Interview|今剛ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル Interview|今剛ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル

Interview|今剛
ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル

“原音忠実”を理念に掲げ、高品質で鮮明なサウンドに徹底してこだわる国産オーディオ・アクセサリー・ブランド、ACOUSTIC REVIVE。その魅力をギタリストに語ってもらう新連載=“ACOUSTIC REVIVE For Guitar”の第3回は、日本のスタジオ・ギタリストの頂点こと、今剛が登場!

取材・文:坂本信 撮影:星野俊(人物)、小原啓樹(機材)
※本記事はギター・マガジン2022年4月号から転載したものです。

圧倒的な“低域の量感”。
違いは一目瞭然でした。

どのようなきっかけでACOUSTIC REVIVEというブランドを知りましたか?

 何年か前に、ギターの告井延隆さん(ex.センチメンタル・シティ・ロマンス)が“このケーブル、凄いんだよ!”と言ってACOUSTIC REVIVEのギター・ケーブルを見せてくれたのが最初です。その後、キーボードの松浦晃久君が同じものを持っていて、やはり彼も“このケーブルは凄く音が良いよ!”って。当時はおそらく市販される前で、ガスのホースみたいに太くて真っ黒いケーブルでした。それから2019年頃に、エンジニアの鈴木智雄さんと一緒に仕事した時に強く薦められて……それ以来、僕もGB-Triple-C-FM(ギター・ケーブル)を使っているという感じです。

GB-Triple C-FMは、スタジオやステージを問わず、あらゆる状況で使っているのでしょうか?

 そうです。スタジオでもステージでも、それと自宅でも使っていますね。

普段のシステムでは、ケーブルはどの箇所に信号経路を使っていますか?

 まず、3mのケーブルを使って、ギターから足下のコンプへ、次に20cmのパッチ・ケーブルでボリューム・ペダル、そこからもう1本の3mのケーブルでFractalのAXE-FX II XL+、またはAX-8につなぐという順番です。

スタジオで使用する場合、過去に使ってきたケーブルと比べてどうでしたか?

 ACOUSTIC REVIVEを使う以前にもそれなりのケーブルを使っていたので、不満はまったく感じていませんでした。ところが……上には上があるもので、このケーブルを知ってしまうと、もう後戻りできないですね。

同社のサイトでも、“低域から高域まで非常に伸びやかで艶があって、雑味のない大変クリアな音”という今さんのレビューを見ました。スタジオで使用する場合に改善された点について、もう少し詳しく教えてもらえますか? たとえば、ハムノイズが減った、モニターする時の音が明瞭になった、エフェクトの乗りが良くなった、音の抜けが良くなった、イコライザーの補正量が減った、音の存在感が増した、など……。

 すべてです! ほとんどのスタジオでは電源周りなどがちゃんとしているので、ケーブルが原因のハムやノイズが問題になったことはありませんが、EQで補正する量が減ったのは間違いありませんね。

ライブで使用した時にも、同じような感想を持ちましたか?

 基本的にはスタジオでもライブでも、良さは変わらないと感じました。もともと、ライブでもスタジオと同じクオリティの音にしたくて、今のようなシステムにしているので。

オーディオ性能を追求したケーブルには、柔軟性が犠牲になってライブなどでは扱いにくいものも見られるようですが、この点においてACOUSTIC REVIVEのケーブルはどうですか?

 たしかに、これまで試したものの中には音は凄く良くても硬すぎて取り回しが大変なものもありましたね。GB-Triple-C-FMもやや硬めではあるのですが、全然許容範囲内です。

ちなみに、電源ケーブルは何を使っていますか?

 ACOUSTIC REVIVEが海外のみで販売している、真っ黒い電源ケーブルです。これまで使ったことのあるものについても、会場にAVR(自動電圧調整器)が設置してあったり、電源車から電力供給してもらえたりする場合には特に不満は感じていませんでした。ところが、人間の欲望とは恐ろしいもので、“あ! こんなに違うんだ!”って思った瞬間から、機材に付属の電源ケーブルは使わなくなりましたね。

具体的には、どういった印象を抱きましたか?

 一番強く感じるのは、“低域の量感”が確実に増しているという点でしょうか。これはおもに電源ケーブルの効果ですが、シールドでも同じ傾向を感じますね。オーディオ機器のように周波数帯域の広いものはもちろんですが、ギター・アンプに載っている30cmのスピーカーでもハッキリと違いがわかります。低い周波数帯域があまり出ていない小型のコンボだと効果は体感しにくいかもしれませんが、Mesa BoogieのRectifierやDiezelなど比較的大型のアンプで、JBLのKシリーズやALTECの417-8Hの2発入りのようにレンジが広めのキャビネットを鳴らすと、違いは一目瞭然でした。あと、Fractalのようなデジタル回路がメインの機材を使った場合でも、周波数帯域が広いせいかけっこう違いが出る印象がありましたね。

現在のギター・システムにおいては、どのような機器とつなげてそのケーブルを使っているんですか?

 最近はアンプを使うことは滅多になくて、Fractalにつなげることがほとんどです。とはいえ、パワーアンプやプリアンプといった増幅回路がメインの機器だと、やはり高性能の電源ケーブルが一番威力を発揮すると感じていますね。歌入れやドラムの録音などでマイク・プリ用に使ったりもしています。

今剛の愛用アイテム

GB-Triple-C-FM(ギター・ケーブル)

5m:41,800円(写真)/3m:26,400円/7m:57,200円/10m:80,300円

ケーブル導体には、鍛造製法によって連続的な結晶方向を持たせた世界初の音響専用の単線を採用。それを覆う絶縁材や緩衝材にはテフロンや天然シルクを、機器との接続部分には非磁性体を使用している。さらには、正確な位相特性を得るための2芯シールド構造など、選び抜いた素材と多くのノウハウを投入した最高性能のギター用ケーブルだ。

【問い合わせ】
ACOUSTIC REVIVE https://acousticrevive.jp

今剛

こん・つよし◎1958年生まれ、北海道出身。日本を代表するスタジオ・ミュージシャン。寺尾聰の「ルビーの指環」から宇多田ヒカルの「Automatic」まで数多のヒット曲のレコーディング/ライブに携わってきた。近年はEXILE ATSUSHIや福山雅治のツアー、シンガー・ソングライターの丘咲アンナのプロデュースなども行なう。

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ギター・マガジン2022年4月号
『歪祭 -2022-』

本記事はギター・マガジン2022年4月号にも掲載されています。本誌の特集は、注目の歪みペダル62機種をギタリストAssHが試奏する、“歪祭(ひずみまつり)”!