Interview|クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラムブルースの伝統と未来を感じさせる最新作『662』 Interview|クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラムブルースの伝統と未来を感じさせる最新作『662』

Interview|クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラム
ブルースの伝統と未来を感じさせる最新作『662』

アタックの仕方だけでサウンドは大きく変わるよ。

私は2019年と2020年のNAMMショウであなたの演奏を観たのですが、ピッキングの強さと音の大きさに驚きました。素晴らしいビッグ・サウンドを出すための右手のポイントを教えて下さい。

 音を鳴らす時のアタックに関しては、ルーサー・アリソンやアルバート・キングといった強烈な勢いでプレイする人たちのことを意識してしまうかな。彼らのようなアタック感のある強烈で大きなサウンドを僕も目指している。それはシュレッドする時だって変わらないね。ボリューム・ノブを操作しなくても、アタックの仕方だけでサウンドは大きく変わるよ。僕はヘヴィなゲージの弦と厚めのピックを使っていて、さらにアタックとインテンシティーについても意識しているね。

あなたはアイザイア・シャーキーやジャイラス・モージー(Jairus Mozee)といった現代のギターヒーローたちの影響も公言されています。彼らはSNSでの発信も人気のアーティストですが、そういったソーシャルメディアで活躍するアーティストから影響を受けることはありますか?

 もちろんさ! 世の中に出回っている音源以外にも、様々なことができるということを改めて思い知らされるよ。彼らとは個人的に知り合いでもないけど、グレイトだってことは十分伝わってくる。ほかにもマテウス・アサト、ichika、イヴェット・ヤングといった人たちからもインスパイアされるし、彼らはみんな確固たる個性を持つプレイヤーであることをほんの数秒のビデオで証明してくれているよね。

アメリカ国内でのライブがかなり多いかと思いますが、いずれ日本にもきてくれますか?

 そりゃもちろんさ! 日本に行きたいと長年思ってきたから、断る理由なんてないよね。

もしあなたが昔のレコード盤に興味があるなら、日本の中古のレコード屋さん巡りすると楽しいかもしれません。B.B.キングやバディ・ガイ&ジュニア・ウェルズは日本限定のライブ盤なんかもありますからね。あなたはそういった昔のレコード盤はお好きですか?

 大好きだよ! 現在ではファット・ポッサム・レコーズ(ミシシッピのブルース系インディペンデント・レーベル)が所有しているような昔の時代のブルースマンたちのレコードを僕はコレクションしていて、その中にはジュニア・キンブロウやT-モデル・フォードみたいな人たちの作品がある。ブルースの45回転も好きでつい集めてしまうしね。ほかにもブルースに限らず、パンク・ファンクだけどリック・ジェームズも好きさ。

では最後に、日本のブルース・ファンへメッセージをお願いします!

 僕をサポートしてくれてありがとう。そしてこうやって僕がブルースをプレイし続ける原動力となってくれてありがとう。本当に近いうちに君たちの目の前でプレイする日が来ることを願っているよ!

作品データ

『662』
クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラム

Pヴァイン/PCD-94053/2021年7月23日リリース

―Track List―

01. 662
02. シー・コールズ・ミー・キングフィッシュ
03. ロング・ディスタンス・ウーマン
04. アナザー・ライフ・ゴーズ・バイ
05. ノット・ゴナ・ライ
06. トゥー・ヤング・トゥ・リメンバー
07. ユアー・オーレディ・ゴーン
08. マイ・バッド
09. ザッツ・オール・イット・テイクス
10. アイ・ゴット・トゥ・シー・ユー
11. ユア・タイム・イズ・ゴナ・カム
12. ザッツ・ワット・ユー・ドゥ
13. サムシング・イン・ザ・ダート
14. ロック・アンド・ロール
15. エンプティ・プロミセズ

―Guitarist―

クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラム