギターに寄っていく傾向はありますね。だから、今はテレキャスターやシンラインを使うことが多いんです。
今回、フェンダーのMade in Japan Hybrid II 2026 Collectionを触ってみて、率直にどう思いましたか?
のん 私、サテンが好きなんです。オシャレですよね。車のカラーでもサテンが流行っていますし、今日弾いたストラトキャスター(Misty Satin)も、質感がとても良かったです。
古市 フェンダーみたいな伝統的なメーカーも、現代に合わせてアップデートすることは絶対必要なことじゃないですか。そこで現状を越えていく挑戦は、やっぱり必要だと思いましたね。僕はあのジャズマスター(Satin Metallic)が好きだったな。
バンドとしての今後の展開は?
古市 1曲作ってみようか、みたいな話はウエノとしていたんだよね。
のん 曲作り、したいです! 私もこのバンドの曲があればいいなって考えていたんですけど、隙を見ながら押していこうと思っていたので、今聞けて嬉しかったです(笑)。
古市 「バードメン」をやった時に、のんちゃんの低域の声がかっこいいねって話をしていて。だから、わりと低めのキーで、パブ・ロックみたいなものもカッコ良いかなと思ったりしてる。
のん 新しい発見ですね。あと「Renarrate」みたいな、切ない曲も良いですよね!
FEATURES
個性を彩る、2つのサテン・フィニッシュ・コレクション
今回の撮影で、のんと古市コータローが手にしたMade in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collectionは、フェンダーの伝統的なルックスに、現代のプレイヤーが求めるモダンな演奏性を融合させた Hybrid Ⅱの最新型だ。このシリーズはビンテージが持つルックスを残しつつ、アップデートされた実用性の高さが特徴で、細部には様々な工夫が施されている。ここではその詳細を追ってみたい。

Satin Metallic

Misty Satin
トップス:61,600円、パンツ:107,800円/Maison MIHARA YASUHIRO TEL:03-6459-2320
他スタイリスト私物
まずは、Hybrid IIシリーズの特徴について解説していこう。このシリーズのエレキ・ギターは現在、テレキャスター、ストラトキャスター、ジャズマスターがラインナップされている。
テレキャスターは体にフィットするコンター加工や、イントネーションを合わせやすいスラント・サドルを採用。独自に開発されたピックアップはゲインが高めになっており、力強いサウンドが出力可能だ。さらに4ウェイ・ピックアップ・セレクターにより、2つのピックアップを直列にした分厚い音作りも楽しめる。
ストラトキャスターはハイ・パワーなピックアップと、アーミングに対するブレを軽減する2点支持ブリッジを採用、より安定したプレイを可能にしている。
一方、ジャズマスターは演奏中の“弦落ち”を防ぐため、ムスタング・ブリッジを標準装備。また、プリセット・スイッチを排除し、トグル・スイッチ1つのシンプルな設計にすることで、直感的な操作性を実現している。
これらのモデルに共通しているのは、握りやすい“モダンCシェイプ”のネック、9.5インチの指板ラジアス、そしてナロー・トール・フレットを採用している点。また、指板のエッジをわずかに研磨して丸みを持たせることで、抜群の弾き心地を実現している。
見えない部分では、アウトプット・ジャックに信頼性の高いピュア・トーン・ジャックを採用、オレンジ・ドロップ・コンデンサーが搭載されている。
以上がHybrid Ⅱシリーズの特徴であるが、2026年の限定生産モデルとなるMade in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collectionのポイントは、ネックだけでなくボディにも採用されたサテン・フィニッシュである。
高度な技術が要求されるこの塗装は、日本の高い技術によって実現、サラッとした手触りと独特の高級感を両立している。基本的なスペックは Hybrid Ⅱを引き継ぎつつ、外観においては以下の2つの新しいデザイン・コンセプトを展開している。
まず、“Satin Metallic”で採用されたのは、パソコンなどのIT機器や高級車からインスパイアされたカラーだ。合計4色を展開し、ハードウェアやパーツはブラック・ニッケルで統一。ピックガードはアクリル製で、その下にシートを挟み込み、重厚な質感を演出している。
そして今回、新たにラインナップされるのが、“Misty Satin”と呼ばれるカラー展開である。自然界の霧や靄(もや)から着想を得た独特のデザインだ。波のような模様を下地に、その上から全体を白い塗装で包み込むことで、時間や場所、視点によって様々に変化する幻想的な霧の色合いを表現しているのだ。
Made in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collection Telecaster
Satin Metallic
鋭い輝きを放つ、モダンなエッジ感

