長崎兆志が初のギター・インスト曲の制作で使用した機材 長崎兆志が初のギター・インスト曲の制作で使用した機材

長崎兆志が初のギター・インスト曲の制作で使用した機材

I Don’t Like Mondays.のギタリストであるCHOJIが、本名である“長崎兆志”として、2023年1月から3ヵ月連続でギター・インスト曲をリリース。プロデューサーは彼が長年憧れている鳥山雄司。今回はそのレコーディングで使用された、ギター、アンプ、エフェクターをご紹介しよう。

文=福崎敬太 撮影=西槇太一

Guitars

Gibson Custom/’59 Reissue Les Paul Standard

Gibson Custom/'59 Reissue Les Paul Standard(フロント)
Gibson Custom/'59 Reissue Les Paul Standard(バック)

“長崎兆志”としての音を担ったレス・ポール・スタンダード

エレキによるリード・パートのすべてを担ったレス・ポール・スタンダード、通称オレンジ。相模原にあるショップ、Regal Placeでコンデンサーなどの電気系統に改造を施している。初めて弾いた時に衝撃を受けて入手した1本で、兆志曰く“「そんなに強く弾かなくても、俺はちゃんと鳴るよ」って教えられたような気がします”とのこと。


Gibson Custom/’68 Reissue Les Paul Custom

Gibson Custom/'68 Reissue Les Paul Custom(フロント)
Gibson Custom/'68 Reissue Les Paul Custom(バック)

“CHOJI”としてのメイン・ギターも活躍

I Don’t Like Mondays.でのメイン・ギターである黒のレス・ポール・カスタムは、「Coming to the world」で8分音符の刻みで使用したのみ。“バンドでロックな時”に弾くそうで、リード・パートを担う“オレンジ”と比べると、“シャキシャキ感”が強いそうだ。なお、こちらもRegal Placeにて、コンデンサーや配線周りを改造してもらっている。

Amplifier

Marshall 1987X & Carr Amplifiers Slant6V Cabinet

Marshall 1987X & Carr Amplifiers Slant6V Cabinet

兆志のヘッドと鳥山のキャビネットで生み出したコラボ・サウンド

メイン・アンプは兆志が所有するマーシャルの1987X。キャビネットはプロデューサーの鳥山雄司と相談しながら、鳥山所有のカー・アンプリファイアーズSlant6V Cabinet(上写真)と同社製10インチ・キャビネットを使い分けた。

鳥山曰く“兆志君が普段使っているセットだと、ちょっとダークな感じがあったんです。EQで加工すれば明るくすることもできるけど、出音から明るかったら弾き方も変わるじゃないですか”とのことで、今作の甘いサウンドが生み出された。

ロゴ・プレートが剥がれているが、カー・アンプ製のキャビネットだ。
▲カー・アンプ製の1×10キャビネットだ。ロゴ・プレートは剥がれてしまったそうだ。
マーシャル1987Xのコントロール部。
▲ツマミのセッティングはPRESENCEが2、BASSが1、MIDDLEが6.5、TREBLEが5.5、LOUDNESS 1が1。インプットはチャンネル1を使用。

Pedals

レコーディングでは鳥山所有のスタジオ=517stにあるエフェクターも使われた。録音時の写真を兆志が提供してくれたので、ポイントとなったペダルの使い方を見ていこう。

Durham Electronics/Mucho Boosto(オーバードライブ)
Durham Electronics/Mucho Boosto(オーバードライブ)

テキサス州のペダル・ブランド=ダーハム・エレクトロニクスのMucho Boosto(オーバードライブ)は鳥山が所有する1台。「Reborn」のアウトロ・ソロでリード・サウンドの音作りに使われた。“潰れすぎず存在感のある歪み”とのことで、セッティングはGain=8時、Tone=フル、Level=2時。

VOCU/Magic Tone Room(エキサイター/フィルター)
VOCU/Magic Tone Room(エキサイター/フィルター)

静岡発のハンドメイド・ブランド=ヴォーキュ(VOCU)のMagic Tone Roomは、倍音を作り出すエキサイター機能とロー/ハイ・カット・フィルターを併せ持つ。「Desert Moon」のリード・サウンドの味付けとして、EQ的なイメージで使用された。

Rothwell/Heartbreaker(オーバードライブ)
Rothwell/Heartbreaker(オーバードライブ)

「Desert Moon」のソロでメインの歪みとして使われたのが、英国産ロスウェルのHeartbreaker(オーバードライブ)。こちらも鳥山が所有するエフェクターだ。

「Coming to the world」録音時の足下。
「Coming to the world」録音時の足下。

「Coming to the world」録音時の足下には、いくつもの歪みが並べられた。採用されたのは上写真の右下から接続されている、Xotic/EP Booster(ブースター)&320design/Landmighty(オーバードライブ)のコンビで、その後段には続く写真のMXR/smartgate(ノイズ・ゲート)がつながれた。

“EP Boosterをバッファーとして使い、Landmightyをメインの歪みとして使って、コンプ感のある気持ちの良い歪み感が得られた”そうだ。後者は見た目もお気に入りとのこと。

MXR/smartgate(ノイズ・ゲート)
MXR/smartgate(ノイズ・ゲート)

作品データ

「Coming to the world」
「Coming to the world」
「Desert Moon」
「Desert Moon」
「Reborn」
「Reborn」

―Guitarists―

長崎兆志、鳥山雄司