プロ・ギタリストのLine 6 DL4活用術 伊東真一(HINTO/SPARTA LOCALS)の使い方 プロ・ギタリストのLine 6 DL4活用術 伊東真一(HINTO/SPARTA LOCALS)の使い方

プロ・ギタリストのLine 6 DL4活用術 
伊東真一(HINTO/SPARTA LOCALS)の使い方

プロ・ギタリストたちが培ってきた“DL4活用術”を教えてもらうこの企画。今回はHINTO/SPARTA LOCALSの伊東真一にご登場願おう。エフェクター好きとしても知られる彼のペダルボードにおいて、DL4は15年にわたりスタメン起用。様々なディレイ・ペダルを愛用する彼にとって、DL4とはどういう存在なのか。

取材/文=福崎敬太
*本記事はギター・マガジン2022年5月号の特集『How To Use DL4?~新機種”MkⅡ”でも使えるプロ5人のDL4活用術』を再編集したものです。

伊東真一のDL4

15年以上、伊東を足下から支える緑の箱

 2006年頃に入手したDL4は今も現役で伊東のボードに鎮座。長年の使用の中でステッカー・カスタマイズなども施している。

 Reverseモードを使う時もあるが、基本的には以下で語ってくれているようなベーシックなディレイの設定で使用。ほかには“音を作り込む時にルーパーが便利なんです。先頭につないだDL4で簡単なフレーズをループさせて、ほかのエフェクターの接続順や設定を比較する。弾きながらだとなかなか面倒臭いじゃないですか(笑)”という使い方も教えてくれた。

INTERVIEW
色んな種類があってどれも美味しい“鍋料理”みたいだなって思います(笑)。

DL4の音は馴染むんですよ

DL4は2000年に発売されましたが、出てきた当時の印象は覚えていますか?

 なんか凄いディレイが出たなっていう印象はありましたね。で、マーズ・ヴォルタのオマー・ロドリゲス・ロペスやジョン・フルシアンテとか、好きなギタリストの足下に入ってるのを見て、自分も導入したんです。それから15年以上、今もメインのディレイとして使っていて、HINTOでは結成当時からボードに組み込んでいますね。

どんな使い方をしていますか?

 プリセットは[A]がDigital w/ modでミディアムくらいの長さの1番よく使うディレイ、[B]がAnalog w/ modのロング・ディレイ。で、[C]がDigital w/ modのショート・ディレイにしていて、踏みっぱなしにしていることが多いです。基本的にはこの3つが固定であって、曲によってはたまにReverseを使ったりもします。その時は直接設定を変えますね。

かけっぱなしの[C]は基本的なサウンドの1つになっているのだと思いますが、その時はアンプやほかのペダルはどういうセッティングですか?

 僕はアンプはクリーンにしてペダルで歪ませるんですけど、その時はボンダイ・エフェクツのSick As Overdriveを軽くかけて、そのうしろにMXRのMicro Ampを入れてます。そこにDL4をプラスしている感じですね。

[A]のミディアム・ディレイと[B]のロング・ディレイはどういうタイミングで使うんですか?

 [A]はディレイを使う曲ほぼ全般ですね。“これくらいのタイムだったらどの曲にでも合うだろう”っていう、自分の気持ちいいとこを探っていって、ディレイ・タイムで言うと300msecくらいになってるかな。[B]のロングは数曲でしか使わないですね。

Reverseモードはどういう時に?

 MIXがマックスで原音をカットした状態にしていて、ある曲のイントロ部分だったり、ちょっと不穏な感じで始まりたい時にオンにするっていう使い方が多いですね。

ほかにも色々なディレイを使っていますが、その中からDL4を選ぶのはどういう時なんですか?