Fender
Made in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collection Telecaster
Satin Metallic
【スペック】
⚫︎ボティ:アルダー
⚫︎ネック:メイプル
⚫︎指板:ローズウッド
⚫︎指板ラジアス:9.5インチ(241mm)
⚫︎ネック・シェイプ:モダン “C”
⚫︎フレット・サイズ:ナロー・トール
⚫︎スケール:25.5インチ(648mm)
⚫︎ピックアップ:ハイブリッド 2 カスタム・ヴォイスド・シングルコイル・テレキャスター×2
⚫︎コントロール:マスター・ボリューム、マスター・トーン、4ウェイ・ピックアップ・セレクター
⚫︎ブリッジ:3サドル・ビンテージ・スタイル・ストリング・スルー・ボディ・テレ・ウィズ・スランテッド・ブラス・バレル・サドル
⚫︎ピックガード:2プライ・アルミニウム・スタイル・アクリル
⚫︎ペグ:ヴィンテージ・スタイル・ロッキング
⚫︎付属品:ギグ・バッグ
⚫︎カラー:4色展開【Matte Champagne Mirage(写真)、Matte Inferno Red、Matte Aero Blue、Matte Phantom Black】
【市場想定売価】
176,000円(税込)
【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 https://jp.fender.com
Made in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collection Stratocaster
Misty Satin
柔らかな彩りを纏う、自然な表情

Fender
Made in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collection Stratocaster
Misty Satin
【スペック】
⚫︎ボティ:アルダー
⚫︎ネック:メイプル
⚫︎指板:ローズウッド
⚫︎指板ラジアス:9.5インチ(241mm)
⚫︎ネック・シェイプ:モダン “C”
⚫︎フレット・サイズ:ナロー・トール
⚫︎スケール:25.5インチ(648mm)
⚫︎ピックアップ:ハイブリッド 2 カスタム・ヴォイスド・シングルコイル・ストラトキャスター×3
⚫︎コントロール:マスター・ボリューム、トーン1(フロント・ピックアップ)、トーン2(リア/センター・ピックアップ)、5ウェイ・ピックアップ・セレクター
⚫︎ブリッジ:2ポイント・シンクロナイズド・トレモロ・ウィズ・ビンテージ・スタイル・スタンプド・スティール・サドル
⚫︎ピックガード:1プライ・エッグシェル
⚫︎ペグ:ヴィンテージ・スタイル・ロッキング
⚫︎付属品:ギグ・バッグ
⚫︎カラー:3色展開【Pink Mist(写真)、Blue Mist、Yellow Mist】
【市場想定売価】
176,000円(税込) *2026年6月下旬発売予定
【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 https://jp.fender.com
IMPRESSION
古市コータローが一目惚れした、2026年限定モデルの魅力
のんとの対談を終えた古市コータローが、実際にMade in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collectionを手に取り、その実力を検証した。サテン・フィニッシュがもたらす極上のフィット感や、現代的なアップデートと伝統が融合した2026年限定モデルをギタリスト視点で語る。

