Interview|オカモトコウキ(OKAMOTO’S)これからのギター・プレイの行方とは? Interview|オカモトコウキ(OKAMOTO’S)これからのギター・プレイの行方とは?

Interview|オカモトコウキ(OKAMOTO’S)
これからのギター・プレイの行方とは?

ギターの“良い音”を目指す必要はもうないのかなと。

今作の使用機材を聞かせてもらえますか?

 ギターは全編でシルバートーン1457を使っています。リップスティックのピックアップが載っているホロウ・ボディのギターですね。

コウキさんのソロ作(『GIRL』)から使っている、64年製のギターですよね。

シルバートーンのモデル1457。電装系をポットごと交換、ブリッジもダンエレクトロのSB-5800に変更するなど、ステージでも使えるようにカスタマイズが施されている。(写真=イノクチサトシ)

 そうですね。これは何が良いって、サステインが「ない」ことなんです。ペラペラなんだけど、倍音がすごくあるっていう独特の音で(笑)。ホロウ・ボディにリップスティックのピックアップだからギラギラもしてる。良い音かはわからないけど(笑)、これでしかない音って感じがするんですよね。だからその音を変えたくなくて、エフェクターも全然使っていないんですよ。

そうなんですか! 今作はクランチのサウンド感も素晴らしいと思っていて。例えば「Misty」で聴ける、繊細だけども、広がりがあるサウンドのような。

 歪みはVOXのAC-30だけで作ったんです。AC-30の働きは今作では大きかったなぁ。

アンプ直だったんですね。ペダルボードを持っていくこともなく?

 ボードは、ないです(笑)。

そこまできているんですか(笑)。

 きている(笑)。もしかしたら今後のサウンドの方向性として、例えばPAFを使ったような60年代の豪勢な音を目指すかもしれないですけど、今はそういう気分にならなくて。ただ、極論を言えば、ギターの“良い音”を目指す必要ってないのかなと。だって60年代~70年代に、めっちゃ良い音が出てるんですもん。

過去にすでにあるから、今頑張って作る必要もないと。

 そう(笑)。というか、そこを目指すトライアルは、これまでOKAMOTO’Sの10年間でたくさんやってきたんです。それこそ60~70年代のロック・バンドのカバーもやってきたし。

挑戦した結果としてその結論に達したと。では、今はどんなギタリストを目指してるんですか?

 いろいろと言いましたが、ギターにしかできない立ち位置や音っていうのが残り続けるはずだと思います。バンドとしても僕個人としても、古き良きロックの良さを後世に伝えていきたいですね。ローリング・ストーンズがマディ・ウォーターズを広めたように。と同時に新しいものを開発して、それを聴いた人が僕らのバックグラウンドまで聴くようになって、その人の生活がより豊かになる良いなと思いますね。

作品データ

『Welcome My Friend』OKAMOTO’S

アリオラ/BVCL-1099/発売中

―Track List―

<EP収録曲/ 初回盤・通常盤共通>

01.Welcome My Friend ※「富豪刑事Balance:UNLIMITED」エンディング・テ-マ
02.THE BEAR
03.Riot
04.Misty
05.MOTEL
06.History ※映画「十二単衣を着た悪魔」主題歌(11.6公開)

<初回生産限定盤/ Blu-ray収録曲>
「90’S TOKYO BOYS“Online Broadcast”」

01.Beek
02.青い天国
03.NO MORE MUSIC
04.NEKO
05.Border Line
06.Phantom(By Lipstick)
07.Dance To Moonlight
08.BROTHER
09.ROCKY
10.90’S TOKYO BOYS