Interview|クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラムブルースの伝統と未来を感じさせる最新作『662』 Interview|クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラムブルースの伝統と未来を感じさせる最新作『662』

Interview|クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラム
ブルースの伝統と未来を感じさせる最新作『662』

トレブリーでブライトなサウンドは苦手だね。

新作『662』のジャケット写真ではフェンダーのストラトキャスターを抱えています。2019年にはVinteraシリーズの広告でも手にしていますが、今のメインはストラトキャスターですか?

 そうだね。フェンダーと仕事をするようになってPlayer Stratocasterをもらったけど、出来の良さに感激したんだ。新作のジャケットで抱えているカスタムショップ製のものは、カラーやピックアップを僕がリクエストしていて、手に入れて以来ずっとプレイしている。でも、最近は少しずつハムバッカーに回帰しているところでもあるかな(笑)。

今作でもメインはストラト?

 ピンクの61年リイシューとカスタムショップの紫、2本のストラトを使っている。「662」と「I Got To See You」ではロカビリーっぽいサウンドが欲しかったから、ピーヴィーのT-60を使ったね。ピーヴィーも好きなんだ。あとは、マイケル・シャートフというビルダーに作ってもらったハムバッカーを搭載したTLタイプを「Long Distance Woman」みたいなヘヴィな曲で使っていて、これはテレキャスターとレス・ポールのいいとこどりのようなサウンドが得られる(以下の動画で手にしている紫のTLタイプが、シャートフ・カスタム・ギターズのモデル)。アコースティック・ギターは最近リリースされたフェンダーのパラマウントを使ったね。

ギターは楽曲によってどのように使い分けているのでしょうか?

 曲を書いた時点でどんなタイプのギターを使うのか頭の中にその光景が浮かんでいることが多いね。「662」はロカビリーっぽいプレイをすることがわかっていたし、ピーヴィーのT-60はロックンロールやカントリーといったスタイルでプレイするにはもってこいのギターだ。だから、あれ以外の選択肢はなかったんだ。

ペダルやアンプは何を使いましたか?

 ペダルに関してはMXRのSugar Driveとミニ・サイズのワウを使ったくらいだね。アンプはフェンダーのスーパー・リバーブで、これは友人から借りたビンテージのブラックフェイスのものだったと思うけど、リッチなトーンが得られたよ。

ライブだとアンプはフェンダーのHot Rod DeVilleやピーヴィーのDelta Bluesを使っているのをよく見ます。今でもこれらがライブ用のアンプですか?

 そう、ほとんどこれらの組み合わせだ。あとはフェンダーのツインやピーヴィーのクラシックも友達から借りていて、これらに入れ替えたりもしている。デヴィルやデラックスも好きだし、基本的にフェンダーとピーヴィーの様々なアンプで試行錯誤している感じかな。

ライブでの歪みペダルはMXRのSugar Drive以外だと何を使っていますか?

 最近はMXRのSugar Driveをウェイ・ヒュージのConspiracy Theoryに入れ替えているけど、両方とも基本的なサウンドは似ているところがあるよね。ただ、Conspiracy Theoryには独特な太さがあるような気がするんだ。ボードにはほかにCry Babyとチューナーのpolytuneがあるだけだね。

作品では何十台ものペダルやアンプを試しているわけではなく非常にシンプルですが、音作りでのこだわりはありますか?

 クリーン・トーンに関してはラウドでクランチーなトーンにさせたいと思っている。ラウドなんだけどディストーションのようには歪まないサウンドだね。ブライト過ぎず、低音も十分存在するような音っていう感じかな。で、ディストーションに関しては低音がリッチで、かなりドライブの効いた歪みが欲しいんだ。全体的には低音がしっかり効いたサウンドにさせたいと思っていて、トレブリーでブライトなサウンドは苦手だね。ソロをプレイする時にワウを特定のポジションで固定して、トレブル・ブースターのようにプレイすることもあるよ。