自分が作ったフレーズって自信がないんですよね（笑）。
各楽曲についてもそれぞれ聞かせて下さい。まずauのCMで使われた「みんな自由だ」ですが、ギター・アレンジで気をつけたことはありますか？
この曲はやっぱりメロディが大事で（編注：メロディはスコット・ジョプリン作「The Entertainer」がベース）、ギターでほかのメロディを弾くのは違うなとは思っていましたね。でも、その中でも自分らしいギター・ロックには落ち着かせたいとは思っていたので、逆に変に意識はしなかったかな。歌を立てることは意識しつつ、わりと自由に弾きましたね。まぁAメロでちょっとタッピングとかは入れちゃっているんですけど（笑）。
（笑）。これは「みんな自由だ」に限らずですが、リード・ギターが1サビと2サビでフレーズが違ったり、同じセクションがほとんどないですよね。1曲とおしたリードのアレンジはどのようにしているんでしょうか？
僕はパートごとにバラバラに作るんですよ。で、ずっと一緒だとつまらないって思っちゃうタイプなので、1Aと2Aは違うものにしようって考えてますね。曲単体で1サビとラスサビが同じテンション感だと嫌だなっていうこともあって、追加で重ねてみたり。楽曲によっては一緒にしたりはするんですけど、そこは聴いてみて、つまらないと思ったら変える感じですね。
バンド内でギター・フレーズの話し合いはあるんですか？
けっこうありますね。僕は自分でフレーズを作っても、自信がないことが多くて（笑）。“これどう？”ってメンバーに聞いて、“いいじゃん！”って言われて自信が出てくるという。たまに“これいいじゃん”って思えることはあるんですけど、たいてい自分が作ったフレーズって自信がないんですよね（笑）。だから何パターンか作って、どれが良いか選んでもらったり、弾きすぎてないか意見を聞いたりします。
“応援している感じ”って考えた時に、ワーミーがしっくりきそうだなと。
「アセスメント」はイントロのスピード感が凄くカッコ良いです。裏のギターとピアノは少し不安定なハーモニーで、良い引っ掛かりがあるなぁと。このイントロはどのように作ったんですか？
アレンジャーさんに入ってもらっているんですけど、もともとのイントロの雰囲気は僕が作っていて。最初はギターのフレーズがもう1つあって、その2本の絡みで成り立たせていたんです。で、アレンジャーさんから“鍵盤入れてみない？”って言われて。最終的にはもう1本あったフレーズをなくして、鍵盤との絡みを作る中で、少し不安定な響きを持つカッコ良い感じが出せました。もともとの雰囲気は残っているんですけど、最初はギター2本で目まぐるしい感じだったのが、1本のフレーズが際立つような感じになりましたね。
「SHALALA」のイントロも、バッキングの金属的な刻みとキャッチーなメロとの絡みで疾走感を演出しています。こういった数本の掛け合いは、どう組み上げるのでしょうか？
「SHALALA」もそうなんですけど、最近はコード進行から作ることが多いですね。バッキングの進行とドラム・パターンをまず入れて、そのうえでフレーズを試していって徐々に重ねていくような感じです。まぁフレーズからできることもありますけど。
それはDAW上で試す感じ？
そうです。パーツごとに考えたりするので、イントロだけで作って“この曲にどう？”みたいに提案することもあって、そこから歌のアレンジが変化することもあります。「SHALALA」もそういう感じで、イントロが出来てからそのコード進行をAメロに活かしたりしてますね。
DTM環境についても簡単に教えてもらえますか？
そんな大したことないですよ（笑）。普通にLogicを使っていて、オーディオ・インターフェースは最近ユニバーサル・オーディオのApollo Twinを買いました。その前はスタインバーグを使ってましたね。
「エール」はワーミーを使ったソロを始め、コーラスっぽいモジュレーション、ディレイなど、けっこうエフェクトを使ってますよね。
ワーミーはそんなに頻繁には使わないんですが、付点8分のディレイとかはけっこう多用しちゃいますね。この曲はストレートな応援歌っていうテーマがあって、“応援している感じをギターで華やかに表現できないかな”って考えた時に、ワーミーがしっくりきそうだなと思って。それで入れたらしっくりきましたね。
応援＝ワーミーですか（笑）。
（笑）。言葉にするのは難しいですけど、なんかハマる気がしたんです（笑）。
ちなみにギター・ソロは普段どのように作ることが多いですか？
基本はアドリブで弾いて、そこから徐々に変えていくような感じですね。何回も弾いて、“ここよかったな”っていうところを組み合わせたりとかもしますけど、鼻歌とかで作ることはあまりないですね。