“吸いつく”って言うか、
体に寄り添う感じがすごく強いね。
今回弾いてもらったMade in Japan Hybrid Ⅱ 2026 Collectionは、ネックだけではなくボディにもサテン・フィニッシュを採用しているのが最大の特徴です。実際に抱えてみた印象はどうでしたか?
まだ鏡で自分が持っている姿を見てないからルックス的なマッチングはわからないんだけど、体に寄り添う感じがすごく強いね。“吸いつく”って表現するとちょっと言い方が変だけど、ボディ裏のコンターがフィットする。高級車の座席シートのホールドされている感じに近いっていうか、ぎゅっと寄ってくれるんだ。
ネックの握りも含めてそうだね。あと、実を言うと僕の場合はネック裏の手触りが大事なんだよね。このサラサラしたサテン・フィニッシュの手触りは僕に非常に合っていると思った。
ネックはモダンCシェイプを採用し、指板のエッジを少し研磨して落とすことで握りやすさを追求しています。
すごいね。簡単に言うと本当に弾きやすい。これ、普通のスケールでしょ? なのに、ショートスケールだと思うくらいコンパクトに感じるし、すごく良い。これなら、自分は手が小さいって思っている女の子でも余裕で弾けると思う。もうFコードなんて怖くないよ(笑)。
今回のボディ・カラーは、重厚感のあるメタリックなSatin Metallicと、自然の霧を表現したMisty Satinの2つのコンセプトがあります。ルックスについてはどう感じましたか?
今持たせてもらっているSatin Metallicも良いけど、実はもう1つのMisty Satinが気に入ったね。何とも言えない魅力がある。これまでのフェンダーの製品としては見たことがない新しさがあって良いね。
もちろん、Satin Metallicも実用性は高いよ。本当に軽くて弾きやすい。この軽さはステージに立つ人間にとっては重要だよね。ボディのコンター加工もあって、弾いていて痛くないから道具として素晴らしいと思うよ。自分の気分がフリーになるし、ギターに導かれていく感覚があった。
今日試奏した中で、一番気に入ったモデルは?
今日弾いた中では、どちらのカラーもテレキャスターがやっぱり一番好みというか、一番“弾かされた感”があったかな。このHybrid Ⅱはいろいろと現代的にアップデートされているけども、5、6弦を弾いた時の“カツン!”とくる感じや、テレキャスター本来の、一番強い持ち味みたいなものはしっかり持っているんだよね。すごくコントロールしやすいし、実践向けな感じがしたね。
ストラトキャスターを弾いてみた感想は?
もう王道のストラトキャスター。僕もストラトキャスターは2本持っているけど、それと印象はあまり変わらなかったね。ただ、新開発のピックアップのおかげか、今回の3モデルは全部パワーはあるね。それは、ただうるさいっていうことじゃなくて、地頭がいいというか、無理をしていない自然なパワー感があると思った。
ジャズマスターについては?
ジャズマスターは、今回はあえてちょっと泥臭いようなイメージで弾いてみたんだけど、すごく合っていたね。サウンドの太さが気持ちよかった。僕はジャズマスターはセンター・ポジションで弾くのが好きだから、試奏でもセンターで弾いたんだけど、リバーブをコテコテにかけていろんなポジションの音を弾いてみたら、とても色っぽかったね。自分ですごく酔えるサウンドだと思った。あと、アームがとても効くのでびっくりしちゃった(笑)。
お気に入りのギターを持つことで、特別なインスピレーションが湧くことはありますか?
それはあるよね。例えば、今回試奏させてもらったテレキャスターだと、やっぱり低音弦をガシガシ弾きたくなっちゃうんだよね。普段、僕はそんなに低音のリフに寄るタイプじゃないんだけど、ついついやってしまうというか。“弾かされてしまう”って言うのかな。ギターに導かれていっちゃうような感覚があったね。
特にこういった新しいギターを弾かせてもらう機会だと、自分の気分がフリーになるから、 “こっち来いよ!”ってギターが呼ぶ方向に行っちゃうみたいな部分が出るよね。
ビンテージライクなルックスにモダンなスペックを詰め込んだHybrid Ⅱですが、現代のプレイヤーにとって、こういった現代に向けてアップデートされたギターの意義についてどう考えていますか?
今、ビンテージの楽器っていうのは、もはや手が出るものじゃなくなっているでしょう? それに、中古で雰囲気の良い個体を探すのもずいぶん手間がかかる時代になってしまったよね。そういった意味では、フェンダーが現代に向けてアップデートしながら開発している楽器を、素直に弾くことはこれからとても重要なことだと思う。
特に僕みたいな年寄りもそうだし、若いプレイヤーたちも、こういった楽器でギターを弾き続けたほうがいいと思うよ。それはなぜかというと、圧倒的に弾きやすいんだよね。ギターが時代に合わせて進化していくのは自然なことだし、本当に良いことだよね。フェンダーは僕らが子供の頃に憧れていたブランドだし、今でもそのイメージがあるけれど、今回触ってみて、改めて“これからも憧れの対象であり続ける楽器”だと確信したよ。