 DL4の音で自分のサウンドができている部分があって、“いつもの音が欲しい”って時に選ぶことが多いですね。あとは、やっぱりライブ向きなんですよ。例えばテープ・エコーのモデリングの音って、最新の技術を使ったモデルのほうが“再現性”という意味では高いんです。でも、ライブだとそんなにリアルな質感が必要じゃない時もあったりして、解像度が高いとかえってアンサンブルの邪魔になったり、ちょっと浮いちゃうこともあるんです。ライブハウスのスピーカーからほかの楽器も鳴っている中だと、DL4の音は馴染むんですよね。

では改めてDL4の魅力とは?

 なんか“鍋料理”みたいだなって思ってますね(笑)。(セレクターを触りながら)水炊きやもつ鍋とか色んな種類があって、それでどれも美味しくて、だいたい何にでも合う。ほかの調味料にも合うし、何を合わせても美味しい。自分にとってはそういう存在ですね(笑)。

ペダルに詳しくない人も
すぐに扱える気はします

DL4 MkIIの印象はどうですか?

 いやー、アップデートの仕方がエグいですね(笑)。初代が20年以上製造されたのも凄いなって思うんですけど、20年分のアップデートが……(笑)。とりあえずディレイもリバーブも人によってはこれ1台で賄えちゃうから、ペダル1個分のスペースを空けられますもんね。あとツマミのデザインが素晴らしいですよ。足でフット・スイッチを操作する時にも間違って動くことがない。

MkIIはどういう人におすすめでしょうか?

 初めてのディレイにも良いんじゃないかな。もしかしたら少し持て余しちゃうかもしれませんが、これを持っておけばほかにディレイはいらないくらいの機能が詰め込まれてますからね。でも、基本的な操作部分は初代を踏襲しているのでわりと直感的に操作できると思いますし、きっとペダルに詳しくない人でもすぐに扱える気はします。

My Favorite Setting

基本サウンドに欠かせないショート・ディレイ

伊東の基本サウンドの1つとして、かけっぱなしで使うことの多いショート・ディレイ。[C]スイッチにプリセットしている。ディレイ・タイムは短めでリピートも少ないが、効果を感じる程度にミックスを上げているのがポイント。“DL4は自分の音になっている”と語る伊東のサウンドに近づくように、ぜひ試してみよう。

My DL4 Tune

「no love lost」killing Boy
(『Destroying』収録/2012年)

木下理樹と日向秀和によるkilling Boyの作品から、普段は使わないルーパーを使った1曲。セッションで曲を作る中でDL4のルーパーが生み出したフレーズを、レコーディングはオーバーダブで表現し、ライブではDL4で再現。有機的にフレーズを積み重ね、ロックなウワモノなどはリアルタイムにコントロールしている。

伊東真一

1978年生まれ、福岡県出身。SPARTA LOCALSのギタリストとして2003年にメジャー・デビュー。現在は再結成を果たした同バンドとHINTOのほかに、サポート・ワークなどもこなす。最新作は両バンドのスプリット盤『≠』。

Line 6
DL4 MkII

【スペック】
ディレイ・エフェクト数:30
リバーブ・エフェクト数:15
ユーザー・プログラマブル・チャンネル数:6(MIDIコントロールで最大128)
ルーパー最長Rec時間(フル/ハーフ):120秒/240秒(microSDで拡張可)
入出力端子:1/4″イン×2、XLRイン×1、1/4″アウト×2、EXPアウト、MIDIイン/アウト/スルー、USB、micro SD
電源:9V DCアダプター(500mA)
サイズ:235(W)×114(D)×51(H)mm
重量:0.92kg

【希望小売価格】
46,200円(税込)

【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパン Line 6インフォメーションセンター TEL:0570-062-808 http://www.line6.jp

ギター・マガジン2022年5月号
『もっと恋する歌謡曲』

本記事はギター・マガジン2022年5月号にも掲載されています。本号の表紙は野口五郎で特集は『もっと恋する歌謡曲』。山口百恵「プレイバックPart2」、中森明菜 「DESIRE -情熱-」 、西城秀樹「ギャランドゥ」などなど、誰もが一度は耳にしたことのある歌謡ヒット・ソングの中から、最高にカッコいいギター・フレーズを紹介していきます!