Interview|久米優佑(PAM)7弦ギターで広げたプレイの可能性 Interview|久米優佑(PAM)7弦ギターで広げたプレイの可能性

Interview|久米優佑(PAM)
7弦ギターで広げたプレイの可能性

今作の機材面でのトピックは
7弦と新ピックの導入

今作から、7弦ギターを導入しているとのことですが。

 アイバニーズのPrestige AZ24047ですね。もともと7弦は手段として1本欲しいと思っていたんですよ。たまたま楽器店にいった時に見つけて、“これだな”と直感で手に入れました。買った翌々日がライブだったんですけど、さっそく本番で使ってみたら、音もしっくりきて。そこから7弦しか使っていないですね。新作もすべてこれで弾いています。

楽器店で“これだ”と思ったポイントは、どこなんでしょう?

 8割が見た目で(笑)、あとはめちゃめちゃ弾きやすかったんです。ネックのグリップとか、ステンレス・フレットが良かったんでしょうね。あとは、音はどうにでもなると考えました。

いきなり6弦から7弦にチェンジして、弾けるものなんですね。

 なんか弾けちゃったんですよね。弦が1本増えた分、ちょっとミュートは難しいですけど。でもそれ以外は普通に弾けました。

新作ではいかにも7弦というヘヴィなリフは目立ちませんよね。

 でも、7弦じゃないと弾けないんです。僕の場合7弦は、選択肢を増やしたくて使っているんです。低音でガッツリ、ヘヴィなリフを弾くというよりは、例えばポジショニングの点で、6弦だとかなり動かなければいけないところが、7弦だとちょっと下がればいいとか、そういう使い方ができるんですよ。あとは、6弦では出せないニュアンスを出せるところですね。だから、音程的には6弦の範囲で収まっているフレーズでも、実は7弦を使用していることはかなり多いです。

なるほど。今回もアンプ、エフェクターに関してはケンパーですか?

 そうです。ただ、今回はケンパーをメインにしながら、クリーンではフェンダー・ツイン・リバーブⅡ、クランチではマーシャル JMP1978という実機の音を混ぜています。このマーシャルが、良かったんですよ。レコーディングした芸森スタジオの物なんですが、これは欲しいですね(笑)。

他に、重要な鍵となった機材があれば教えて下さい。

 グヤトーンのピックです。ティアドロップ・タイプのものを提供してもらっているんですよ。握る部分が固くて、先端が柔らかいんです。これが調子が良くて、もう他のピックを使う気はないくらいですね。僕はこれをわりと浅く握るのですが、そうするとピックのしなりがコントロールできるんです。当て方は、基本的には弦に対して垂直になるようにしているんですけど、プレゼンスを稼ぎたい時には少し斜めに当てて弾きますね。ピックで音のニュアンスを作っていく感じで、これも僕のサウンドには欠かせません。

ありがとうございました。最後に、今後のギタリストとしての目標を聞かせて下さい。

 音のニュアンスを突き詰めていきたいですね。もっと僕にしか出せない音やフレーズを突き詰めていきたい。あとは、このまま満足しないで死ぬまで弾き続けていきたいですね。

Guitar

Ibanez
Prestige AZ24047

購入後、翌々日にはステージに持ち出したという現在の愛器、アイバニーズのPrestige AZ24047。ニュアンスを追い求めて7弦に行き着いたという点が、いかにも久米らしい。

Amplifier

Fender Twin Reverb II &
Marshall JMP 1978

レコーディングした芸森スタジオが所有するフェンダーのツイン・リバーブⅡ(左)と、マーシャルのJMP1978(右)。どちらもケンパーの音にミックスするために使用された。

Padal

Kemper
Profiler Stage

愛用しているケンパーのフロア・タイプ。クリーンはマッチレスやフェンダー・ツインリバーブ、歪みはディーゼルのVH4をモデリングしたものを使用しているそうだ。

Pick

Guyatone
Crystal Fragment Pick
Polycarbonate

現在、久米が全幅の信頼を置いているグヤトーンのピック。持ち手が硬く、先端が柔らかい上に、スリットが入っていてしなりやすい仕様となっている。

作品データ

TWO SIDES OF THE SAME COIN
PAM

Understanding/UDP-210105/2021年9月15日リリース

―Track List―

01. Moon Light
02. Two Sides Of The Same Coin
03. Another World
04. A Sunny Day
05. Rainys

―Guitarists―

久米優佑